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第1177話

Penulis: 風羽
伊藤秘書はすぐに事の顛末を簡潔に説明した。もちろん、陣内皐月が招待状を破り捨て、社長を罵ったことは伏せた。そして小声で尋ねた。「社長、まだ陣内さんの行方を捜しますか?」

九条津帆は背を向けた。

夕焼けを見ながら、伊藤秘書が戻る前の高揚感はすっかり消え失せていた。陣内杏奈がB市にいないということは、きっとH市へ行って宮本翼と暮らしているのだろう。しかし、なぜ結婚しないのか......もしかしたら、宮本家の反対にあっているのかもしれない。

九条津帆はずっと立ち尽くしていた。目がかすんでくるまで立ち続け、そして低い声で言った。「もういい」

伊藤秘書は九条津帆の背中を見つめた。孤独な背中は、もうすぐ結婚する新郎とは思えなかった。まるで失恋した男のようだった。この半年間、社長と桐島優の交際を思い返しても、恋心は感じられなかった。

伊藤秘書は何か言いたげだったが、口を閉ざした。

彼女が去った後も、九条津帆は一人で長い間立ち尽くしていた。デスクの上のスマホが鳴って、ようやく我に返った。電話に出ると、桐島優からだった。今夜は彼女の父親・桐島勉(きりしま つとむ)の誕生日で、婚約者である九条
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