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蓮の覚悟7~黒崎蓮side~

Author: 煉彩
last update publish date: 2026-06-10 22:21:07

 その二日後――。

「えっ。本当ですか?」

「ああ。だから黒崎も気をつけた方がいいぜ。今回は俺たちの様子を見ていた他の社員が何人か間に入ってくれたみたいで、大事にはならなかったけど。厳重注意で俺は大竹さんと話せなくなった。本来なら異動みたいだけど、今回は免除だって」

 二日目、俺が大竹さんから食事に誘われた時にかばってくれた上司が「セクハラをした」とされ、本部へ呼び出されたと教えてくれた。

 告発したのは秘密にされているが、大竹さんしかいないだろう。

「ごめんな。俺、彼女と関われなくなったから。他の事情を知っている奴にも引き継いでおく。黒崎とは普通に話しても大丈夫だから」

 謝ってくれたが、彼は何も悪いことなどしていない。

 嫌がっている俺と彼女の間に入ってくれただけなのに。

「俺の方こそすみません。間に入ってくれたから」

「いや。違う。運が悪いよな。社長の子どもだからって。マジで甘やかされて育ってるんだろうな」

 気にするなと言い、彼は去っていく。

 後味が悪い。

 この二日間のうちに何度も食事に誘われているが、断っている。

 ボディタッチ、身体に軽く触れてくる行為もされているが、
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  • 運命の輪~愛してる~   蓮の覚悟7~黒崎蓮side~

     その二日後――。「えっ。本当ですか?」「ああ。だから黒崎も気をつけた方がいいぜ。今回は俺たちの様子を見ていた他の社員が何人か間に入ってくれたみたいで、大事にはならなかったけど。厳重注意で俺は大竹さんと話せなくなった。本来なら異動みたいだけど、今回は免除だって」 二日目、俺が大竹さんから食事に誘われた時にかばってくれた上司が「セクハラをした」とされ、本部へ呼び出されたと教えてくれた。 告発したのは秘密にされているが、大竹さんしかいないだろう。「ごめんな。俺、彼女と関われなくなったから。他の事情を知っている奴にも引き継いでおく。黒崎とは普通に話しても大丈夫だから」 謝ってくれたが、彼は何も悪いことなどしていない。 嫌がっている俺と彼女の間に入ってくれただけなのに。「俺の方こそすみません。間に入ってくれたから」「いや。違う。運が悪いよな。社長の子どもだからって。マジで甘やかされて育ってるんだろうな」 気にするなと言い、彼は去っていく。 後味が悪い。 この二日間のうちに何度も食事に誘われているが、断っている。 ボディタッチ、身体に軽く触れてくる行為もされているが、かわしているつもりだ。 まさか、気に入らないことがあるとこんな権力を使ってくるなんて。 他の社員にも迷惑はかけられないな。 どうやって対処したらいいのだろう。 大竹さんのせいで、気を遣うことが多くなった。 ストレスも増えていったが、美桜とのメッセージや電話で自分を取り戻せる。 ああ、早く問題を片づけて、美桜と会いたい。 そんなことを想いながら、月日は流れていく。 大竹さんのことを仕事以外では拒否し続けていたある日、残業をしていく俺へ向けて「黒崎先輩。私、入社して三週間くらいになるんですけど。歓迎会もしてもらえなさそうなんです。誰も提案してくれなくて。黒崎先輩、一緒に飲みに行きませんか?」 大竹さんの黒い噂が広まってから、誰も彼女に関わろうとはしない。 巻き込まれたくないからだ。「わかりました。上司に伝えておきます」 部長クラスに伝えれば、嫌でも開かれるだろう。「私、黒崎先輩と二人だけで行きたいです」 誰にも聞こえないように、そっと耳元で囁かれた。 彼女なりに俺を落とそうとしているみたいだけれど、何も響かない。「すみません。彼女がいるので、女性と二人きり

  • 運命の輪~愛してる~   蓮の覚悟6~黒崎蓮side~

     次の日、いつも通り出社すると、大竹さんはまだ来ていなかった。 なぜか安堵し、自席に座り、今日のスケジュールを確認する。 始業時刻ギリギリになり「おはようございます」 彼女は「間に合ったぁ」と言いながら、打刻を押した。 さすがのマイペースだな。 別に時間に間に合っているのなら、咎めることはできない。 朝礼が終わると、俺は大竹さんの元へ行き「昨日の質問のフィードバッグをしますので、こちらに来てください」 誰も座っていない大き目のデスクへ案内をした。「はい!わかりました」 彼女は明るく返事をしてくれ「ここは……」 俺の説明をうなずきながら聞いている。 頭には入っているのだろうか。 そんなことをふと思ったが「他に何か質問はありますか?」 そう聞くと「大丈夫だと思います」 すぐに返答があった。 別に良いか。「今日の午前中はこちらの資料を読みながら、電話対応を聞いてください。わからないことがあったら、メモしてもらって。午後にまたフィードバックします」 資料の山を渡すと彼女は明らかに表情を曇らせたが「わかりました」 そう返事をして、自席へと帰っていく。 やる気は感じられないけれど、かといって酷い態度でもない。 午前中は自分の仕事に集中ができた。 だが、お昼休憩時「黒崎先輩!昨日、お願いしたこと覚えていますか?」 まだ自席にいた俺に、彼女はふふっと口角を上げながら話しかけてきた。 昨日お願いしたことって。 もしかして、会社の近くのお店を紹介してほしいっていうメッセージのことか?「覚えています。けれど自分で探索した方が新しい発見とかあると思いますので。それに、俺は女性好みのお店を知りません」 そこまで面倒を見る必要はないだろう。「ええー。冷たいです。まだ入社二日目なのに。私、まだ誰も仲良い人がいなくて心細くて」 なんて弱音を吐く。 たしかに男性社員が多い職場だ。 こういうことも、教えなきゃいけないのか? 考えていると「大竹さん。俺で良かったら一緒に行きますよ」 上司が間に入ってくれた。「えっ。ありがとうございます。でも今日は黒崎さんがアドバイスしてくれた通り、一人で調べて行ってみます。ありがとうございました」 彼女はあははっと笑い、ブースから出て行く。「あんなにわかりやすい態度、取らなくたって

  • 運命の輪~愛してる~   蓮の覚悟5~黒崎蓮side~

    「はい。わかりました」 仕方がなくポケットからスマホを取り出し、連絡先を交換した。 美桜と会った時、俺から連絡先を交換しましょうなんて言った時は、あんなにも緊張していたのに。 相手が美桜じゃないと、こうもなにも感じないんだな。 美桜のことを思い出し、ふっと口元が緩むがおさえる。 そういえば、いつも昼休憩時は美桜にメッセージを返すのに、今日はできていない。 大竹さんの前で返していたら、何を言われるのかわからないな。帰ってから、美桜にきちんと伝えておくか。 午後は、電話対応などのマニュアルを読みながら、実際に社員の対応を見学してもらい、わからなかったところはメモをして、データに残してもらった。 明日はそのフィードバックをする。 最初のうちは真剣に聞いていた大竹さんも、最後の方は飽きてきたらしく、眠そうにしていた。「お疲れ様でした。俺は残業をしていくので、帰ってください」 定時のベルが鳴り、大竹さんに帰宅時の注意点などを伝える。「わかりました。お疲れ様でした。また明日もよろしくお願いします」 彼女は頭を下げ、帰って行った。 自席へ座り「はぁ」息が漏れる。 いろんな意味で疲れた。こんな毎日がしばらく続くのか。想像しただけで嫌になるな。「黒崎。お疲れ様。疲れただろう?明日からは、ちょこちょこサポートするから。ごめんな」 上司が話しかけてきた。「いえ。お気遣いありがとうございます。でもさすがに疲れますね」 素直にそう伝えると「珍しいな。お前が愚痴みたいなの話してくれたことってないから。なんか感動した。さすがのお前でも、あの子相手じゃ疲れるよな。俺も見てたけど、社会人としてもまだまだだし、親のすねをかじったような子だった。可愛いけど、可愛いだけじゃ俺たちの仕事は済まされないもんな」 コトッと俺の机に缶珈琲を置いてくれた。 飲んでと言って、上司は去っていく。 パソコンを開くと、かなりのメッセージが届いていた。 ああ、これから確認したら帰りは今日も遅くなるな。美桜とゆっくり電話、できるだろうか。 今日は美桜の声を聴きたくてたまらない。 帰宅をし、すぐに美桜に電話をかけた。 すぐに出てくれた彼女はいつもと変わらず<お疲れ様です。蓮さん、大丈夫ですか?こんな時間まで> 俺のことを気にかけてくれた。「今日も遅くなってしまいました

  • 運命の輪~愛してる~   蓮の覚悟4~黒崎蓮side~

    「大竹亜香里です。よろしくお願いいたします」 彼女はペコっと頭を下げる。 社員もそれに合わせ、軽く会釈をした。 社長が退席をし、部長が大竹さんに向かって話しかけている。数言話したかと思えば、こちらに向かって歩いてきた。「黒崎さん。大竹さんです。よろしくお願いします」 それだけ言うと部長はそそくさと歩き、自席へと戻ってしまった。「はじめまして。黒崎です。今日からしばらく研修担当者になります。よろしくお願いします」 俺が挨拶をすると「大竹亜香里です。よろしくお願いします」 彼女は俺へペコっと頭を下げた。 それから、マニュアルに従い、社内の案内をし、今後しばらくの一日の流れについて説明をする。 大竹さんは「はい」と返事をしながら、俺の話を真剣に聞いているように見えた。 しばらくはパソコンで社員の共有事項を見るように説明をしたあと、自分の仕事を確認するために、自席へと戻る。 さきほどまでは「普通」だったが、一体、どんな子なのだろう。 基本的な社会人としての対応はできるのだろうか。 俺の席からは彼女の席が見える。うしろ姿だから顔は合わせないが、手元などを見れば、何をしているのかわかるように席を配置してもらった。 とりあえずは指示通りにパソコン画面を見ているな。 午前中は何もなく、昼休憩時間になる。「お昼は、社員食堂でもいいですし、持ち込みももちろんできます。時間内に帰ってこれるのであれば、外で食事もできますから。持ち込みの場合は、精密機器があるので、飲み物等はキャップが閉められるものを持ち込んでください。何かわからないことがあったら、あとで聞いてください」 単調すぎたか? いや、社長の子どもだからと言って、特別愛想良く対応する必要もないだろう。 一通りの説明をし、自席へ戻ろうとした時「黒崎先輩。お昼、一緒に食べてくれませんか?こう見えてもまだ緊張していて。何も買ってきていないし、会社の近くにどんなお店があるのかまだわからなくて。社食、一緒に行ってくれませんか?」 彼女は上目遣いで俺を見つめている。 思わず「ご飯くらい一人で食べたらどうですか?」と言いたくはなったが、上司の言葉を思い出し、止めた。「社長と一緒に食べたらどうですか?」なんて言葉も思い浮かんだが、さすがに冷たすぎるだろうか。 今日一日くらいだけなら、仕方がないか

  • 運命の輪~愛してる~   蓮の覚悟3~黒崎蓮side~

    「そうですか。それは良かった。何かあったらすぐに連絡してください」<ありがとうございます。蓮さんはこうやって毎日気にかけてくれて。助かってます> フフッと電話越しに笑う彼女が愛おしいと感じる。<今日は、少し変わった珈琲の淹れ方を店長が特別に教えてくれたんです。練習するので、今度飲んでみてください> 俺が珈琲が好きなことを彼女は覚えていてくれ、美味しい珈琲の淹れ方や飲み方を会った時には教えてくれる。彼女が笑いながら教えてくれる様子は、俺にとって癒される時間でもあった。「はい。ぜひ楽しみにしています」<蓮さんは何かありましたか?今日も残業だったんですか?> 残業と言われれば、そうだ。だけどこうも毎日残業続きだと美桜が心配するから。<今日は少しだけ残業して帰ってきました。今は動きやすい季節なので、外回りに向いていて。たくさん歩くので、お腹が減るんですけど、何を食べても、やっぱり美桜の作ってくれたご飯が一番美味しいなって思ってしまいます> こんなこと、伝えられる女性ができるなんて、ちょっと前までは思っていなかったのに。<蓮さん、褒めすぎです。でも嬉しいです。今度会ったら美味しいって感じてもらえるようなもの、頑張ります> 普段はしっかりと自炊をしている彼女だ。 大学にも自分で作ったお弁当を持っていく日もあると聞いている。 いつか、俺も作ってもらいたい。そんな想像までしてしまう。 エプロンをして、キッチンに立つ姿、今はたまにしか見ることはできないけれど、本当であればもっともっと一緒にいたい。「それもまた楽しみです」  今日、上司から言われた社長の娘から気に入られているという話など、できるわけがない。 こんな平和な会話のあとは、ゆっくり眠れる自分がいた。 ああ、美桜に会いたい。  それから上司と調整をして、育成プログラムを組んだ。 もちろん社長の娘である子が入社するために。 新卒なら、四月採用がほとんどであるのに、この子は違う。 どこかで働いてきたんだろうか。年齢は俺よりも二歳ほど年下だ。大学を卒業してから、他社で働いていたんだろうか。履歴書も何も機密情報になっていて、情報などほとんどない。 今日はその子、大竹亜香里(おおたけあすか)という子が入社をする日。 社員もどこかざわついている。「どうしてうちの部署なんだよ。新卒って、

  • 運命の輪~愛してる~   蓮の覚悟2~黒崎蓮side~

    「まぁ、これは内密にとは言われていないから伝えるけど、なんかその社長の子どもが黒崎を直接指名してきたんだ。だからてっきりお前と知り合いなんじゃないかと思ってた。けど、違うんだな。島田さん関係のことだと勘違いをしていたよ」 島田さんは、俺をアメリカへ連れてきた人だ。今はOBとして関わりがある。 プライベートではたまに食事に行ったり、買い物に付き合ったりしているけれど、そんな話、島田さんからは聞いていない。あの人なら、何かあれば素直に相談してくれるはずなのに。 黙って上司を話を聞き、俺が指名をされて理由を考えていると「あー。もしかしたらの話なんだけど。そんな理由でって思うかもしれないが、黒崎の容姿に関係しているかもしれない」 ばつが悪そうに先輩は髪の毛を掻いている。「俺の容姿……ですか?」「なんか、会長とその子が話しているのを聞いた社員がいて。黒崎のこと、かっこ良いとか、あの人がいいとか、お前を偶然に見て、そんなことを言ってたって話を聞いたんだ。何のことか最初はさっぱりわからなかったけど、まさかこんな子どもみたいな理由で、会長も支持を出してくるなんて思わないだろ?これはまさかの可能性なんだが」 会長は孫を溺愛しているって話はよく聞く。 だが、私情を挟んでくるなんて。失望した。「それが本当だとしたら、すごくくだらない理由ですね。頭にきます」 上司の前ではあるが、ふぅと息を吐いてしまった。「俺たちも同じ気持ちだよ。上は何を考えてんだか。とりあえず、黒崎がいてくれなきゃ回らないところもあるのは事実だから。一応、パートナーってことで新人担当で組んでもらうけれど、外回りとか、ご贔屓にしてくれている取引先には黒崎が今まで通り対応してもらって。黒崎がいない時は、こっちで担当表組んで考える」「理不尽で納得できないかもしれないけど、怒るなよ。普通に接しろ。女性には興味がないことは知っているけど、新人は新人だから。しかも社長の娘。それを少し頭に入れて対応を頼むよ。マニュアルとか、こっちで作ってもらうよう頼んでおくからさ」 俺は女性に興味がない、それは以前のことだ。 社内の誰にも言う必要はないと思っているけど、大切な彼女が今はいる。 仕事上の相手だ。美桜に言う必要はないな。 彼女のことだ、もし話したら心配するに決まっている。だけど美桜だけに言えることは、彼

  • 運命の輪~愛してる~   プライド 5

    「はあ?」 思わず優菜が声を上げたが「大丈夫。行こう?」 私たちはその場から離れる。「ああ、ムカつく!なにあれ?」 空いている教室で優菜と話す。「どうするんだろうね。どうやって黒崎さんと会うつもりなんだろう。連絡先だって知らないのに」「わからない。だけど、私は負けない」  頭を抱えそうになるけれど、蓮さんは私のことが好きだと言ってくれている。それに人を簡単に傷つける彼女は、きっと蓮さんは嫌いなタイプの子だ。可愛いからってすぐに好きになるような男の人ではない。蓮だってしばらく恋愛はしていなかったって言っていたし、社内からモテるってこの前言われてた。真帆ちゃんに騙されるわけがな

    last updateLast Updated : 2026-03-28
  • 運命の輪~愛してる~   初恋 12

     彼に連れられて、寝室に入る。 寝室もシンプル、大きなベッドがあり、隣に本棚があるくらいだった。 ベッドの上に私が座ったのを確認した彼は「俺、リビングにいるので何かあったら呼んでくださいね。何も考えず、ゆっくり休んでください」 私の頭に手をおき、髪の毛を撫でてくれた。「おやすみなさい」 彼が離れようとしたとき「ありが……とう。黒崎さん」 自然と言葉が出てきた。まだかすれている。  彼はフッと笑い、優しい顔をし、部屋から出て行った。 黒崎さんの香水の匂いが微かに残るベッドで眠りにつく。 何も考えるな。そう自分に言い聞かせた結果、思った以上に早く眠りについてしまった。 

    last updateLast Updated : 2026-03-19
  • 運命の輪~愛してる~   初恋 10

     私が落ち着くまで、黒崎さんは何も言わず抱きしめてくれた。 心が麻痺していなければ、好きな人に抱きしめられているということはすごく嬉しいことだと思う。 せっかく黒崎さんが抱きしめてくれたのに、ドキドキするという感覚がなかった。 でも、抱きしめられて落ち着くことができたのは間違いではない。 リビングに戻り、消毒をしてもらう。「い……!」 消毒は、想像以上に沁みた。  私が苦痛に歪む顔を見て「すみません。もうちょっと我慢してくださいね」 そう言いながら彼は、消毒と軟膏、ガーゼ、包帯などの処置を施す。 黒崎さんってどんな仕事してるんだろう。会社員っぽいけれど、医療職なのかな。

    last updateLast Updated : 2026-03-18
  • 運命の輪~愛してる~   初恋 9

     黒崎さんのマンションに着き、タクシーを降りる。 タワーマンションと言うのだろうか、三十階以上はあるように見えた。 田舎から出てきた私にとっては、一度は住んでみたいと憧れを抱くような高層マンションだ。 こんなところに住める黒崎さんって、すごい人なのかな。 彼のうしろを歩き、マンションの中に入る。 暗証番号のようなものを彼が入力すると、エントランスのドアが開いた。 エントランスには管理室のようなところがあり、中は見えなかったが電気がついていた。 エレベーターに乗り、彼は二十五階のボタンを押す。 エレベーターを降りるとホテルのようなタイル張りの長い廊下が続いていた。  彼が

    last updateLast Updated : 2026-03-17
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