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第80話

Author: るるね
last update publish date: 2026-10-07 06:53:07

 千温の口から、小さく「あっ」と声が漏れる。

 華奢で軽い身体は、たった一度強く引かれただけで、あっけなく幸次のすぐそばまで引き寄せられた。

 その勢いでスカートが捲れ上がり、白い腿が露わになる。

 それを目にした瞬間、幸次の眼差しがすっと暗く沈んだ。

 一度は発散したはずの欲望が、再び頭をもたげ始める。

 今日は千温には手を出さない――そう口にしたばかりだというのに、幸次は早くも気を変えていた。

 モデルも悪くはない。積極的で、男を誘惑する術もよく心得ている。

 だが、今日の幸次が本当に欲しかったのは、彼女ではなかった。

 朝、千鶴が別荘を訪れ、千温の存在に気づいたあの瞬間から、幸次は密かにこの機会を待ち望んでいたのだ。

 先ほどは、千温があまりにも激しく泣くものだから、ほんの一時、情が湧いただけだった。

 本気で諦めたわけではない。

 幸次が目配せすると、身体の上にいたモデルはすぐに意図を察し、素直に身を退いた。そのまま傍らへ移動すると、幸次が身を翻し、抵抗する千温を組み伏せる様子を興味深そうに眺めている。

「い、嫌……幸次さん……」

「千温ちゃん、さっき見ただろ。俺は気前がいい
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