Alle Kapitel von 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Kapitel 2181 – Kapitel 2190

2456 Kapitel

第2181話

理仁は唯月に手伝ってもらう必要はなかったが、彼女は何かをやらないと落ち着かないので、キッチンに残り手伝うことにした。結城おばあさんは唯花の手をとり、彼女を気にかけていろいろと尋ねた。それが終わると、彼女は言った。「それにしてもあの占い師は本当にすごいわね。おばあちゃん、言ったでしょ、あれは別にあなた達を慰めるための話じゃないんだって。ほら、今、本当になっちゃったわ」唯花は笑いながら言った。「うんうん、あの方は本当に実力も能力もあるお方だわ」「そりゃそうよ。じゃなきゃ、この私が信頼するわけないでしょ」おばあさんは言った。「私は実際運命というものを信じてるのよ、私たちはその運命に任せて、逆らったりしないほうがいいんだわ。結城家だって悪い事をしたことはないし、あなたはとっても良い子なんだから、神様が子供を授けてくれないはずがないでしょう。だけど、子供の縁が来るまで待たないとね。これからは安心して妊娠中リラックスして過ごすのよ。自分にあまり負担をかけないようにね。やれることは続けてやって大丈夫。家にずっとじっとしていなさいなんて言わないから。何よりもあなたの気持ちが一番重要だからね。じっとしてろなんて言ったら、あなたは絶対つまらないでしょ。そうしたら気分にも良くない影響が出るだろうし。結城家は過保護じゃないからね、行き過ぎは逆に良くないから」おばあさんは理仁の妻のことを熟知している。唯花は妊娠しておとなしくしているようなタイプではない。おばあさん自身、何人か子供を生んで、妊娠している間もずっと活動していた。そして息子の嫁たちが妊娠している時、つわりがひどくない限りは、彼女たちも夫と一緒に商談に出たり、各種イベントには出席していた。そして妊娠後期になってから、家で出産までゆったり過ごした。おばあさんは、妊娠したら気持ちを楽しく保つことこそ重要だと思っている。だから、子供ができてもやりたいことはなんでもしていい。彼女は特に束縛するような気はない。おばあさんの言葉を聞いて、唯花はとても安心できた。理仁も家でじっとしていなくていいと言っていたが、唯花はやはり理仁の両親や他の年配世代が九条家と同じようにいろいろと要求してくるのではないか心配していた。唯花も別にカッコつけて無理するタイプじゃない。妊娠しても、できる事は
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第2182話

清水は言った。「昨日出る時に、鍵をかけたはずなのに、どうして今日はドアが開いているんだろうと思ったら、若奥様がいらっしゃっていたんですね」シロは唯花を見ると、尻尾を振って駆けて来た。唯花は笑った。「シロ、おいで」彼女がシロの頭を撫でてやると、お利口に足元に伏せをした。「清水さん、私と理仁さんは昨日の夜来たんです」清水は笑って言った。「若奥様も電話一本でもくだされば、食材を買っておきましたのに」「いいんです。ここからスーパーは近いし」清水はずっと唯花の世話をしていたので、二人の関係はとても良かった。清水も唯花が偉そうな態度をしないことはわかっている。しかしだからといって、唯花に対して別に適当な態度でいるわけではない。理仁がキッチンで忙しくしているのに気づき、清水は急いで手伝いに行った。理仁は言った。「もううどんはできてますから、清水さん、手伝いはいらないですよ。ベランダの花の世話を頼めますか。俺たちがいない間、植物をしっかり面倒見てくれましたんで、給料はちょっと上乗せしておきますね」清水は笑って言った。「ありがとうございます。若旦那様も何回も給料を上げてくださったじゃないですか」清水と七瀬の昇給が最も早い。二人は人を見る目があり、ちゃっかり唯花に気に入られている。「それなら、やめておきますか」清水は言った。「……いえ、何度上げていただいても結構です」理仁は笑った。「冗談ですよ。俺に二言はありません」「ありがとうございます、若旦那様」清水はニコニコしながらベランダに花の手入れに行った。唯月はいろんな中身のおにぎりを皿に盛って出てくると、清水に尋ねた。「清水さんは朝食はお済ですか?」「食べてきましたので、私の分は結構ですよ」清水は雑草の生えてきた鉢が少しあるのを見て、しゃがんでそれを抜いていた。鉢に入れてある土は、当初、唯花が外から持ってきたものだ。雑草の種も混ざっているから、たまにそれらが顔を出す。最初の頃は蟻もたくさんいたから、よく殺虫剤を使っていた。今ではほとんど蟻がいなくなっている。「ばあちゃん、唯花、手を洗っておいで、朝ごはんにしよう」理仁は高菜入りのうどんを愛妻が以前よく座っていた席に置き、二人を朝食に呼んだ。おばあさんは唯花の手をつっついて小さな声で呟いた
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第2183話

「ばあちゃん、じいちゃんは空から見守ってくれているよ。今ごろ安心してこっちを見ているはずだ」理仁は結城おばあさんの言葉を聞いて、話を続けた。おばあさんは笑って言った。「あなたが結婚して子供を生んだら、おじいちゃんも安心なのよ。彼はあなたのことをずっと心配していたからね。彼はね、あなたに対する愛情が一番大きかったのよ。自分が父親になった頃は息子のことをここまで可愛がってなかった。おじいちゃんになって孫がもう可愛くて可愛くてね。以前、息子たちが何かやらかしたら彼はすごい剣幕で怒っていたのよ。でも、あなた達孫の代が何をしたって、余裕で楽しそうにしていたわね」世間でよく言われる孫ができると一番可愛い、というのをおじいさんが一番体現している。唯花は結城おじいさんに会ったことがないので、何も話せなかった。理仁はおじいさんとおばあさんに育てられたので、彼は祖父母に対する気持ちが一番大きい。理仁はおばあさんのところにやって来て、体を支えてあげながら食卓に座らせ、笑って言った。「若い頃のじいちゃんに似てるんじゃないか?子供が生まれたら、俺だって厳しい父親になるぞ。そしていつか祖父になったら退職してゆっくり孫と遊ぶんだ。俺も孫を一番可愛がってやるから」孫が可愛く見えるのは、祖父母になる年齢になった時には、みんな性格が自然と丸くなっているからだ。それに、現代人はあまり子供をたくさん生まない。多くの家庭が一人か二人くらいしか子供を生まないから、祖父母になれば、それはもちろん孫がとても可愛く思えるのだ。「これが唯月さんが作った朝食ね、さてさて、料理の腕が上がったか、食べてみましょ」おばあさんは食卓に座り、話題を変えた。亡くなった夫の話は、彼女にとって少しつらいのだ。唯花はおばあさんに卵焼きをとってあげた。おばあさんはそれを味わってから笑顔を見せた。「まるで一流料亭で出されるような卵焼きね。すごく美味しいわ、唯月さん、暫く会わないうちに、ここまで腕をあげていたなんて。新店舗ももうすぐオープンするんでしょう?「ええ、準備しています。でも、料理の腕はまだまだだと思います。得意なのは家庭料理ばかりで、料理法もそこまで多く知らないんです。東社長が料理教室に通ったらどうかって言ってくださって、ちょっと勉強しに行くつもりです。いろいろ学ばせてもらって
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第2184話

「ばあちゃん、どうにかつわりを和らげることはできないのか?」結城おばあさんは言った。「だいたいの人は妊娠すると吐くのよ。だけど、妊娠の初めのほうにつわりが来て、三か月過ぎるとだんだん吐かなくなっていくの。つわりがそこまでひどくないなら、耐えるしかないわよ。あまりにも吐くようなら、病院に行って診てもらったほうがいいわ。吐くからといって勝手に薬を飲んじゃダメだからね。妊娠してるから、いろんな薬は服用できないから」おばあさんは孫にそう注意した。唯花は言った。「おばあちゃん、わかってるよ。薬は飲んだりしないで、我慢すればいいだけ」そう言い終わると、彼女はまた羨ましそうに言った。「明凛は全然つわりがないみたい」唯花が妊娠すると、つわりの反応が出た。「人それぞれだからね。人によっては一人目では全然つわりがなくて、二人目で今度はひどいつわりになる、なんて場合もあるから」唯花は自分のお腹をさすって言った。「出産までつわりが続かないといいけど」「後で唯花を連れて病院に検査に行った時に、先生につわりが軽くなる方法はないか尋ねてみよう」「まだ妊娠したばかりだし、もしかすると数日したら全く吐かなくなるなんてこともあるかもしれないわ」唯月は妹に温かいお茶を入れて持って来てあげた。「お姉ちゃん、今は何も飲みたくない。飲んだら吐きたくなりそう。酸っぱいものとか、ちょっと塩辛いものとかない?少しちょうだい」理仁は言った。「家にはお菓子はストックしてないんだ。高菜はさっきうどんに入れてしまったし。すぐに何か酸っぱいものを買ってきてもらおう」清水はベランダから部屋に入ってきて、その言葉に続いた。「若奥様は酸っぱいものが食べたいのですか。今から梅干しとか買ってきましょう」「一緒に酢こんぶとか、とりあえず酸っぱい系のお菓子があれば買ってきてもらえますか」すると清水は急いで買いに出かけた。唯月は妹に注意しておいた。「酸っぱいものは歯を溶かすらしいし、あまり食べ過ぎるのもよくないわよ」「わかってるよ、お姉ちゃん」理仁は唯花を支えながらソファまで来て座らせ、自分も彼女の隣に腰かけて心配そうに見つめた。何度も何かを言いかけては口に出すのをやめた。唯月は食卓を片付けた。おばあさんは孫のこの様子を見て言った。「理仁、そんなに心
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第2185話

当初、唯花が玲凰を説得するために言った話を理仁も聞いて今でもしっかり記憶している。子供を堕ろすのも体を傷つける。妻以上に夫を知り尽くしている存在はいない。理仁が気落ちしている様子を見て、唯花はすぐにピンと来た。それに、彼はさっき何度も何か言いたそうにしていた。「理仁、下手な考えは起こすんじゃないのよ!」唯花は厳しく彼に警告した。「神崎社長のように騒いだら、離婚して子供は私一人で育てるから、あなたは何もしなくていい」「唯花」「どうしたの?」結城おばあさんと唯月は唯花の言葉を聞いて、驚いていた。まさかの離婚という単語まで唯花は口に出した。理仁の正体が明らかになった時に唯花がそれに激しく動揺して離婚を申し出たことがある。あの時、理仁はほぼ狂っていた。夫婦二人の仲がこじれ過ぎて、周りはとても心配していた。しかし、それも落ち着いて以前のような仲を取り戻せた。あれから唯花は理仁の前で「離婚」という単語を口にしたことはない。この男が最も恐れているのはこの言葉だと知っているからだ。「唯花、お、俺はただちょっと考えただけだよ。口にだって出してないじゃないか。俺も君のことが心配すぎて、理紗さんみたいになるんじゃないかって不安なんだよ。そんなに怒らないで、妊娠中は怒っちゃだめだ、楽しい気持ちでいないと」理仁は急いで妻をなだめ、まずは自分があのような言葉を口に出さないと約束した。唯花は彼の胸ぐらを掴み、恐ろしい顔つきで言った。「頭で考えるのも禁止!」「わ、わかった、わかったから。考えない、なんにも考えないようにする。だから、唯花、怒らないでくれよ。離婚だなんて言葉、俺が一番恐れている言葉だって知ってるだろう。俺が悪かったから、ね」理仁は愛する妻を懐にぎゅっと抱きしめて、落ち着かせようとした。「俺が間違ってたよ、怒らないで。子供は一人でいいよ、二人目は考えない」「占い師の先生は私には息子も娘も生まれるって言ってたわよ」唯花は遥のように双子を妊娠して一度に息子も娘もできるとはそこまで期待できなかった。それは稀なケースだからだ。もし、一人目が男の子なら、二人目は女の子ということになる。唯花はどうしても娘が生みたかった。彼女は芽衣のことが可愛くてしょうがないのだ。だから、自分もあんなに白くてぷく
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第2186話

結城おばあさんはまた理仁を叩きたくなった。そこへ唯花が急いでおばあさんの手を掴んだ。「おばあちゃん、私はもう怒ってないから、彼を叩くのはやめてね。もう彼は三十過ぎの大の大人よ。そんな人を叩いてたら、メンツが丸潰れよ」「唯花ちゃんが庇ってくれてるし、あなたが何をしたいのかは教えてくれないけど、あのね、おとなしくしてないと、私はすぐに容赦しないからね!」理仁は苦笑いした。「ばあちゃん、わかってるってば、おとなしくしてるよ。俺は昔からずっとそうだったじゃないか」この時、清水がすぐに梅干しを買って帰ってきた。唯花は待ってましたと言わんばかりにすぐに袋を開けて、一つ口の中に放り込んだ。あの酸っぱさが口の中に広がり、嬉しそうににっこりと笑って言った。「ああ、この味がいいのよね」唯花が嬉しそうにしているのを見て、理仁はほっとした。少し休憩してから、理仁は唯花を連れて病院に検査へ向かった。おばあさんと唯月はトキワ・フラワーガーデンに残っていた。清水は引き続き自分の仕事をせっせとこなした。暇になって、おばあさんはゆっくりと唯月に隼翔のことを尋ねた。「隼翔君とは何か進展があったの?彼のあなたに対する気持ちは天に誓って間違いないものよ。彼のお母様もあなた達二人の邪魔をしようとしないし、隼翔君にチャンスをあげたら?」妊娠中の唯花の面倒を見るため、おばあさんは遠出して他の孫たちに結婚相手を探す旅はひとまず休憩することにした。しかし、彼女は時間ができると、ついつい誰かのために赤い糸を引いてあげたがる。唯月と隼翔が一緒になるのなら、おばあさんも安心だった。それで隼翔の応援をしたかったのだ。唯月もとても良い人だ。離婚して子供がいるが、隼翔がそれを嫌がっていないので、幸せになれるはずだ。今の若者たちとおばあさんの世代とは全く違う。昔の人は離婚を恥ずかしい事だと認識しており、夫婦仲が悪くても、耐えてきた。そして今は、夫婦が互いにやっていけないと判断したら、すぐに別れて自由に戻るようになった。唯月は少し黙ってから言った。「おばあ様、今私は自分の仕事が忙しくて、本当に恋愛について考えたことはないんです。東社長みたいに素敵な方には、自分は相応しくないと思ってしまうし。もしバツイチでもなく、子供もいなかったら、私は……」
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第2187話

唯月は暫くの間黙っていてから、やっと口を開いた。「彼はもうICUから出て一般病室に移っています。今は回復途中で、陽を連れてお見舞いに行ったりもしました」結城おばあさんは頷いた。「彼、まだあなたと復縁したいと思ってる?」「確かに後悔はしているみたいですが、私とまたヨリを戻したいとは思っていないみたいですよ。彼は成瀬さんと離婚していないですしね。彼の家族は離婚を望んでいるみたいですが、彼の意思はそうじゃないから無理でしょう。でも、彼が離婚したからって、私もあんな人と再婚なんてしません。陽の父親だから二人が会って親子の仲を深めるのは邪魔しませんけど、陽のためだからって彼と再婚なんてしませんよ。私の彼に対する気持ちは彼が生活費の全てを半分ずつ負担しようと言い出した瞬間に消えてしまいましたから」少し言葉を詰まらせてから、彼女はまた話し始めた。「佐々木家の人たちはいつも私と彼を復縁させようとしていますけど、そんなことするわけないじゃないですか。あれだけ傷つけられて心はもう死んでしまいました。絶対に後ろを振り返ったりしません。残りの人生でまた結婚しなかったとしても、彼と再婚なんて絶対考えないです。それに佐々木家がそれを望んでいるのは、愛があるとか、息子のためだとかそういうのではなく、私の暮らしが良くなったからですよ。唯花が結城家の若奥様だったことを知って、甘い汁をすすりたいだけです。私は自分の事は自分で解決できますから、結城さんに何かお願いして唯花の足を引っ張るようなことはしたくないです。それなのにあんな人たちが唯花の邪魔をするのを許せるわけないでしょう。あの人たちは勝手に妄想して夢を見ているだけです。私の親戚たちと同じクズばかりです」唯月がずっと心配していたのは、自分のせいで妹を巻き添えにすることだった。彼女たちは名家に嫁いだ伯母がいることがわかり、支えとなってくれるが、それは神崎家なのであり、内海家ではない。唯月はいつも妹が結城家から軽んじられるのではないかと心配し、できるだけ妹の迷惑にならないようにしていた。だから、自分でどうにかできることなら助けを求めることもなかった。唯月はまだ妹が頼りにできるような力を身につけていない。それなら、せめて妹の足を引っ張らないように、迷惑をかけないようにしたかった。おばあさんは頷いた。「あなたが唯
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第2188話

結城おばあさんは言った。「あなたは唯花ちゃんと同じね。あなた達姉妹の性格は本当に似てる。わかったわ、あなたがそう言うのなら、後で東家に隼翔君に会いに言った時、伝えて喜ばせてあげましょう」唯月「……」結城おばあさんは恋のキューピットになるのが癖になっているらしい。結婚適齢期になっている自分の孫たちのことを済ませたら、今度は唯月にターゲットを向けてきた。トントントン。ドアをノックする音が聞こえた。唯月はおばあさんから離れて言った。「おばあ様、誰か来たようなのでドアを開けてきますね」理仁は唯花を連れて病院に行ったので、こんなに早く帰ってくることはないはずだ。それに彼ら二人が星城に帰ってきていることを知っている人は少ない。唯花のSNSが見られる人くらいだ。「きっと、あなたの伯母様じゃないかしら」唯月が玄関を開けに行くと、シロも一緒に尻尾を振りながらついていった。ドアを開けると、そこには明凛が立っていた。「唯月さん、お久しぶりです」明凛は笑顔で唯月に挨拶をすると、唯月は彼女を家の中に入れた。明凛の後ろには両手に袋を提げたボディーガードが二人立っていた。「明凛ちゃん、わざわざいろいろ買ってくる必要なんてないのよ」明凛は言った。「まったく唯花ったら、私さっきあの子が音濱岳から帰ってきたって知ったんですよ。本屋は人に任せて急いで来たんです。私が妊娠したって知ったら、唯花はひたすらうちにいろいろ買って持ってきたんです。今度はあの子が妊娠したから、お返ししてやるんです。あれ、おばあさん、いつ帰られたんですか?」部屋に入ると、結城おばあさんがソファに座っているのを見て、明凛は驚き、喜んで尋ねた。急いでおばあさんのところまで行くと、鞄をソファに置いて親しげにおばあさんの腕に手を絡めた。「おばあさん、私たち、会いたかったんですよ」おばあさんは笑って言った。「それで最近くしゃみばかり出ると思ったら、あなた達が噂していたのね」「唯花は?」この時、明凛は唯花のことを尋ねた。「理仁が彼女を検査のために病院に連れて行ってるの。あの子たち、音濱岳にいる時に酒見先生から診てもらったんだけど、病院できちんと妊娠検査をしたほうがいいと言われて行ったのよ。唯花ちゃんはもうつわりもあるし、酒見先生が妊娠した脈をみるのは間違
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第2189話

唯月は明凛の話に続いた。「唯花はさっき朝ご飯を食べたら吐いちゃったの。結城さんがとても心配してたわ。病院に検査に行くついでに、つわりを和らげる方法はないか聞いてみるんですって」唯月は笑って言った。「結城さんったら唯花に代わってやりたいってくらい焦っていたわ」妹の唯花のことを理仁がここまで心配してくれるのを見て、唯月は嬉しかった。妹は自分よりもずっと幸せだと思った。唯月と俊介は同級生で、長年付き合って結婚に至った。結婚して彼女が妊娠した時、彼はあまり傍にいてくれなかった。あの頃は彼も昇進時期でいつも朝早く仕事に出かけ、夜遅くに帰ってきていた。彼が唯月の心配などしなかったのは言うまでもなく、検診にも一度も付き添ったことはない。いつも妹が彼女と一緒に行ってくれた。頭を左右に振って、唯月は失敗に終わった俊介との結婚生活を頭から追い出した。明凛が笑って言った。「それは想像できますね、それでこそ『結城理仁』ですもん。彼ったら、自分の娘かってくらい、唯花のことを溺愛していますからね」「明凛ちゃんは顔色が本当に良いわね」おばあさんは明凛の顔をじろじろと見つめた。「悟がまるで私をペットのように世話するんですから、それは当然です」おばあさんは笑って言った。「その言い方、つまり彼があなたが元気に過ごせるように、とっても気にかけてるってことよ」「今は食べ過ぎないように、食欲をしっかりコントロールしてるんですよ。そうしておかないと、そこにいるシロみたいになっちゃいますから」明凛は、唯月が妊娠してから体重が一気に増えてしまったことを覚えている。悟は彼女に優しく、彼女が太っても彼が心変わりすることはないと信じているが、自分がぷくぷくと太るのは許せないのだ。子供が生まれてから必死でダイエットするのは嫌だ。しかしまあ、ちょうど唯花も妊娠したから、仲良く一緒に太るのもいいかもしれない。「おばあさん、今回帰ってきたなら、もうあちこち飛び回ったりしませんよね?琴ヶ丘に行っても全然会えなかったし、本当に会いたくてしかたなかったんですよ」おばあさんは答えた。「ここ一年は星城にいて、どこにも行かないわよ。それに、もう年だから動き回るのはもう無理だわ」「おばあさんはまだまだ若いですよ。見た目はうちのお義母さんと同い年くらいですもの」お
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第2190話

明凛は妊娠はまるで牢屋に閉じ込められているかのように、自由がないものだと感じていた。結城家が唯花に対してどんなふうに言うのかはわからない。彼女と同じように、良くて本屋の仕事をさせるくらいだろうか?「あなたはもう三か月でしょ、安定期に入ったからもう活動しても大丈夫よ。ただ、危険なところに行かなければいいの。でもあまり疲れるようなことはダメね、出産が近づいてきたら遠出はしないほうがいいわよ」おばあさんがそう言うと、明凛はさらに羨ましく感じだした。それはおばあさんに対してではなく、親友に対してだ。結城家のおばあさんがこのように言うということは、つまり唯花は明凛みたいに星城でしか行動してはいけないと制限されることはないということだ。彼女たちは暫くおしゃべりをしてから、明凛は家に帰っていった。いや、明凛は家に帰ったのではなく、ボディーガードに結城グループまで連れていってもらった。結城グループに着くと、昼休憩まであと三十分というところだった。明凛はボディーガードに言って、車を会社の前に停めてもらって、中に入ることはなかった。悟の仕事の邪魔をしたくなかったからだ。しかし、悟はやはり、すぐに愛妻が会社に来たことを知った。警備員もただで給料をもらっているわけではない。明凛がいつも乗っている車なら、警備員たちはすでに覚えている。それに唯花の車のナンバーまで彼らはしかと心に刻んでいるのだ。唯花と明凛は、彼ら警備部門の人たちが必ず覚えなければならない重要人物だ。今、星城ではこのような言葉が流行っている。『結城社長と、九条悟を怒らせても構わないが、二人の奥さんだけは怒らせてはいけない』理仁と悟はまさに狂ったように妻を溺愛している。この二人の実力と何かをする時の手段なら、みんなよくわかっている。そんな彼らだが、結婚して愛する妻ができると、性格はだいぶ丸くなった。特に理仁のほうだ。しかし、彼らの妻である唯花や明凛を怒らせるようなことをすれば、それは死を意味する。この時、スーツに革靴姿の悟が会社から駆け足で出てきた。後部座席で携帯をいじりながら夫が出てくるのを待っていた明凛は、悟がすでに出てきたのにまだ気づいていなかった。ボディーガードが気づいて彼女に急いで伝えた。「若奥様、出てこられましたよ」「え?悟が?あの人、
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