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第19話

サヨ
梶本家の別荘。

来幸は三日間、闘犬場に放置されていた。全身は赤に染まり、少しでも動けば肉が裂けるような激痛が走る。

彼女は涙も枯れ果て、ただ低く呻いて許しを乞うことしかできなかった。

「克樹……本当にごめんなさい……許して……」

克樹は冷ややかに彼女を見下ろした。

「いいだろう。こいつを訓練キャンプへ放り込め。どれだけ持ちこたえられるか見ものだな」

「嫌!嫌よぉッ!」

来幸は絶叫した。梶本家の訓練キャンプがどれほど地獄のような場所か、彼女は熟知している。

そこに行くくらいなら、まだ闘犬場の方がマシだ。

「怖いか?」

克樹は能面のような無表情で告げた。

「時乃はわずか七歳で入所し、幾多の死線を潜り抜けて俺の前に立ったんだ。……彼女を殺したのは、お前だ」

来幸は恐怖に震え、涙と血で汚れた顔を地面に擦り付けて懇願した。

「私が悪かったわ!ねえ克樹、本当に反省しているの……!」

克樹は目を閉じ、部下に彼女を引きずるよう命じた。

「言ったはずだ。時乃が味わった苦しみは、すべてお前も味わうんだとな!」

……

あの日以来、克樹は完全に抜け殻のようになった。

特注の氷棺を用意し、時乃と思しき遺体を保存させ、毎日その前で泥酔した。

時折、いっそ死んで楽になりたいとさえ思った。

そうすれば、来世で彼女に会って許しを請えるかもしれないと。

彼が三度目の自殺未遂、手首を切って病院に搬送された時だ。

秘書が血相を変えて病室に飛び込んできた。

「社長!ひ、広瀬さんを見かけたとの情報が!」

克樹は虚ろな目で、天井を見上げたまま言った。

「嘘をつくな……無駄だ」

秘書は一枚の新聞を彼の目の前に突きつけた。

「本当です!これをご覧ください!」

克樹は眉をひそめ、億劫そうに目を開けた。だが、新聞の写真を見た瞬間、弾かれたように上半身を起こした。

「時乃……?」

写真の中で、時乃は中年男性と並んで立ち、太陽のように明るく微笑んでいた。

一目で確信した。これは、間違いなく時乃だ!

「すぐにあの遺体を再鑑定に出せ!別人かどうか確認しろ!」

次の瞬間、克樹は腕の点滴を引き抜き、運転手に電話をかけた。

「車を出せ!今すぐ翼澤市へ向かうぞ!」

……

翼澤市、広瀬家。

東都市から翼澤市へ向かう道中、克樹の心は狂喜に満ちていた。

まさか、時乃
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