Alle Kapitel von 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Kapitel 2171 – Kapitel 2180

2456 Kapitel

第2171話

「お姉ちゃんと、それから伯母様にはもう伝えたの?」唯花は理仁の親や親戚たちからずっと囲まれていたので、妊娠したというめでたい知らせを自分の家族や友人に知らせる時間がなかった。しかし、夫ならきっとこれを言いふらして自慢するに決まっている。明凛が妊娠したとわかった時、周りに言いまわっていた悟と同じようにだ。あの頃、理仁は憂鬱な気分でどうしようもなかった。理仁と唯花のほうが先に結婚して、互いに相手を好きになった頃から本当にラブラブな夫婦になった。それなのに、唯花のおめでた話は一向になかった。悟のほうは明凛と結婚してたった一カ月で、子供ができたものだから、理仁が落ち込まないわけがない。「どちらにも伝えてあるよ。お義姉さんと神崎社長のほうにね。あまりに嬉しすぎて君の伯母さんの電話を急に思い出せなかったからさ。神崎社長の電話は覚えてたから彼に伝えておいたよ。お義姉さんからは電話はきてないの?」理仁は義姉が知れば、きっと大喜びで電話をかけてくると思っていた。「お姉ちゃんからはLINEが来たよ。妊娠したって伝えたの。たぶん、まだ音濱岳にいると思ってるんだと思う。私には無理をしないでちゃんと休みなさいって。お姉ちゃんは伯母様のところにいるらしいわ」理仁は頷いて笑って言った。「俺は狂ったように喜んでしまって、お義姉さんに星城に帰ってきたって伝えるのをすっかり忘れていたよ。きっとまだ音濱岳にいると思ってるんだね。それでもいいか、まずは自分たちだけでこの喜びを噛みしめていよう。みんなまだ俺たちが帰ってきてないって思わせておくのもいいさ。あちこち言いまわってしまったら、また君をみんなに奪われてしまう」唯花は彼を見つめて、からかうように言った。「伝える人にはもう伝えちゃったでしょ。それなのにあちこち言いまわらないほうがいいだなんて、大喜びして世界中に知らせたいと思ってるくせに」唯花のおめでた話が一向に出てこないので、星城の芸能記者たちはずっと彼女のお腹が大きくならないか注目していた。理仁は心の中に燃え上がる怒りを抑えていた。そして彼女は今本当に妊娠した。理仁はもちろんそれを言いふらしたくてたまらない。ただ、彼女は妊娠したばかりだから、家の人たちからきつく世間には公表するなと言われている。ただ仲の良い近しい人だけに教えればいい。もし
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第2172話

唯花は実は姉と伯母に祖母から言われたアドバイスを話したことがある。姉と伯母はもう少し様子を見たほうがいいと言った。もし、結婚して三年経っても妊娠する兆候もなく、夫婦二人も不妊というわけではないなら、内海おばあさんが言っていたようにしてもいい。誰かを養子として迎える方法だ。依茉から妊娠していると言われた後、唯花は体全体から緊張が緩むのを感じた。彼女が一体どれほど喜んでいるかを理仁ですらわからないだろう。「お義父さんとお義母さんが明日私の口座に四十億入れるって」突然、唯花は夫にそのことを教えた。「お二人からの激励みたいなものだって言われたのよ。妊娠したら体の変化があるけどそれを怖がらずに孫を生んでくれるからだって。結城家に後代を生んでくれることに対するお礼みたいなものだから絶対に受け取れって言うの。でも、子供をつくることは私たちは望んでいたんだから、当然のことじゃない?」唯花は少し悶々とした様子だった。彼女が子供を生むことに四十億もの大金をくれるというので、どうも妊娠して子供を産むことが商売か何かのように感じてしまう。悪く言えば取引きのような。唯花にとって子供は、理仁との間に愛の結晶ができたことであり、二人の命を継いでいくだけの話だ。それは金銭とは関係のないこと。それを聞いた理仁は笑って、ベッドヘッドに寄りかかり、唯花を自分の懐にもたれかけさせた。「唯花、まあ、これはうちのような一族の習わしみたいなものだよ。きっと名家はそういうところがあるのかもしれない。結城家以外にも他の名家だって次の世代を妊娠すれば親や祖父母世代からは邸宅や車、高価な宝石が送られたりね。場合によってはプライベートジェットやヨットなんかまであげる家もあると聞くよ」実際、理仁も唯花に何かプレゼントするつもりだ。あと数日すれば、理仁と唯花の結婚一周年になる。理仁は唯花には高級車と豪華な屋敷、それにプライベートのヨットまで準備していた。これは彼女への結婚記念の贈り物だ。そして今彼女が妊娠したから、それに加えて他にも用意し、一緒に渡そうと考えている。両親は直接お金をあげることにしたらしい。理仁も愛妻にまとまったお金をあげようと思っている。夫婦は今共同財産があるが、唯花は自立心が強く、頑なに自分で稼いだお金しか使おうとしない。理仁は彼女にブ
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第2173話

理仁と結婚し一年経った。彼はトップクラスの財閥家の御曹司であり、結城家が相当な金持ちであることもわかっている。みんなが唯花の意思を尊重し、可愛がってくれていることで、彼女は実際、名家と普通の家庭もそこまで変わらないと思っていた。しかしそれが今回妊娠して、彼らから激励と称したお祝い金を受け取り、唯花は切実に財閥家というものが一体なんなのかを理解したのだ。本当にありあまる金をこれでもかと見せつけてくれる!「理仁」理仁はまた彼女のほうを向いて額にキスをし、優しい声で言った。「なに、唯花」「あのね、なんだかまたお腹が減ったみたい」唯花は彼のほうへ顔を上げ、少し恥ずかしそうに言った。夕食の時はたくさん食べて、お腹いっぱいになったというのに。理仁は愛おしげに尋ねた。「何を食べたい?下に行って作ってくるよ」「うどんに高菜と天かすをいっぱい入れたのが食べたい」理仁「……うちにはたぶん、うどんはないかな」唯花は姿勢を正して座り、両目をキラキラさせて彼に言った。「あなた、だったら、今から市内に出てちょっと夜食でも食べない?」理仁は時間を確認して言った。「市内に戻るなら、今夜はあっちで寝ないと」「今日はフラワーガーデンのほうに泊まりたいな」理仁は微笑んで彼女の唇にキスをした。「俺もそう思った。よし、市内に出てうどんを食べたいなら、連れていってあげよう」悟は彼に妊婦はこういうものだと教えてくれていた。突然何か食べたくなると、すぐにでも口に入れないと気が済まないらしい。妊娠すると食欲に変化がある。彼女が食べたいものなら、すぐに満足するまで食べさせた方がいい。それで、夫婦は素早くそろりと下におりて、慎重に出かけていった。みんなを驚かせるわけにいかないからだ。年配者たちは、唯花がまだ妊娠したばかりの不安定な時期だから、きちんと休息を取り、動き回ってはいけないと思っている。理仁はそんな家族の考えはよく理解していた。唯花を市内までうどんを食べるためだけに連れて行くと彼らに知られれば、間違いなくこっぴどく叱られてしまう。今の理仁は、以前のようにみんなからおんぶにだっこに、チヤホヤされていた理仁ではない。彼はこの時のランキングは最下位まで下がっている。車が琴ヶ丘を出発した。唯花は振り返って、今しがた出てきたばかり
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第2174話

「妊娠中、実際はある程度動いていたほうがいいのよ。毎日ずっとベッドに横になって動かないでいると、分娩の時に苦労するんだから」理仁は唯花の言ったことを受け入れることも、否定することもなく、ただこう言った。「明日病院に検査に行って、お医者さんに聞いてから決めよう。疲れすぎる事はしないほうがいいよ」「私がやる事といったら、別に肉体労働をするわけでもないでしょ。ただ私がやってるちょっとしたビジネスの管理をするくらいよ。まあ、あちこち走り回ることがあるくらいで、自分の体の調子を見ながら気をつけるし、体がきつくなったら休むから。どうであれ、明凛に何もさせない九条さんみたいにあなたがならなければいいから」そんな悟に代わって理仁が言った。「牧野さんは毎日本屋の仕事をしてるんじゃない?あいつだって何もしちゃいけないなんて禁止してないよ」「つまり、私も同じように本屋の仕事しかしちゃいけないってこと?」「俺たちが知り合った頃は、本屋の仕事しかしてなかったじゃないか」唯花「……」「農産物の事業に関しては星城なんだから、もちろん管理しても問題ないよ。だけど、出張が必要な時は神崎さんに行ってもらったほうがいいかな。彼女がどうしても手が離せずに君が行く必要がある時は、俺も同行するから言ってほしい」「わかったわ」唯花は彼の要求を受け入れた。理仁は悟より厳しくない。少なくとも、彼女に自分の会社のことはやってもいいと同意したのだから。悟のように明凛に本屋の店番しかしてはいけないと言うことはなかった。夫婦は途中ずっとおしゃべりをしていて、時間が過ぎるのがあっという間だった。二人はすぐに市内に到着した。理仁は唯花を連れてそのままトキワ・フラワーガーデンの近くにある飲食店に行った。以前、彼女はいつもこの付近のスーパーやコンビニで買い物をしていた。この時間帯は開いている飲食店は少なかった。結局、深夜まで開けている麵屋で、唯花は高菜と天かすをたくさん入れたうどんを食べた。理仁は食べなかった。彼は愛妻の向かいに座り、愛しそうに彼女の食事風景を見ていた。あまりにも美味しそうに食べている様子を見て、理仁は結婚したばかりの頃のことを思い出していた。あの頃、夫婦は互いにぶつかり合っていた。それも愛を育てるための大切なプロセスだった。
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第2175話

「俺もだよ。男でも女でも好きだ。もちろん、女の子のほうだったらもっと嬉しいけどね」理仁はニコニコしながら、妻がうどんのスープまで飲み干すのを見ていた。そう言い終わると、また自分がこんな話をすると唯花のプレッシャーになるのではないかと思い、急いで付け加えた。「唯花、別に女の子を生まないとって負担に思わないでくれよ。ばあちゃんや母さんたちだって、娘を生むことはなかったんだからね。ばあちゃん達だってできなかったことなんだから、君が負担に感じることはないよ」唯花は笑って言った。「別に負担には感じてないよ。おばあちゃん達だってそんなふうに思わないわ。私が子供を生むだけで十分だって思ってるはずよ」結婚して一年経っても妊娠しなかった。周りはみんな、唯花が不妊症なのではないかと心配していた。最初は二人の間に女の子が生まれるのを期待していて、なかなか妊娠しないから今度は妊娠を期待し始めた。結城家の年配者たちはすでに贅沢な考えをしなくなっていた。今、唯花が妊娠したので、つまり夫婦は二人とも不妊症ではなかったということだ。それだけで年配者たちは喜んでいるのに、生まれてくる子供の性別にこだわることはない。理仁も笑った。唯花の話も確かにそうだと思った。唯花がお椀をおろすと、理仁が尋ねた。「もう一杯食べる?」「確かにもう一杯はいけるけど、こんな時間だし、食べるとお腹がふくれて眠れなくなるからやめておくわ。明日また来て食べよう。ここの店の高菜が美味しいのよね」理仁は愛しそうに言った。「明日、俺が作ってあげよう」「いいわよ」理仁が自ら料理をすると言うので、唯花も断わることはなかった。支払いを済ませ、夫婦は手を繋いで店を出た。理仁は彼女に尋ねた。「ちょっとドライブでもする?」「明日も仕事よ。このあたりをちょっと回って帰って寝ましょ」「明日は休まないの?」理仁は助手席のドアを開けてあげながら言った。「明日は俺たちは仕事は休みだ。君を病院に検査に連れて行かないと」唯花は笑った。「そうね、忘れてたわ。じゃ、明日はまず病院に検査に行って、それからお姉ちゃんのお店を見に行こう。その後、会社に行って様子を見るわ。姫華はもうA市に行ってると思う。明凛も妊婦だし、私しか会社を見に行ける人がいないから」「唯花、今や君も妊娠しているんだ
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第2176話

唯花は笑って彼に催促した。理仁は彼女がシートベルトをつけてから、車を出した。付近を車でゆったりと一周してから、トキワ・フラワーガーデンの部屋に戻った。二人はもう長い間ここに帰って住んでいない。しかし、清水が毎日ここへ掃除をしに来て、唯花が以前買った花の手入れをしてくれていた。部屋に入ると、唯花は電気をつけて、そのままベランダへ行きハンモックチェアに腰かけてため息を漏らした。「私の大好きなハンモックチェア」このような椅子は瑞雲山の邸宅にもあるが、唯花はやはりこの家にある椅子のほうが懐かしかった。きっと、フラワーガーデンの部屋こそ、彼女が理仁と愛を育んだ場所だからだろう。だからやはり違うのだ。理仁はまず唯花のために温かいお茶を淹れてきて、ベランダの明りをつけた。唯花の隣に腰かけ、顔を上げるとすぐ物干し竿が二つ目に映った。それを見て、彼女が遠い田舎のほうまで竹を切りに行って、また長距離それを持って帰ってきたのを思い出した。「唯花、あの頃俺はさ、あんなに遠くまで行ってわざわざ竹を切って持って来なくたって、そこらへんで物干し竿を買えばいいのにって思ってたんだよ」唯花は顔を上げてその二本ある竹を見て笑った。「私も何考えてたんだかね。あの時は、ただあそこに竹でも置いて服を干せばいいやって思って、そういえば田舎のほうに竹があったなって、それでわざわざ切りに行ったのよ。あの頃はあなたは家の事は何も構わないで、朝早く出勤して遅くに帰ってきてたもの。部屋はとても広いのに、日常で使うものがいろいろ欠けてて、自分でどうにかするしかなかったしね。今思えば本当にバカな事していたわね」理仁は彼女を抱きしめ自分の肩に寄りかからせると、申し訳なさそうに言った。「あの頃は、君に偏見を持っていたな。うちのばあちゃんを唆して金目当てで来てるって思っちゃって。ばあちゃんが言うような良い人なのかしっかり見極めようと観察してた。それにこの部屋は急遽購入した部屋だからな。結婚する前は一日も暮らしたことがなかった。ここに来ても俺も家に帰ってきたって感じしなかったし。だから、俺は何も構いたくなかった。君がやりたいように任せるだけだった。君が二本竹を持って帰ってきた時はおかしいと思ったよ。一体何を考えているのかってね。だって、あんなに遠くまで竹を取りに行ったと思
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第2177話

この日の夜、夫婦は夜遅くまでおしゃべりしていた。最後に唯花が眠たくなって夢の世界に行ってしまうと話はそこで終わった。翌日、唯花はドアをノックする音で目を覚ました。そのノックの音はちょうど一年前のあの夜を思い出させる。彼女は理仁が帰ってこないと思い、内鍵をかけてしまって、最後は彼のドアを叩く音で強引に目を覚まされてしまった。彼女は目を開けて横を見ると、すでに理仁の姿はなかった。彼は早起きして朝食の用意をしているのだと予想した。あのドアをノックする音はすぐに聞こえなくなった。ドアが開いたからだ。理仁が玄関を開けるとそこには結城おばあさんがいて、彼はひとこと彼女に「ばあちゃん」と声をかけた。おばあさんは彼を押しのけて部屋に入り、彼に尋ねた。「唯花ちゃんは?」「まだ寝てるよ。ばあちゃんは夜中帰ってきたのか?朝早くにやって来て、俺たちがここにいるってどうしてわかったんだ?」唯花がまだ寝ていると聞いて、おばあさんは声をかなり小さくした。理仁が近寄ってくると、おばあさんは彼の腕を叩いて、小声で叱った。「夜遅くに唯花ちゃんを市内に連れ回すなんて。彼女の体が健康だからよかったけど、そうじゃなかったらあんたにこんなふうに連れ回されて、何かあったら私はあんたに容赦しなかったわよ。唯花ちゃんが妊娠したんだから帰ってこないわけにはいかないわ。拓真と朔久に結婚相手を見つけるのは重要だけど、唯花ちゃんのほうが重要だわ。彼女、どこも調子が悪いところはない?」おばあさんは実際今朝早く星城に着いたばかりだ。琴ヶ丘に着くと、理仁の車が見当たらなかったので、二人は琴ヶ丘邸にいないとわかった。当直の警備員に尋ねると、二人は夜車でどこかへ行ったとわかった。それでおばあさんはそのままトキワ・フラワーガーデンにやって来たのだ。彼女自ら世話をしてきた孫だから、彼の考えなどお見通しだ。やはり、予想は当たった。「ばあちゃん、唯花は健康そのものだから心配しなくていい。食いしん坊だからな、夜突然うどんが食べたいって言い出したんだよ。それにたくさん高菜と天かすを入れたやつって。うちにはないから市内まで連れてきたんだ」理仁は小さな声で祖母の質問に答えた。それに昨夜どうして二人でこっそり市内まで来たのかも説明しておいた。「唯花がここに泊まりたいって言ったんだ
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第2178話

理仁がキッチンに入った瞬間、また誰かが玄関のドアをノックした。結城おばあさんは言った。「あなたは引き続き朝食を作って、私が開けに行くから」おばあさんは立ち上がるとドアを開けに言った。ドアの前には唯月が立っていた。唯月は手にたくさんの袋を提げていた。どれも食材で、さっきスーパーで買って来たばかりだとわかる。「おばあ様、いつ帰って来られたんですか?」結城おばあさんを見ると唯月は嬉しそうに笑って尋ねた。「ついさっきよ。唯花ちゃんが妊娠したって聞いたから急いで帰ってきたの。理仁のあの唐変木が彼女のお世話ができないんじゃないかって、だから私がついていたほうが安心でしょ」おばあさんも嬉しそうに笑い、唯月を部屋の中に入れて、彼女をまじまじと見つめ賞賛した。「唯月さんったら、どんどん綺麗になっていくわね。動きに自信が満ち溢れているわよ」「ありがとうございます。だけど、私は生まれつき美人ですので」その言葉におばあさんは、はははと大きく笑った。「そう、その通り、あなた達姉妹は生まれつき美貌に恵まれているの」「ところで、唯花は?」唯月は部屋に入ると妹の姿が見当たらないので尋ねてから言った。「昨日、結城さんから唯花が妊娠したって連絡があったんです。それに伯母様にも伝わっています。私も彼女も大喜びで、すぐにでもあの子に会いたくて。でもあの子は結城さんと一緒に音濱岳に行くって言っていたから、二人ともまだあちらにいるのかと思っていました。それがさっき唯花のSNSを見てここに戻ってきているってわかって、急いで駆けつけたんですよ。まだ早い時間だから、二人ともまだ朝食を食べてないだろうって、だから何か作ろうと思っていろいろ買ってきたんです。おばあ様もまだ朝ごはんはお済じゃないでしょう?多めに作りますよ」そう言いながら唯月はキッチンに入ろうとした。そこへエプロン姿の理仁が中から出てきた。「おはようございます、お義姉さん」「あら、結城さん、こんなに朝早く起きていたんですか」妹の夫がキッチンから出てきたのを見て、唯月は少し意外だったが、すぐに微笑んで言った。「唯花がお腹が空いたから、朝早くに朝食を作らせているんじゃないですか?二人とも帰ってきたのなら、私にひとこと教えてくれればよかったのに、私も神崎夫人も二人はまだA市にいると思っていた
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第2179話

唯月は笑いながら結城おばあさんの言葉に続いた。「おばあ様、お年なんですからあまりあちこち飛び回らないほうがいいですよ。おうちにいてください。私たち世代もあなたが傍にいれば心が落ち着きます。経験豊富なご年配の方が家庭にいるのはとても良いことですから、おばあ様は私たちにとって宝物と同じです」おばあさんはニコニコと笑った。「今はどっか行けと言われたとしても、私は離れないけどね。今はおうちで唯花ちゃんの日々のお世話をしなくちゃいけないから。理仁が何もわからなかったら困るでしょ」理仁はそのイケメン顔を赤くさせた。「ばあちゃん、確かに経験はないけど、学んでいくことはできるだろ。あとで本屋に行って本をたくさん買ってしっかり読んでおくよ。誰だって一人目は本で勉強しながら慎重に子育てするもんだろ」二人目からは適当になるのがどの家庭も同じ。理仁と唯花にようやく一人目ができたので、今は二人目を考えることはない。理仁は唯花が遥と同じように運が良く男の子と女の子の双子を妊娠していればいいのにと思っていた。そうすれば、妻はただ一度妊娠するだけで、もう苦しむ必要がなくなるからだ。ただ二人にそのような運があるかどうかはわからない。「お義姉さん、ばあちゃんとおしゃべりしていてください。俺は朝食を作ってきます。いろいろ食材を買ってきてくれたので、他にも作ろうと思います。唯花は今食欲があって、食べてもすぐにお腹が空くと言うんですよ。ここでは暫く暮らしていなかったので、家にはお菓子も何もないですから、後でスーパーで唯花の好きなお菓子を買ってきます」理仁はそう言いながらキッチンに戻り、また中から大きな声を出した。「ばあちゃん、辰巳に今日俺は会社に行かないと伝えてくれないか。何か重要なことがあれば電話してくるか、自分で処理するように言ってくれ」普段、理仁が会社に行かない時は、いつも悟が支えていた。しかし、今の悟は妻中心生活になっているので、毎日定時に出退勤をし、残業は嫌がる。だから、理仁はただ従弟をこき使うしかなかった。おばあさんは言った。「あなた達はささっとA市に行ったから、辰巳もそれに続いて向こうに行っているのを知らないでしょ。あの子は星城にはいないわよ。酒見先生が辰巳に今回は一緒に星城に戻って咲ちゃんの目を診てくれるって」おばあさんは続けて言った。「私
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第2180話

唯月は妹に言った。「あなたがSNSにアップしていたのを見て、あなた達二人が帰ってきたって知ったのよ。昨日結城さんが電話をくれた時詳しくは聞かなかったから、電話を切ってからようやくどういうことか理解できたわ。彼も帰ってきたとは教えてくれなかったし。私と伯母様はあなたたちの家に行こうと思ったけど、まだ音濱岳にいるだろうって思って、帰ってきてから会いに来るつもりでいたのよ。昨日私たちも用事があって、メッセージであなたに聞いただけ。お姉ちゃんがLINE送った時、あなたも帰ってきただなんて教えてくれないんだもの」昨日は凪が来ていた。凪が帰った後、詩乃は凪が残していった血を持って病院にDNA鑑定に行ったのだ。唯花は気まずそうに言った。「私たちもあまりに嬉しすぎて頭がはたらかなかったの。だからきちんと話してなかった」「唯花はおばあ様とお話してなさい。私はキッチンで結城さんと朝食を作ってくるから。何が食べたい?お姉ちゃんが作ってあげる。今は前よりもっと料理の腕があがったのよ」唯月は飲食業に進出したので、いくら忙しかったとしても、自分の料理のレベルを落とすわけにはいかない。以前、彼女は一般的な家庭料理だけしか作っていなかったが、作ったことのない料理も今勉強中だ。新店舗がまだオープンする前なので、この時間を利用して自分の腕を鍛えているところだ。そして新しく作ってみた料理の試食をするのは隼翔だ。それで、隼翔は唯月が有名なシェフにでもなる頃には、自分は一回りも二回りも太っているだろうと冗談を言っていた。隼翔は彼女に料理教室に通ってみたらどうかとアドバイスもしていた。同じような料理の系列ではなく、他の国の料理もアレンジに加えてみたらどうかという提案もしていた。唯月もそのつもりがあって、ここ数日料理教室に申し込みに行くと決めていた。「お姉ちゃん、理仁さんにやってもらえばいいよ。普段から休みの時には彼が作ってくれているから」唯花がそう言った。唯月はそんな唯花に少し注意するように言った。「それはあなたのことを甘やかしているのよ。結城さんは普段あんなにお忙しい中、週末やっと休めるのに、料理をさせているの?もっといたわってあげないと、疲れているわよきっと、大変だと思うわ」「わかってる」姉が以前からずっと妹の夫である理仁のことを気にかけ
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