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138.プロポーズと護の不安

last update Last Updated: 2025-08-23 19:57:12

華side

「華ちゃん、プロポーズの返事を急かすわけではないんだけれど、慶くんと碧ちゃんが新しい環境になるこのタイミングで一緒に暮らさないか?」

ある日の夕方、子どもたちを寝かしつけた後、護さんから改めてそう言われた。

護さんが長野の別荘近くにマンションを買ってから、私たちは毎日のように顔を合わせており、既に家族同然の生活を送っている。

護さんが私たちのことを大切に思ってくれているのは、物凄くよく分かっている。

しかし、一回目の壮絶な離婚を経て、再び籍を入れることに抵抗があった。護さんに限ってそんなことはないと思うが、万が一、関係が破綻した場合、今度は子どもたちまで振り回してしまう。神宮寺家の名に未練があるわけではないが二度目の結婚に私は躊躇していた。

「護さん、ありがとう。子どもたちとも話してみるね」

「慶くんや碧ちゃんは、僕たちの結婚に反対をしているのかな?もし、そうなら僕の方から二人には話してみるよ」

護さんの言葉は穏やかだったが、その瞳には有無を言わせぬ強い圧が感じられ、私は一瞬たじろいでしまった。

「そういうわけじゃないけれど……」

「一体、どうやったら華ち

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