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蜜夜①

Author: 藍沢咲良
last update publish date: 2026-09-18 16:35:33

私が黙っていると、瑛が少しだけ目線を落として、低く続ける。

「明日、仕事だろ」

「……うん」

「だから、今日は──」

“帰る”って言うつもりだったのが分かった。

私は、箸を置いて、瑛の袖を軽く掴んだ。

「……じゃあ、帰らないで」

瑛の喉が大きく上下した。

「りお」

「うん」

「……俺の理性を削るな」

「削ってない」

「削ってる」

また即答。

瑛は一度だけ目を閉じて、深く息を吐いた。

それから、私の額に、短く口づける。

欲じゃない。確認のキス。

「……食い終わったら、水飲め」

「はい」

「その後、寝ろ」

「……瑛も食べなよ」

瑛は少しだけ黙って、それから。

「お前が落ち着いたら」

と言って、私の背中にまた腕を回した。

結局、離れない。

私は湯気の向こうで、瑛の横顔を見上げる。

「……好きだって言ったの、ほんと?」

瑛が、ほんの少しだけ目を細めた。

「本当だ」

「……じゃあ」

私は小さく息を吸って、耳元に寄せる。

「私も、好き」

言い終わる前に、瑛の腕が強くなる。

「……そういうのは」

声が、低く、掠れる。

「反則だ」

そして、抑えるみたいに、もう一度だけ額にキスを落とした。

「……明日
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