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第316話

Penulis: 炭酸が抜けたコーラ
静香はどこか名残惜しそうにしながらも、無理に引き留めようとはしなかった。

「それならいいわ。今度また、おばさまが美味しい食材をたくさん買っておくから、家にご飯を食べにいらっしゃい」

「ぜひ」

瑞人が身を翻し、そのまま立ち去ろうとした――その時だった。

「待って」

心愛が不意に口を開き、彼を呼び止めた。

彼女は、付き添い用の椅子の前でもたもたと立ち尽くし、「帰るべきか、もう少し残るべきか」と迷っている悠花へ視線を向ける。瞳の奥には、いたずらっぽい光がちらりと走っていた。

「梅原さん、一つお願いしてもいいかしら?」

瑞人が振り返る。

「何だい?」

「悠花さん、今日は私に付き添うために来てくれたの。でも、もうこんな時間でしょう。この辺りってタクシーが捕まりにくいのよ。

それに、彼女が極度の方向音痴なのは、あなたも知っているでしょう?もし一人で帰らせたら、明日には私が警察署まで迎えに行く羽目になるかもしれないわ」

心愛はぱちりとウインクする。

その意図は、これ以上ないほど分かりやすかった。

「車で来ているなら、ついでに家まで送ってあげてくれない?どうせ二人とも南の方
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