麗華は言った。「……あなたの口からは、息子の良いところが一つも出てこないのね」理仁は長男であり、祖父母の傍で育った。当時、麗華は初めて母親というものになったので、子供をどう世話すればいいのかわからなかった。義父母が自ら世話をすると買って出てくれたので、麗華は気楽でいられた。夫の栄達は結城グループを引き継いだばかりの頃でとても忙しかった。彼女もよく夫に付き添って会食や接待に行っていた。義父母が長男を世話してくれているのも、理仁を結城家の将来の後継者として見ていたからだ。もちろん、理仁は祖父母に育てられたものだから、自然と彼らの距離は縮まり、祖父母の言うことをよく聞くようになった。やがて祖父が亡くなったので、理仁に言うことを聞かせられるのは祖母だけになった。だから、母親である麗華は、理仁に指図することができないのだ。しかし、義父母は教養の高い人たちだから、理仁にしろ他の子供たちにしろ、みんなにきちんと教育を施してくれた。麗華も、結城家に嫁に来た他の夫人たちも、母親という肩書きだけで何もせずに楽ができた。「別に良いところがないなんて言ってないよ。ただ、女の子ほど可愛くないってだけだ」麗華は夫をたしなめた。「あなたったら娘なんていたかしら?どうして娘のほうが可愛いだなんてわかるのよ?結城家は女の子が生まれない呪いでもかけられてるでしょ。私があなたと結婚して、三人も生んだっていうのに、一人も女の子が生まれなかった。夢にまで娘がほしいと見たのに。たくさん女の子用のスカートやお洋服を買ったのに、全部他の人にあげちゃったわよ」栄達は笑って言った。「もしかしたら、四人目を頑張っていたら娘だったかもしれんぞ」「四人も男だったら恐ろしいわ」栄達「……」それもそうだ。結城家にはもう何代にもわたって女の子は生まれていない。「孫に期待しよう」麗華はため息をついて、アルバムを閉じた。「でも、いつになったら孫に会えるかわからないわ。唯花さんの前では言えないし。あの二人が今不在だから言えるけど。理仁が結婚適齢期になって、彼が結婚するのをまだかまだかと待ってたわ。結婚したら孫娘ができないかわくわくしてた。今は、男の子でも女の子でもいいから、ただ孫が生まれるだけでいいと思ってる」「お前は何を心配しているんだ。理仁も唯花さんだ
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