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第82話

ผู้เขียน: 花辞樹(かじじゅ)
「パパ、早く食べてよ!三人で海洋公園に行くんだから!」

清音が元気よく声を上げる中、深雲はミルクを辰希に注いでいる景凪を見て、何か言いかけた。「景凪……」

けれど景凪は先に彼の視線を受け止め、自分から口を開いた。

「清音が教えてくれたわ。学校の決まりで、保護者はひとりだけなんだって。三人で楽しんできて」

「わかった」深雲は素直にうなずいた。

ミルクを飲んでいた辰希は、そのやり取りを聞きながら、グラスの向こうで小さく眉をひそめた。

またパパ、嘘ついてる……

出発のとき、景凪は二人が外で長く遊ぶだろうと心配して、上着を二枚用意して持たせようとした。

「いやだ、こんなダサい上着!」清音は嫌がって、上着を放り投げると、そのまま車へと駆け出していった。

だって、姿月ママがエルサの可愛いショールを持ってきてくれるって言ってたもん。こんなダサい上着なんか絶対着ない!

景凪は小さくため息をつき、落ちた上着を拾おうと屈んだ。すると、辰希の小さな手が先に伸びてきて、上着を抱き上げた。

「辰希……」

さらに、彼女が自分用に用意したもう一枚の上着も受け取って、ちょっと照れたように早口で言った。「ありがとう」

その一言に、景凪はしばらく呆気に取られたあと、ふわりと微笑んだ。

「ママの方こそ、ありがとう、辰希」

辰希の耳が少し赤くなり、車へと向かった。

車窓越しに、辰希は、景凪がまだ玄関先で手を振っているのが見えた。柔らかな日差しの中、彼女の全身からはやさしい空気が溢れている。

これが「ママ」なのかな。

ママ。

辰希は心の中でその言葉を呟くと、ちょっとくすぐったくて、全身に鳥肌が立った。

でも、なんだか、悪くない気もする。

この女の人はとてもやさしくて、自分や清音を見るその瞳は、今にも涙がこぼれそうなほどに温かい。

「お兄ちゃん、どうしたの?」清音が不思議そうに覗き込み、辰希が二枚の上着を抱えているのを見て、ぷくっと頬をふくらませた。

ぜったい、あの悪い女が無理やり持たせたんだ!

清音は怒ったように、辰希の腕から上着を奪い取り、力いっぱい後部座席に投げ捨てた。

辰希は眉をひそめて、注意しようとしたけど、清音はすぐに耳をふさいで「聞きたくない!」とそっぽを向いてしまう。

仕方なく、辰希はそれ以上何も言わなかった。

深雲は車を発進させ、三人を
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