昔・・白の国の王族に 羽琴の姫君と呼ばれる美しい姫がいた・・。 金の髪に 青と薄紫のオッドアイの瞳の姫その昔 羽琴の姫君 エリンシアナは 白の国の統治者である 白の宗主に願い出でて こう言った「どうぞ 私を… エイル、エルトニア姫の代わりに 黒の国へ行かせてくださいませ」「エルトニアはまだ幼い子供 白の王族であれば 誰でも構わないはず あの子は大事な私の姉の忘れ形見の子供」 「お願いです!どうか願いを聞き届けてくださいませ」白の宗主は しばらく沈黙していたが やがて口を開いた「そなたは私の側室の一人 誰よりも素晴らしいあの扱いの難しい羽琴を奏でる者 そうそう 手放すと・・?」「宗主さま・・どうか・・」「自分の子供は可愛いか?」 ハッとして、目を見開いて、白の宗主を見るエリンシア姫「私が知らぬとでも、思っていたか?羽琴の姫君よ」「そなたが私の傍に、来る前に 跡継ぎ争いで 私が殺した私の弟が」 「そなたと恋人同士であった事など、前から知っていた」「密かに産んだ子供を子供がいなかった姉夫婦に託して 私に乞われるまま、いやいやながら私の側室になった」「同じ瞳 オッドアイの瞳、さすがは親子だ」 「まあ、良い、幾度抱いても、そなたは私に心を決して開かぬ いとまをやろう、何処へなりとも行くがいい」「そなたの身体は十分に味わったが」エリンシアの衣装 彼女の世界では一般的な服装だが古代ギリシャに古代ローマを思わせる身体のラインが良くわかる白い衣装を宗主はしみじみと楽しむように眺め、言葉を紡ぐ「黒の国へ行くまでは、まだしばらく時間もあるまた、楽しませてもらうが」「……」その言葉にいつもの乱暴な閨での扱いを思い、エリンシアの表情が固くなる。エリンシア達の種族、身体の中にある白い羽に猫に似た耳エリンシア、彼女の猫に似た耳がやや、怯えてピクリと動いた。「エリンシアよ、本当に良いな、私のものである、我が側室」「だが、姫よ、黒の国で何が起ころうとも、私はそなたを助けてやれぬぞ、良いな!」「はい、仰せのままに…この国の支配者、白の宗主様」
Last Updated : 2025-02-18 Read more