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第9話

Author: 五円
梓は血まみれの唇を拭い、逆上して言い返した。

「どの口が言ってんの?あんたが私の犬になりたいって泣きついてきたんじゃない!

彩音が生きてる時は散々ないがしろにして、死んだら後悔?白々しいにも程があるわ!」

この動画が拡散されるや否や、ネット上は大炎上した。

隼人が結婚中に浮気していたことは、誰の目にも明らかとなった。

世論は一変した。ついさっきまで隼人に同情していたネット民は、手のひらを返したように彼と梓を叩き始めた。

【愛妻家ぶってたのかよ、最低だな!】

【クズ男と悪女、お似合いじゃん!】

【汚らわしい男!】

騒ぎはそれだけでは終わらなかった。間もなく朔也もこの泥沼に加わり、新たなニュースが飛び込んできたのだ。

動画の中で、出張先から急いで帰国した朔也が、家の前で隼人たちと取っ組み合いの喧嘩を繰り広げていた。

「隼人、このクズ野郎!彩音と結婚したなら大事にするべきだっただろうが!

それなのに貴様、ふらふらと梓に現を抜かしやがって!ぶっ殺してやる!」

動画の中の朔也の言葉に、私は呆れてしまった。

彼だって、私と梓の間でふらふらしていたくせに。

それに、彼は隼人の計画を知っていながら私には黙っていた。

隼人と一緒になって私を騙していたのだ。

彼もまた、自分勝手で最低な男だ。

その後、ネットの情報によると、隼人はすっかり無気力になり、会社のことも放り出して部屋に引きこもり、酒に溺れる日々を送っているらしい。

彼が経営する会社は急激に業績を落としていった。

一方、彼は狂ったようにSNSを更新し、私への想いを綴り続けた。

さらに大金をはたいて特注の氷棺を作り、私の「遺体」を保存した。

そして、「遺体」の入った棺と共に、北極でオーロラを見たり、南極でペンギンを見たり、モルディブで日光浴をしたりして回った。

行く先々で写真を撮り、SNSに投稿する。

そこはかつて私たちが共に思い出を作った場所ばかりだった。

隼人はそうやって自分を麻痺させ、自己正当化しようとしているのだろう。

滑稽としか言いようがない。

生きている時は粗末に扱っておいて、失ってから愛しているふりをするなんて。

本当に救いようがない!

それからというもの、私は彼らの情報を一切遮断し、新しい仕事に没頭した。

努力が実り、私はすぐに昇進してチーフデザイナーに抜
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