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第471話

Author: ミス・シャドー
まさか、見間違いじゃないだろうな?

あの吉田俊則が自らみかんを剥いて、食べさせている……だと?

ビデオの中のこの優しい男が本当にあの吉田グループの最も冷酷非情な次期当主だというのか?!

大翔までもが呆然とし、自分がデータを報告中だったことさえ忘れていた。

一方、会議室中の視線を集めている画面の前の男は全く不自然な様子にも気づいていない。

みかんを画面の外に差し出すたび、いつもは冷徹なその黒い瞳に淡い愛情が宿る。

あの恋の甘ったるい匂いがスクリーン越しに遠慮なく会議室に漂っている。

大翔の声が止まったのに気づき、俊則は不機嫌に眉をひそめ、冷たい表情に戻った。

「続けろ」

「あ、はい!」

この小さな中断のせいで、大翔は再び手元の資料に視線を戻した。

突然、頭が真っ白になった。

クソッ、イチャつきを見せつけられて、どこまで読んだか分からなくなったじゃないか。

俊則が険しい顔で、冷静に教える。

「ロシー・プロジェクトの損益比率だ」

「あ、そうです、損益比率……」

大翔は素早く該当箇所を見つけ、報告を続けた。

俊則が七房目のみかんを画面の外に差し出した時、風歌は顔を横にそむけ、口を開かなかった。

「もういらない」

食べさせるのに失敗し、俊則は自然に手を引っ込め、自分の口に運ぼうとした。

横から制止する声が飛んだ。

「ダメ、あなたは食べちゃダメ!」

風歌がケチなわけではない。

手術後の回復期にある人間はみかんを食べ過ぎてはいけないのだ。

俊則は今日、すでに三つも食べていた。

彼は節制しなければならないのだ!

俊則のみかんを食べる動きが止まり、ちらりと横に視線をやった。

「ダメ!」

風歌は眉をひそめ、脅すように彼を睨みつけると、時間を見て、小声で言った。

「時間よ。薬、飲んで!」

かくして、役員全員が大画面の中で、自分たちの冷徹なボスが叱られ、顔をこの上なく曇らせているのを目撃した。

まるで嵐の前触れだ。

皆が息を殺した。

次の瞬間、俊則がいつもの自分たちの前でのように怒ってコップを叩きつける姿を想像した。

ところが俊則はまるでお菓子をねだって断られた子供のようだった。

束の間、不機嫌になったかと思えば、彼はおとなしくみかんを置き、ウェットティッシュを手に取ると、優雅に両手を拭いた。

そして、画面の外の風歌か
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