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第195話

Auteur: タロイモ団子
なすがまま、理玖は紬に導かれるようにして、漁村へと足を踏み入れた。

すでに夜の帳が下り、村はしんと静まり返っている。

紬は、家の中から生活の気配が漏れ聞こえる一軒の戸を叩いた。

しばらくの間をおいて、内側から物音が近づいてきた。

「……誰だ?」

紬は理玖の体を支えながら、かいつまんで事情を説明した。

しかし、家主は長い沈黙を貫いたままだ。

声が届かなかったのかと思い、紬がもう一度繰り返そうとしたその時、不意に扉が開いた。そこに立っていたのは、青いスカーフを頭に巻いた、不機嫌そうな顔の女だった。

「行きな、行きな!うちは救急病院じゃないんだよ。家の前に立たれるのも迷惑だ。あんたたちのような手合いが来る場所じゃないんだ」

理玖の眉が、不快げにぴくりと動いた。

紬は彼の手をぎゅっと握ってそれを制すると、女に向かって深々と頭を下げた。

「夜分に申し訳ありません。友人と海に出ていたのですが、誤って波に呑まれてしまって……彼の足がひどい怪我をしているんです。少しだけでもお薬を分けていただけませんか?

あるいは、薬をお持ちの方を教えていただければ買いに走ります。決してご迷惑は
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