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第 86 話

Author: スイカのキノコ
「チーン」と音が鳴り、エレベーターが真依と尚吾の部屋の階に停まった。

周作が真依をエレベーターから降ろそうとした時、尚吾が突然言った。「俺は彼女の隣の部屋に泊まっているから、俺に任せてくれ。お前はエレベーターで下に降りればいい」

真依は尚吾を一瞥した。

周作は尚吾の冷ややかな表情を見て、ふとこの男が先ほど真依と交わした二度のやり取りを思い出した。あの時の様子はすでにネットで話題を呼び、熱狂的な「推しカプ」ブームを巻き起こしていたのだ。彼ははたと気づき、慌てて真依の手首から指を離した。

「それでは失礼します」周作は礼儀正しく尚吾に告げた。

尚吾は前に進み出て真依を支え、淡々と「うん」とだけ返事を
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