赤ちゃんの顔は、すごく小さい!ほんのりピンクで、しわくちゃで、小さな拳を握りしめて、口をぽかんと開けている。海咲は見れば見るほど愛しさが増していった。ふと思い出したのは、星月を産んだあの日。命がけで産んだはずの子を、あのときはほんの一目見ただけで連れて行かれ、「死産だった」と告げられた。あれから五年……だからこそ、今度こそこの子は、絶対に自分の手で育てたい——海咲はそう心に誓った。「名前、どうする?」そう聞いたのは州平だったが、海咲の心の中にはすでに決まった名前があった。——葉野陽那。口に出してそっと呟いてみる。だがその時、州平が彼女のおでこにキスして言った。「なあ、娘は
Read more