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第1582話

Author: 小春日和
福本信広は、迷いなく警察署の中へと入っていった。

署員たちは福本信広の後を、息を殺しながら遠巻きについていくことしかできなかった。

機嫌を損ねれば、自分たちが何をされるか分かったものではない。

「福本社長、部下が不手際を……ご迷惑をおかけしました」

局長自ら出てきて、福本信広に温かいお茶と椅子を用意した。

「俺が頼んだことも、お前たちはまともにこなせなかったようだな」

福本信広は椅子に腰を下ろすと、どこか楽しげな、それでいて底冷えするような声で言った。

「は、はい、部下の監督が行き届いておりませんでした。後できつく言い聞かせますので!」

「その必要はない」

福本信広は淡々と言い放った。「もう殺した」

その言葉に、局長はガバッと顔を上げた。

「殺……殺した?」

この署内の人間で、署長が局長の身内であることを知らない者などいなかった。

一瞬にして、署内の空気は氷点下まで冷え込んだ。

「聞き分けのない奴は置いておけない。無能な奴も必要ない。そうだろう?」

福本信広の言葉には、あからさまな威圧が込められていた。

「十日以内に、黒澤遼介の海外資産をすべて手に入れろ
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