ただ、さくらとは毎日のように顔を合わせていた。彼女が赤炎宗に私を訪ねてくるか、私が万華宗へ足を運ぶか……そんな日々だったから、楽章の姿を目にしないわけにはいかなかった。しかし彼ときたら、会うたびにまるで私が何か悪いことでもしたかのような、恨めしげな瞳を向けてくるのだ。ある時、あまりにも腹が立って問い詰めた。なぜいつもそんな目で私を睨むのか、と。すると彼は言った——私が外で噂を流して歩いている、彼が遊郭で女を買っているなどと言いふらしているのだと。呆れて物も言えなかった。自分の品行が悪いくせに反省もせず、無実の人間を責めるとは……私は噂など流していない。ただ親しい友人に事実を話しただけではないか。それの何が噂話だというのだ?腹立ち紛れに彼の顔を殴りつけ、絶交を宣言した。やがてさくらが山を下り、実家へと帰っていった。いつものように一月ほどで戻ってくるものと思っていたのに、今度ばかりは違った。いつまで経っても梅月山に姿を現さない。万華宗を訪ねても、誰もが口を閉ざしたまま何も教えてくれない。焦りに駆られた私は、あかりや饅頭たちを連れて都まで彼女を探しに行こうと決めた。出発前夜、楽章が私たちの前に現れた。行くな、と言うために。彼の顔にこれほど深刻な表情を浮かべているのを見たのは初めてだった。さくらの家で大変なことが起こったのだと彼は告げた。父も兄も命を落とし、母君の体調も優れない。彼女は屋敷に留まって母君の看病をしなければならないのだと。「お前たちはまだ十代の子供だ。そんな重大事に首を突っ込んで混乱を招くだけだろう。家の問題が片付けば、彼女は必ず戻ってくる」その知らせを聞いた時の衝撃は今でも忘れられない。さくらの父君にはお目にかかったことがある——堂々とした体躯に威厳を湛えた、見る者を自然と敬服させるような立派な将軍だった。さくらの二番目の兄も一度だけお会いしたが、深水師兄と同じように美しい顔立ちをしていながら、より一層の威厳を備えていらした。さくらはいつも父君や兄君たちの武勇伝を嬉しそうに語っていた。だから一度か二度しか顔を合わせたことのない方々、中には一度もお目にかかったことのない方々でさえ、私にとってはよく知った人物のように感じられた。皆、天地を支える柱のような武将で、この世で最も優れた男子たちだったのだ。そんな方
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