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第299話

Auteur: 桜夏
「まあまあ、翼お兄ちゃんも少しは頼りになるじゃない」

「本当に食事に誘ってないの?じゃあ、どうしてあんなこと言ったのかしら」

透子は不思議そうに尋ねた。

「さあね。もしかしたら、でたらめ言ってるだけかも」

理恵は鼻を鳴らした。自分以外に、透子の代わりに誰が誘うっていうのよ。翼お兄ちゃんってば、わざと自分の出方をうかがって、ついでにご馳走させようとしてるのかも。

その頃、道路を走る車内。

「よう、親友。裁判に勝ったんだ、飯おごってくれよ」

翼がカーナビの通話機能で話していた。

男の低い声がイヤホンから聞こえてくる。

「勝ったらお前が奢るって言ったじゃねえか?よくもまあ、そんな真逆なこと言えたもんだな。こっちは証拠探しを手伝ってやったんだぞ」

「はは、そりゃ状況が違うだろ。前は、君と如月さんが何の関係もないと思ってたからな。彼女はただの依頼人だったから、当然僕が奢るさ」

翼は笑って言った。

電話の向こう。

翼の言葉の裏を読み取り、聡は眉をひそめた。彼が説明しようとする前に、翼が続けた。

「確かに君は僕を助けてくれた。でも、本当は如月さんを助けたかったんだろ?

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