こちらの喜ばしい話が落ち着いたところで、さくらは騒動の首謀者たちの処分に取り掛かった十一郎は求婚の日、彼らを門前に集めただけで私刑は加えなかった。さくらも同様に、すべてを公の裁きに委ねることにした。村松碧に命じて関係者全員を連行させ、流言飛語による治安妨害の罪で裁いた。有田先生の記録した名簿に載る者は一人残らず、罰金か答刑かの処分を受けることになった。一方、斎藤家も相良玉葉への意図的な危害の疑いがあったため、さくらは収集した証拠をすべて清良長公主に提出。長公主はそれを弾正忠である義父に渡し、朝議が終わる前に斎藤家への弾劾状を提出した。斎藤式部卿は一切関知していないと主張したものの、清和天皇は管理監督不行き届きを理由に、半年の俸禄没収に加え、年末の褒賞も取り消すという処分を下した。吉田内侍が北冥親王家に褒賞を届けに来た際、さくらは自ら応対し、お茶でもてなした。すでに戻ってきていた潤を呼び出し、内侍に挨拶をさせた。この一年で随分と背が伸びた潤は、父親似の顔立ちがより一層際立つようになっていた。学堂に通い始めてからは、礼儀正しく謙虚な振る舞いが身についていた。吉田内侍は満足げに潤を見つめながら、「立派に育ちましたな。見た目も学問も申し分ございません」と褒め言葉を贈った。「内侍様、どうぞお茶を」潤は丁寧に言いながら、お珠の手から菓子の盆を受け取って自ら差し出した。「これは潤の一番好きな生姜入り棗餅でございます。胃が温まるとばあやも申しております。どうぞたくさん召し上がってください」「うむ、うむ!」吉田内侍は目を細めて微笑みながら、一つ菓子を口に運び、お茶を一口すすった。そして優しい声で潤に尋ねた。「今年の歳暮は叔父上のお宅で過ごすのかな?それとも親王家に?」潤ははっきりとした声で答えた。「最初は宮中で過ごすつもりでしたが、さくら叔母上が叔父上のお宅がよいとおっしゃいまして。祖父も僕に会いたがっているそうで」「なんと孝行なお子様」内侍は少々の切なさと愛おしさを含んだ笑みを浮かべながら言った。潤くんと二、三言葉を交わした後、さくらは潤を下がらせた。「王妃様は、大皇子からお守りになりたいのでしょうな」内侍が問いかけた。さくらは頷いて「ご明察です。大皇子には以前、潤くんのことで叱責を受けましたので。宮中の宴も賑やかにな
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