紫は年齢こそそれなりだったが、若者と同じように「葉野お嬢様」と呼ばれるのが好きだった。州平は、叔母が海咲を連れて遠ざかっていく背中を見ていたが、結局ルールを尊重することにし、銀白色のメタリックな質感の仮面を手に取り、それを顔に装着した。彼が中に入った頃には、紫はすでに海咲をロビーの二階へと連れて行っていた。二階のある場所からは、外から中の様子は見えなかったが、中からは一階ロビーの全景を見下ろすことができた。舞踏会の会場には多くの人々が集まっており、皆が華やかな衣装に身を包み、若者たちは自分の美しい体をこれでもかとアピールしていた。海咲には、叔母がこのような舞踏会を開いた意図が分からな
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