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第325話

Auteur: 小春日和
「かしこまりました」

大塚が言い終えると、また躊躇し始めた。

その様子を見た真奈は尋ねた。「ほかに何かあるの?」

「社長、もう一つありますが……」

大塚はさらに困ったような表情を浮かべて言った。「白井綾香は今、冬城グループの所属タレントですが、本日冬城グループから連絡がありまして、白井と白石で雑誌の撮影をしたいとのことです」

「冬城グループが連絡してきたのは、Mグループ?それとも瀬川グループ?」

「……瀬川グループです」

たとえ今、冬城グループの関係者に百倍の勇気があったとしても、Mグループと直接手を組む勇気はないだろう。

だが瀬川グループ――過去の関係を辿って、そこに私的な情を見出そうとしているのは見え見えだった。

白石は今、一線で活躍する俳優であり、誰もが認めるトップスター。ファンベースも圧倒的で、まさに男性芸能人界の頂点にいる存在だ。そんな新と雑誌で共演できれば、デビュー間もない新人タレントの価値は一気に跳ね上がる。

「……冬城氏は白井に流星のような鮮烈デビューを狙わせる気ね」

真奈は軽く笑っただけだった。

流星のようデビューは、必ずしも良いことではない。

「社長、承諾なさいますか?」

「白石に直接聞いて。彼の意思を尊重して。彼がいいと言うなら、私は何も言わない」

大塚は、真奈がなぜ白井にそんなチャンスを与えるのか、正直、理解できなかった。

もし白井が本当にキャリアを上げるようなことがあれば、それは冬城グループにとって大きな後押しになる。そうなれば――これまで彼らが積み重ねてきた、冬城グループに対するあらゆる攻撃の努力がすべて水の泡になる。

「どうしたの?私の決断を疑っているの?」

「いえ、すぐに確認を取ります」

大塚が部屋を出て行った。

真奈は窓の外に目を向ける。冬城は、白井を金のなる木に育てたいのなら、それにふさわしい相手を選ぶべきだった。

なぜ白石なのか?

白石は表面上は無口で穏やかだが、実は腹黒い。

今回、白井は損するしかないだろう。

撮影現場。大塚は白石のマネージャーに連絡を入れ、マネージャーは白石のもとへと歩み寄り、真奈の意向を簡単に伝えた。

それを聞いた白石は、ふっと口元に笑みを浮かべた。「共演?いいよ」

マネージャーは一瞬、驚いた表情を浮かべた。「でも、今冬城グループと瀬川社長の関係って……」
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Commentaires (1)
goodnovel comment avatar
良香
白石君は真奈ちゃんの意図を汲んできっとやり切ってくれるはず。腹黒だし、真奈ちゃん大好きっ子だから笑笑。 冬城が必死すぎて笑える。愛が向いているうちに向かい合っていれば、最上の妻をその腕に抱いていれたのにね。
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