遥は慰めるように言った。「唯花ちゃん、そんなに心配しなくていいよ。依茉さんなら絶対に咲さんの目を治療できるはずだわ。彼女の先生は名医と呼ばれる方で、諺でも『青は藍より出でて藍より青し』って言うでしょう?」唯花は言った。「ええ、私たちも酒見先生のことを信じてる」依茉も、辰巳には治療ができるようになったらすぐに星城に赴いて、咲の治療をすると約束していた。「善君と姫華さんはどんな感じ?彼ったら私たちにはあまり自分の事を話さないから。それで私たちから聞いてもあんな感じなのよね。お義父さんとお義母さんは早く彼と姫華さんが結婚したらいいのにって思っているのよ」遥は善の結婚について話題を変えた。「二人も何度も星城に行きたいって言っているのに、善君が許さないのよ。彼は、まだ親の顔合わせをするような段階じゃないって言うの。それに彼もまだ姫華のお母さんから認められていないから、私たちもただ、まだかまだかと焦って待つしかなくて、何も手助けできないのよね」善と姫華の事になると、唯花もどうしようもないという顔をして、遥に言った。「桐生さんと姫華はとても仲が良いんだけど、伯母様がどうしてもこだわり続けているのよね。確かにまだ両家の親の顔合わせには早いと思う。今、桐生さんには手強いライバルもいるし」「え、恋のライバル?」「伯母様が姫華を遠くに行かせたくなくて、星城にいる好青年を何人か選んでいたの、姫華とその中から誰かをくっつけようとしたわけ。で、桐生さんがこの件ですごく切羽詰まってしまって、だから彼と姫華はもう暫くもがき続けないとゴールインできないかも。伯母様はすごく寛容な考えを持った方なんだけど、ただ姫華の事となると、こだわりが強くて大変。私たちだって呆れてるの。何度も説得してみたんだけど、どうしても聞き入れてくれなくて」唯花はため息をついた。「もしかしたら、将来私に娘が生まれて、その子が結婚して遠くに離れちゃうってなった時に、やっと伯母様がここまで固執するのが理解できるのかも」姫華が善と結婚したとしても、実際は変わらず星城で暮らすことになる。それに、神崎家は善の購入した屋敷のお隣だから、姫華は誰よりもすぐに実家に帰れるのだ。しかし、詩乃にとっては、善がA市出身で、姫華が彼と結婚してしまうと、頻繁に彼とともにA市に行くことになるのが心配なのだ
Read more