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テインタルは…

last update Last Updated: 2025-12-20 22:49:01

「ティンタル王女様!」アーサーは叫んだ

黒の兵士と剣で戦いながらティンタルは言う

「くっ、私なら大丈夫よ、大丈夫!アーサー!」

「行くの!行きなさいアーサー!貴方の大事な人たちの為にも」

「我が名は黒の王女テインタル」

「我が名の元に風よ、刃となり

立ち塞がる奴等をなぎ払え…だか、命は奪うな!」

それはテインタルの見せた本音 テインタルの切ない想いだった

風が勢い良く舞い上がり、廻りを取り囲む黒の兵士達をなぎ払う

「うわあああ」「ぎゃああ!」

そうして、彼らは怪我を負うが

テインタルは魔法の効果を弱めたので

当然だか、彼らにとっては致命傷にはなってはいない

だが…しかし

黒の兵士達の数は多く、しかもテインタルは

攻撃の魔法を弱めているので

テインタル達には不利な状況ではあった。

しかもテインタルにとって最大攻撃の魔法

炎の魔法を使わないのだ

「テインタル様」「大丈夫、私が引きつけるわ!いいから!」

黒の兵士達は戸惑いの表情を見せ、互いの顔を見る。

「テインタル?」「今の呪文は…」

「黒の貴族の娘か?剣も強いぞ」

「洗脳されたか、仲間の人質がいるのか?」

「恐らく…そうだろう」

「我々に致命傷を与えてはない」

「とにかく、あの娘は敵方だ!」

「魔法封じの呪文を織り込んだ網を投げろ!」

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  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   国境付近に居るアーサーとティンタル達

    「黒の国境での任務はほぼ無事に済んだのだからねえ、アーサー、貴方は巨人族の国へ急いで戻りなさい」「ティンタル姫様」「エリンシアの為にも…巨人族の王から貴方の大事なエリンシアを取り戻さないと」隠れ家でアーサーとティンタルが言葉を交わしていた。「エリンシアの身体は弱っているのに 巨人族の王は…なんて酷い」ティンタル「姫様…ティンタル姫様」アーサーは泣きそうな顔でどうにか言葉を絞り出した。「少しでも早く…残りの後始末なら私でも大丈夫だから」ティンタルドンドンと扉を叩く音と共に勢い良く扉が開く部下のランディが息を切らして、部屋に飛び込んできたのだった。「ランディ」「ランディなの?どうしたの?」「大変です!黒の軍勢が…この隠れ家が奴等に発見されました」「何ですって!」アーサーにティンタル、数十人の部下達が慌てて鎧に剣を取る数人は示し合わせたように盗み出した黒の国の機密を書き写した書類などを懐にしまい込んだ。「行くわ!この場を脱出するわよ」そうして、小競り合いの戦いが始まった!「風よ!敵を蹴散らせ 黒の王女たるティンタルが命を下した!」水辺のある低い崖での戦闘黒の兵士達が悲鳴を上げ、風に吹き飛ばされ水辺へと…。

  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   夜伽、悪夢の再現に…王の弟

    巧みないつも通りの羽琴の演奏滑るように軽く踊るような指先の動きでエリンシアの演奏で羽琴の弦は優しい調を奏でていく。巨人族の王の城で、そうしていつも通りエリンシアは羽琴の演奏を終える。王の居室 王はベッドに身体を横たえ酒を煽るように飲んでいた。いやらしい卑猥な笑みを浮かべ、さも当たり前のようにエリンシアに言う「服を脱げ、俺を十分に満足させろ…分かっているなエリンシア」泣きたい、逃げ出したい気持ちを堪えながら言われるままに服を脱ぎ捨てたエリンシア 微かに震える自分の身体ベッドにそんな自分の身体を横たえる胸を捕まれ、白い肌を乱暴に扱われ四つん這いにされ、猛り狂うものを幾度も押し込まれて喉を潰されたエリンシアは、くぐもった微かな声を上げる。「もっとだエリンシア、もっと満足させろ」次には王の身体の上で、思う様、弄ばれたそうして…悪夢のような時間の後エリンシアはようやく解放され、逃げるように部屋を出た。用意された部屋に駆け込むように必死でよろめきながら、歩いてゆく 瞳からは絶え間ない涙…涙部屋ならば一人で泣く事も暖かな湯で湯浴みも出来るのだから「エリンシア、白の国のエリンシアだったか」声をかけた者 確か、王の弟で長く戦に出ていた者王の弟舌なめずりをして笑う「前にも会った…兄の寵姫だ 俺は兄の王とは…仲が良い」「兄の王に可愛がって貰ったかお前の夜伽に兄の王はとても、満足して貰っているようだ…ククッ」「昔の戦で捕らえた奴隷の中でも、本当にお前は美しい」「兄の王にも、あのアーサーも…お前に夢中だ…黒もだが、白の貴族の娘は年を取らずに 姿は美しく、二十歳代のまま」「是非、俺にも羽琴の演奏に夜の無聊を慰めて貰いたいものだ」

  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   憂いのエリンシア

    「お母様?」「ママ」エリンシアは大事な子供達を抱き締める。ほほ笑むとエリンシアは 小さな板に文字を書き出すのだ「お母様、王様のお城に行くの?」エリンシアは小さな娘のティナに頷く「…何だか心配なの、一緒に行きたい」いつもは聞き分けの良いティナが何かを感じたのか…そんな言葉を口に出す。慌てて、首を横に振り、ティナをエリンシアは再び抱き締めたのだった。そして、娘の小さなティナにまた板に文字を書いて、手渡した。巨人族の王様達は大変、気難しい処があるもし、何かの事で不快感を持つといけないから大事なアーサー お父様のためにも 二人は良い子で御留守番をお願いね近くに住む親戚の方々、叔母さま達に家の使用人達も二人の傍に居るわ「お母様、エリンシアお母様は大丈夫なの?」頷き、また小さな板に文字を書くエリンシア私なら以前は王様の傍で御世話の仕事をしていたの王様達の為に琴、羽琴を演奏したりしていたから、大丈夫なのしばらく、多分だけど戻れないわ「分かりました エリンシアお母様」この子供達、ティナ、アンリス 夫アーサー私は…私が出来る事を 守らなくては◇黒の国の国境付近に夫アーサー達がいたガシャーン アーサーは手元にあったグラスを落とした「あら、大丈夫?どうしたのアーサー」黒の王女テインタルが尋ねた。「…また、エリンシアがエリンシアが王宮に…王が呼び出したそうです」震える声で親戚の者たち、ティナからの手紙で状況を知るアーサー

  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   アーサーの留守…悪夢の再来

    それから日々は過ぎ去り…「お父さん、また、しばらく戻らないのね」「ああ、そうだよ、ティナ、父さんは…テインタル様と一緒に大事な仕事があるから」ティナの赤い髪を撫ぜながら、父親のアーサーは微笑む。大事な仕事…黒の国に潜入したりする事に国境で繰り返されている巨人族と黒の国の小競り合いの戦いの数々戦の仕事…。「……」寂しそうに小さなアンリスを抱きかかえエリンシアがほほ笑む。「大事なエリンシア、大事なティナにアンリス必ず戻るから…」「最近はティナは料理も楽器の演奏も上手になって帰って来たら、エリンシアとティナの料理に演奏を愉しみにしてるからね」「はい、父さん!」「使用人達も居る、親族の者達も来るから…」アーサーは二人を抱きしめるそれから、エリンシアの唇にアーサーは自分の唇を重ねた。「…誰より、美しいエリンシア…」「…」涙ぐみ頬がほんのりと赤くなるエリンシア種族の特性でエリンシアの容姿は二十歳代のまま変わらない…エリンシアの儚げな面立ち、左右の色違いの瞳に金の髪が揺れる。だが、その麗しい美貌ゆえに白の宗主に…先の黒の王アージェント巨人族の王に身体を奪われる事になったのだ。◇ ◇ ◇それから…間もなくの事である。「エリンシア母さま、巨人族の王様、お城から呼び出しなの?」ティナが聞く「エリンシア母さま、顔色が悪いわ!大丈夫?」巨人族の王は…まだ、エリンシアの身体を欲しがっていたのだった。逆らえば、どうなるか…エリンシアは濁流に飲み込まれる木の葉のように抗えない。

  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   エリンシアの不安

    アンリス…赤子の名前「元気な赤子、大きな声で泣いている」手伝いに来た者たちがそんな話をしていた。「とても、可愛いよエリンシア、有難うゆっくりしてくれ」アーサー「ゆっくり休んでねエリンシア」ティンタルは微笑した。赤ん坊を抱く二人の子供の父親になったアーサーアーサーは大事な赤子を嬉しそうに抱いていたのだった。 「お母さん、お父さん、アンリスを抱いて良いかな?」気恥かしそうに姉になったティナが聞くエリンシアはベッドの中で頷き父親のアーサーも頷きながら「お姉さんになったね、ティナ」と言いながらそっとまだ生まれて 数日の赤子をティナにそっと、優しく手渡す「あ…可愛いわ!」アンリスは両生体だった。この赤ん坊はエリンシアの最初の子供であるエイル、エルトニアと同じく「私の弟になるのかしら?それとも妹?」「成長するまではね、まだ分からないそうだよティナ」笑い、ほほ笑むアーサーやティナを見ながら深い疲れと眠気に囚われる母親のエリンシア…この雪深い巨人族の国に来て、ずっと、ずっと私の身体は少しづつ弱っているような気がする。…巨人族の者たちが拐って来た多くの白の国の者たちが…黒の国の者達と違い、儚い幻のように力尽きて死んでしまったと聞いた。癒しの魔法に薬師の薬も服用しているのだけど心の深い傷長い年月の辛い過去の出来事が私の身体を蝕んでいるとも白の国の民…住んた地からは離れ過ぎて生まれ地、大地の守護力が遠く離れて届かないのだろう或いは荒ぶる巨人族の加護、巨人族の生まれた大地の力が白の民には毒…毒なのだと…薬師達が言うだとしたら?私は?……………愛するアーサー、ティナ、生まれたばかりのアンリスを置いて?エリンシアの瞳から涙が一筋気づかれぬように拭うエリンシア

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