All Chapters of 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2: Chapter 1 - Chapter 10

37 Chapters

羽琴の姫君 始まり 人質の身代わり

昔・・白の国の王族に 羽琴の姫君と呼ばれる美しい姫がいた・・。 金の髪に 青と薄紫のオッドアイの瞳の姫その昔 羽琴の姫君 エリンシアナは 白の国の統治者である 白の宗主に願い出でて こう言った「どうぞ 私を… エイル、エルトニア姫の代わりに 黒の国へ行かせてくださいませ」「エルトニアはまだ幼い子供 白の王族であれば 誰でも構わないはず あの子は大事な私の姉の忘れ形見の子供」 「お願いです!どうか願いを聞き届けてくださいませ」白の宗主は しばらく沈黙していたが やがて口を開いた「そなたは私の側室の一人 誰よりも素晴らしいあの扱いの難しい羽琴を奏でる者 そうそう 手放すと・・?」「宗主さま・・どうか・・」「自分の子供は可愛いか?」 ハッとして、目を見開いて、白の宗主を見るエリンシア姫「私が知らぬとでも、思っていたか?羽琴の姫君よ」「そなたが私の傍に、来る前に 跡継ぎ争いで 私が殺した私の弟が」 「そなたと恋人同士であった事など、前から知っていた」「密かに産んだ子供を子供がいなかった姉夫婦に託して 私に乞われるまま、いやいやながら私の側室になった」「同じ瞳 オッドアイの瞳、さすがは親子だ」 「まあ、良い、幾度抱いても、そなたは私に心を決して開かぬ いとまをやろう、何処へなりとも行くがいい」「そなたの身体は十分に味わったが」エリンシアの衣装 彼女の世界では一般的な服装だが古代ギリシャに古代ローマを思わせる身体のラインが良くわかる白い衣装を宗主はしみじみと楽しむように眺め、言葉を紡ぐ「黒の国へ行くまでは、まだしばらく時間もあるまた、楽しませてもらうが」「……」その言葉にいつもの乱暴な閨での扱いを思い、エリンシアの表情が固くなる。エリンシア達の種族、身体の中にある白い羽に猫に似た耳エリンシア、彼女の猫に似た耳がやや、怯えてピクリと動いた。「エリンシアよ、本当に良いな、私のものである、我が側室」「だが、姫よ、黒の国で何が起ころうとも、私はそなたを助けてやれぬぞ、良いな!」「はい、仰せのままに…この国の支配者、白の宗主様」
last updateLast Updated : 2025-02-18
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第二話 故郷の残された日々…穏やかな時間

そうして数日後の事義兄とその幼い子供であるエイル・・エルトニアが 彼女の居住する屋敷にやって来た「エリンシア姫様!叔母様!」幼い子供の明るい声 駆け寄り、腕を広げたエリンシアのその胸に抱きとめられるエイル猫に似た耳をピクピクさせている幼いエイルエイルの服装、白い裾の短いチュニックには刺繍入り「まあ!エイル、エルトニア姫」「エリンシア姫」「お義兄様」呼ばれて 幼いエイルを抱きしめたまま 傍にいた男 エイルの父親に微笑む◆ ◆ ◆「本当に 敵対していた黒の国へ行くのか?」「はい」「そなたには 申し訳ないと思っているよ まさか、エイルが選ばれて 先々の事を思い困り果てていたら エイルの身代わりになろうとは…」「身代わりなんて、良いのです これで・・」「私の事は心配なさらないで、今回は平和条約の対等な取引」「黒の国からは 黒の王子確 名前はアーシュランと言われたかしら? その御方が 白の国に来られるそうですから」「知ってるよ・・まだ彼も幼い子供で、私が預かる事になっている」「!まだ幼い子供なのですか?」◆ ◆ ◆「エルトニア、エイルより少し年上らしいが、そう年齢は変わらないと 聞いている そうだ、黒の王の家族達の絵姿を描いた絵が送られて来た あとで見せてあげよう それに描かれてるだろうし」「有難うございます 義兄様、それにしてもエイル、エルトニア姫は しばらく見ない間に大きくなられましたね」「エイル、この子は両生体だから、どちらの性を選ぶのでしょうね?」エイルのオッド・アイ 片方が茶味がかかった金色 もう片方は天上の青・・ 可愛らしい整った容姿を ほれぼれと見る「どちらの性を選ぶとしても、綺麗な子になるでしょうね…ふふふ」「お茶とお菓子の準備は出来ていますわ」「本当?叔母様」「ええ…エルトニアが大好きなあの赤い果実テインベリーのケーキも用意してますよ」「叔母様 羽琴も演奏してくださいますか?」「もちろん! さあ中へどうぞ 後から リアン様もおいでになるそうですわ」「リアン兄様も!楽しみ♪」「うふふっ」楽しそうに笑うエリンシア姫◆ ◆ ◆小1時間後ほどして、少年のリアンが  白銀の髪をした女ケンタウロスの騎士を お供に伴い やって来た「リアン兄様!」エイルは嬉しそうに声を上げる「リ
last updateLast Updated : 2025-02-18
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第三話 白の国で…

「これはリアン様よく来られましたな」エイルの父親が答える「皆様、こんにちわ、久しぶりに会えて嬉しいです」リアンと呼ばれた淡い金の髪をした13歳前後の少年は微笑みながら、そう答えた。彼、リアンの服装は青いチュニック、膝下程の長さ、金の帯で腰の辺りで締めて、留めている、首はV字で金の縁の刺繍、服の裾も同じく「リアン様、お供の方、ケンタウロスの女騎士…確かレグルス様は こちらにはお通しされなくてよいのですか?」「いえ、彼女レグルスは向こうで控えてるそうですただ、良ければ何か……」「ええ、お酒がお好きでしたね 召し上がれますか?」「いえ、それには及びません、一応、僕の警護 仕事中ですからね」「では、何か飲み物と軽い軽食でも 召使に用意させましょう」「有難うございます エリンシア姫様」「エリンシア姫様は いつもお優しくて 数年前に亡くなった身分の低い母をいつも庇ってくださって感謝してます」◆ ◆ ◆「そんな・・あの方は、リアン様の母君は、とても、物知りで、色んな事を教えて下さったわ」懐かしむようにエリンシアはため息をつき「それに、同じ白の宗主様の側室でしたからあの方こそ 私を何度も助けてくれましたわ」◆ ◆ ◆「エリンシア姫様」「さあ、お茶とお菓子のお替わりは如何ですか?羽琴の演奏をしますが 何かリクエストがあれば?」「有難うございます、では、夜想曲を・・」「あ!叔母様 僕は、雪花祭りの歌が聞きたいです」と…こちらはエイル「はい、はい、わかりました、では夜想曲から」◆ ◆ ◆羽琴と呼ばれる琴の楽器大きく 琴が幾つも 一つは正面と斜め横にと また3つ琴と弦が重なりあい下には、土台がそれらを支えている。小さな椅子に座り 巧にその弦を弾きらして 音楽を奏でていた。それは…妙なる調べ次々と曲がリクエストされて夕方の近くまで、その演奏会は続いた◆ ◆ ◆楽しいおしゃべりの後で「では エリンシア姫様、僕はこれで…」少年のリアンが礼儀正しい仕草で席を立つ「良かったら、リアン様、夕食でも?」「いえ、明日、家庭教師から出される試験がありまして、帰って勉強しないと」リアンは答える「じゃあ!またね、リアン兄様、僕らは夕食まで叔母様と食べるよ」エイルが笑う「リアン様、では、また…」「はい!また」リアンは 女騎士である白
last updateLast Updated : 2025-02-18
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第四話 黒の国へ 戻れぬ旅路

黒の国への旅立ち 戻れぬ旅路それから、エリンシアの屋敷では「あら、エイルはお眠?」ゆったりとしたソフアですやすやと寝息を立ててエイルは眠っていた。「ふふ、義兄さま、今日は泊まってゆかれては?」「そうさな、エリンシア姫、お言葉に甘えよう 有難うエリンシア姫」「はい、どういたしまして」そして、それから…。瞬く間に日々は過ぎ……。見送られて、羽琴の姫白の国から、エリンシア姫は旅立った。「エリンシア姫、叔母様」幼いエイルは涙ぐむ。「エリンシア姫」「姫様」優しく多くの人に慕われてた姫見送る者の中には、多くの涙ぐむ者もいた 。「どうか、皆様、お元気で…」「義兄さま、リアン様、どうか、エイル…エルトニア姫をよろしく、お願い致します」「叔母さまぁぁ」そして、涙を流す、まだ幼いエイル、エルトニア少年のリアンは前に進みでて、金の髪飾りを差し出す。「エリンシア姫さま、どうぞ、これを…」「まあ!有難うございますリアン様…あ、そうだわ、これをどうぞ」そう言って、荷物の中から、小さめの持ち運べる竪琴をリアンに差し出すエリンシア「私が、以前、姉さまから頂いた物ですが、最近は羽琴しか扱わず、あまり使わないものですから、リアン様も楽器はお好きでしたから」「そんな、いいのですか?」リアン「ええ、どうぞ」微笑んで、リアンの手渡す…エリンシアリアンは、その竪琴を受け取った。「有難うございます エリンシア姫様」そうして、集まった皆を見渡して「叔母様!」「あっ、エイル、エルトニア」抱きついてきたエイルを抱きしめて、額にくちずけをして そっと、エイルのその幼い身体から手を放してから「元気で健やかに ずっと祈っております」そう言い残して、エリンシアは白の国を去っていった。今度は幼いエイルをそっと後ろから抱きしめるリアン「大丈夫、何年かたったら、きっとお戻りになるよ」「うん、わかりました、リアン兄さま」鼻を赤くして、まだ少し瞳に涙を残したままエイルはリアンに答えただが、しかし運命は 羽琴の姫君の故郷である白の国への帰還を許すことはなかったのだった...。
last updateLast Updated : 2025-02-18
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第五話 人質になる王子

こちらは黒の国 黒の王宮、人質に選ばれた王子アーシュラン、アーシュと愛称として、呼ばれていた。黒の王宮の片隅 彼は静かに、窓辺で本を読んでいる。まだ幼い少年アーシュラン、彼の黒髪が風に揺れていた。少年のエルフのような耳が揺れる。黒のチュニックは膝より上の長さで、赤いトーカ゚、赤い、布の帯「アーシュ兄さま」少女は赤いチュニック 腕、足元に小さな宝石入りの金色の帯、裾に金色の刺繍入りのドレスに片方だけのお団子に結い上げた長い黒髪、お団子の髪の中には小花の小さな赤い宝石綺麗に着飾った、同じ耳を持つ美しい少女が部屋に飛び込み、彼に抱き着く綺麗な美しい衣に艶やかな髪、黒髪は複雑な形で結われて、宝石のピンをつけて煌めくような まだ幼いが、極上な美貌の持ち主の少女少年と少女の宝石、ルビーのような赤い瞳が互いを見ている◆ ◆ ◆「…テイ、テインタル」少年は、表情も変えずに、ただ一言、少女の名前を呼んだ。「あのね、私、テイは刺繍入りのハンカチを作ったの 使ってね」頬を赤くして、少女は少年、兄にハンカチを差し出す。「・・・・・」「どうかしら?」「とても、良く出来ている、嬉しいよ」「うふふ、有難う、兄さま」彼はあまり表情を変えずに、一言ぽつん「あの、アーシュラン兄さま、本当に白の国へ行かれるの?」「ああ、父王たちが、そう決めたからな」無表情の兄アーシュの言葉に哀しそうな表情を浮かべる妹テイ、テインタル「私もついて行きたい、アーシュ兄様の傍に居たいわ」幼い妹のテイが抱きついたまま、ぽつりと一言◆ ◆ ◆「元は敵国、大使というのは名目で人質だ、変な事を言うじゃない、火焔の瞳の王女さま」「それに300年、アジェンダ王以来の火焔の瞳の持ち主、長く出現を待ち続けた、火焔の王女だ戦の為に生まれてきた魔力を示す宝石のような深紅、火焔の色」 「弟の瞳の色は 確かに父と同じ色の金色弟のアジュアリは次に望まれる魔力である黄金、黄金色の瞳ではあるが」 「将来は、お前が間違いなく、女王だ」「それ、変、だって、アーシュ兄さまだって 私と同じ赤い瞳よ」◆ ◆ ◆「俺は、人族の寵姫の子、しかも、哀れな母のリジャは浚われて 一時、夜の・・多くの者達が母に触れて…あ、いや、何でもない」「・・長年 子供が出来なかったから 子供が出来やすい人族の女に俺を産
last updateLast Updated : 2025-02-18
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第六話 到着 入れ代わりの人質達

深い森と山に谷を越えて白の国から、実質上の人質 エリンシア姫が黒の王宮に到着して黒の王たちが彼女を出迎えたのだった。物憂い顔で美しい顔立ちの竜の王と呼ばれる黒の王黒髪は長く金色の瞳の持ち主王の名はアージェントしかし、右の片方の瞳を隠している、そう、戦で失われた瞳、再生能力を持つ黒の王族でさえ、再生が叶わなかったのだその隣には、類まれなる美貌の持ち主の黒の王妃艶やかな長い黒髪は纏められて、綺麗な金の飾りで飾られている。腕には、赤ん坊正統なる血を持つ、王の嫡子・・アジュアリ王子王妃の傍にアジュアリ王子の姉になる、まだ幼い少女エイルとそう変わらない年頃の少女テインタル王女 とても、美しい幼い少女、火焔の瞳の王女竜人、竜の人型をした警護役、守護者、戦士のアレルド側近のタルベリという男、小男で、小男で耳が大きく少々、人は違った姿をしている。なかなかの切れ者だという話を白の国で聞いた事がある。「エリンシア姫様、ようこそお越しになられました」うやうやしくタルベリイは頭を下げた。それから…家族とは少し離れた場所に立つ少年その少年こそ、黒の国の王子アーシュ、アーシュラン少年はエリンシア姫に軽く会釈した。燃えるように深く紅く時に金色の光を映す少し吊り上がった瞳が印象的な黒髪の少年。交換に人質として白の国へ送られる予定の王子戦が、事があれば、人質として処刑の運命が待っている。もちろん、それは本来なら羽琴の姫君エリンシア姫も同様であるがしかし、その少年・・王子こそ後に、黒の国が一度、滅亡の憂き目にあった時に 生き残り 黒の国で生き残った貴族のリュース家の者達竜の顔をした猛将セルト達と手を携えて黒の国を復活させ、火竜王(サラマンデイア)黒の王となり白の国でまだ幼いエイルと出会った事により 彼女を想い焦がれ彼女一人を救いたいが為に 巨人族に滅ぼされようとした白の国を救う事になる…などとそんな運命を持った少年そう、エリンシアが誰より守りたかったエイル、エルトニアの運命の恋人となる少年そう、もちろん、それは後々の未来の御話ではあるのだが
last updateLast Updated : 2025-02-19
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第七話 寂し気な…見捨てられた、孤独な王子

黒の王、アージェントが言葉を紡ぐ。「白の国の姫よ これは私の大事な家族と側近のタルベリイに竜人のアレルド後程、それは歓迎の食事会の時にこの場にいないもの達も含めてゆっくり紹介しよう」「私の息子アーシュランは 間もなく、白の国に出発するので挨拶のみになるが」「王子様、アーシュラン様」エリンシア姫は彼に微笑みかける少し戸惑いの表情をみせながら、まだ幼さの残る少年アーシュランは再び会釈した。「初めまして、白の国のエリンシア姫様 私はこれから、すぐに出発しますので…これにて、失礼いたします どうぞ、つつがなく黒の国で過ごされてください」 そう言い残して、振り返りもせずにその場から立ち去った。まだ、幼さが残る どこか寂しげな後ろ姿が印象に残った。「エリンシア姫様、どうぞ、こちらです」 明るく笑う幼い少女、王女ティンタル彼女の瞳も 先ほどの少年、王子と同じもの、宝石のような赤い火焔の瞳エリンシアは思い出すそうだったわ、先読みの占い師の間では 有名な話黒の国の次世代は、焔の使い手 瞳の色はその証を示すものでも、本当に不思議な色の美しい瞳だわエリンシアはそう思った。夜、歓迎の宴は始まる。離れの大広間に向かう 道の途中の屋根のついた柱の道ふと 気が付いてみると 数頭の馬が王宮の外に出ようとしていたよく見ると、2頭目の馬に先程の少年 黒の王子アーシュランが乗っていた。1頭目は警護の者 3頭目には同じく警護の者だろうたった2人の警護の者だけ見送る者もなく、まるで捨てられているかのごとく「・・・」「姫さま・・」「あまり、気にされない事です」それは、つい先程、エリンシア姫付きの女官となった 黒の国の女官は続けて言った。「王子、あの方の半分の血は、卑しい人族の者ですわ母親は卑しい身分の者売春宿にいた事もあるのですから」「え?それは・・一体どうゆう事ですの?」女官は エリンシアに事の次第を問われるまま あっさりと話をした。王子アーシュランの母親は人族の娘しかも一度、攫われて、売春宿にいるところを恋人であった竜の顔を持つ戦士セルトに救われてある時、偶然、黒の王の目に止まり、無理やり恋人との仲を裂かれ王のものになったというその為 黒の王はありもしない罪を軍の司令官の一人だった戦士セルトにおわせ、追
last updateLast Updated : 2025-02-19
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第八話 歓迎の宴

歓迎の宴は 華やかなものであった黒の黄金の瞳、片方は戦で無くしたという長い黒髪をした王黒の王族は長いエルフのような耳の持ち主達「エリンシア姫・・我が王妃 黒の王妃アリアンです」「アリアンですわ エリンシア姫」片眼の黄金の瞳をした黒の王に紹介されて 王妃アリアンは微笑んで答える。胸元のすぐに金の宝石の付いたベルトで、衣装を留め胸はウェーブを描く絹の衣装で半分覆い、剥き出しの肩、腕に手首には純金と宝石の腕輪ゆえに豊かな胸の谷間が見て取れ、谷間には金飾りの大きなエメラルドのブローチ、白に刺繍入りの赤い生地を使う、美しい身体のラインに纏い付くような衣装真っ直ぐな艶やかな長い黒髪は一部を複雑な形に束ね、残りは流して、宝石の付いた大きな髪留めに、真珠のついた、銀と金細工の花に小さな蝶のピンを複数差し込んでいたアリアン王妃の前髪は長く、左寄りの位置から分けて、流している。「見事な金の髪に、変わった美しい瞳の持ち主ですね、エリンシア姫」彼の片眼の金色の瞳がエリンシアを見つめ、彼のエルフのような耳がピクリと動いた。「有難うございます」「娘のテインタル姫です」王が紹介する。「テインタルです、これから宜しくお願いいたします」美貌の母親に似た、エルフのような耳に綺麗な顔立ち 焔の瞳を持つ少女「アリシュア王子です」アリアン付きの女官の腕に抱かれた王子・・すやすやと眠っている先程、赤ん坊を見た時にはその瞳は金色どうやら先読みの予言では 次の王は焔の力を受け継ぐ者火竜王(サラマンデイア)を名乗り黒の王となるはずの者赤ん坊は焔の力は受けつかなったようなのだが・・?中級レベルの炎なら扱えるはずだが‥・・では、少女が女王となり、この黒の国を受け継ぐのだろうか?黒の王と赤ん坊の王子の金色の瞳火、水、風、大地すべての属性と守護を合わせ持ち それらの魔法を全て使いこなすまた、時に相手の心が視えるだけでなく 先読み・・過去見と予知の力を持つという ゆえに竜の王と呼ばれる長年戦続けていた白の国の場合は 白の王族の属性もまたそれと同じく近い 幻惑と幻獣に特に特化している「エリンシア姫は羽琴の名手だという御話を聞きましたが?」「はい、白の宗主様の御前や宴では演奏いたしました」「では一曲 所望しても構いませんかな?」黒の王アージェントが問う「はい 黒
last updateLast Updated : 2025-02-19
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第九話 白の国での暮らし

白の国からの便りと黒の王女テインタルの来訪エリンシア姫の部屋には、彼女が奏でられる羽琴が置かれ彼女の為に白の国の食べ物や遠い国の珍しい美味しい食事がふるまわれる事も多く歓迎そして、事あるごとに、黒の王妃アリアンが訪ねてきた。時折、赤ん坊や娘である幼いテインタル王女を伴う事もしばしばだった・・。他にも王の側近のタルベリィなども白の国の話を聞きに来るアリアン王妃この極上の美貌の王妃は、エリンシアには優しく、よく話をしては、その会話を楽しくまた・・エリンシアは、王妃や王女の為に羽琴を奏でた。庭には、花が咲き乱れ、木々には小鳥がさえずる小さな噴水が心地よい水音をさせている白の国からは、よくエイルやリアン、エイルの父 義兄からの便りやささやかな贈り物が届けられた懐かしさに、それらの便りを胸に握りしめるリアンや義兄の手紙には エリンシアの日常の心配とエイル、エルトニアの事黒の王子・・エリンシアと交換に白の国の人質となった黒の王子アーシュランが義兄が世話係を引き受ける事などが書かれていたまたリアンが軍事学校に入る事になった事もエイルの便りの手紙には 黒の王子アーシュランの事が事細かに記述されていたのだった。どうやら、エイルエルトニアはアーシュランの事を大変好きであるらしく彼は 無表情でよくムスッとしてるが 得意の火の魔法でちょっとした料理やお菓子を作ってくれたりエイルがつまずいてこけたら慌てて駆け寄ってくれるし チエスの相手や黒の国の言葉を教えたりしてるらしい王子アーシュランの方は 白の国の言葉や文字は習得済みで 特に何も教えてあげられる事はないという本当に無口で あまり自分からは話をしてくれなかったりするとも・・それからリアンの事にもよく触れていたリアンがエリンシアがあげた小さな竪琴を待ってアーシュランと三人で 近くの森にピクニックにいた時にその竪琴で演奏をしてくれたり部屋で 眠れないときには その竪琴で子守唄などを歌と一緒に演奏してくれるとよく眠れると・・ただ…今度 遠くの軍事学校に入るので まったに会えなくなるから寂しいともエイルと義兄からの便りの中で 1つ気になる手紙があった何でも 何者かが 義兄の城に侵入して 黒の王子アーシュランを襲撃したという・・エイルも傍にいて 王子のケガよりは軽か
last updateLast Updated : 2025-02-19
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第十話 黒の王と大貴族リュース公

リュース公と黒の王アージェントの黄金色の瞳 穏やかな平穏な日々が続く、よく宴では 黒の王と会う「黒の王さま」「やあ、エリンシア姫」彼と目が合う度に 何か不思議な感覚を覚えるエリンシアある夜に 黒の王 片眼、黄金色の瞳の王アージェントに呼び出された向かう途中、柱の道では、美丈夫の長い金色の髪の男にすれ違う男は白い服を腰で金の刺繍入りのベルトで縛り右肩から斜めに深いワイン色のローブをかけている長い金の髪を下から軽く縛っていた切れ長な瞳は青・・なかなかの美丈夫 「え?」とても驚き凝視してしまう。金髪、碧眼の特徴、白の国の方?エリンシア姫は思うだが、耳の特徴は黒の国の貴族か王族「初めまして、白の国のエリンシア姫様、私は黒の国の貴族…リュース公リジャイアスと言います」「はじめまして、私は白の国のエリンシアです」「お噂はかねがね、金の髪と、とても美しい瞳をお持ちの御方だ」不思議そうな顔をしているエリンシアの思いを察してエリンシアと同じく金色の髪をしたリュース公は答える。「私たち一族には、何世代も白の貴族や王族の血が流れてるのですよ私の母親は、白の王族のリリイス姫三十数年以上前・・短い間だけ、平和条約が結ばれたのをご存知でしょうか?」「あ、はい」エリンシア姫は ハッとして答える「その時に使節として来たのが、リリイス姫だが条約は、すぐに破られ」「当時の白の宗主は傲慢で誇り高く先代の前の黒の王族の者と恋人となっていた彼女が戻る事を許さず黒の王族の者とは結ばれる事のないまま……。もともと家族で戦(いくさ)で いなかった彼女は行き場をなくし、以前にも他には 時に戦で囚われて人質となり白の貴族の戦士と我がリュース家の姫やはり戦で人質として囚われた白の国の姫たち、その時に兵士に汚されたとして 白の国には戻れずにそのように何度も同じような事があった行き場のない白の国の者達の血が流れるリュース家に嫁いできたのです」エリンシア姫は思い出す、最初の和平条約で人質になったのは、王の従兄弟のリュース家の者、確か彼は殺された…。つまり、彼の先祖話を聞きながら 青い顔しているエリンシアに微笑みリュース公は続けて話をする「ああ、貴方様は大丈夫ですねご家族から、よく便りが来ていると聞き及んでます…ちゃんと、戻れる場所がある」「大丈夫、あと
last updateLast Updated : 2025-02-19
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