警備員は鈴がゲートの前で大声で騒いでいるのを見ると、また執事に電話をかけて指示を仰いだ。「さらに騒ぐようなら、追い払っていい」「わかりました」祐一はこの状況を見て、総司に言った。「なんで鈴を煽るようなことをするんだ。鈴に騒がれて結城家を怒らせたら、俺たちだって良い事ないんだぞ」総司はイライラした様子で言った。「今の俺らに何も恐れるもんなんてないだろ?会社も家も車も何もかもなくしちまったんだ。これ以上何も奪われるもんなんてあるか?仕事もクビにさせようってか?そんならペットボトルでも拾い集めて売って金を稼いでやる」「それすらもできなくなったらどうすんだよ」祐一は大きなため息をついた。「お前だって向こうのやり方がわからないわけじゃないだろう。ほら、鈴を連れて山をおりるぞ。こんなところでああやって大騒ぎさせたままにするとやばいって」総司は口を閉じて何も言わなかった。「俺たちはまだ鈴を使って咲と対抗しないといけないだろ。鈴だけが正統な理由で対抗できるんだ。俺たちはただの親戚で、本家の子供とはやり合えないんだからさ」祐一の説得を聞いて、総司はやっと彼とともに再び鈴を黙らせて強制的に引きずっていった。そして今度は二人で鈴を連れて下山していった。鈴は女で力はなく、従兄たちに敵うはずもなかった。暫くは腕を掴まれて引きずられていたが、それではきついから途中から二人におとなしくついて行くと約束して手を放してもらった。鈴は今の自分は彼らにとって何もメリットがないから、以前のように彼らがご機嫌取りをしてこないことがわかり、おとなしくついて行くことにした。鈴が琴ヶ丘にまで押しかけて騒いだことが、辰巳の母親である薫子の耳にも入った。嫁の咲が鈴に会いたがらないことを知っていて、薫子も鈴をほったらかしにしておいた。それに誰もこの琴ヶ丘で騒ぎ続けることなどできはしないから、数分も経たずに自然と静かになるだろう。こうやって楽しい週末は過ぎていった。月曜日。琴ヶ丘でゆったりと過ごした若者たちは、日曜日の夜に琴ヶ丘から市内に戻っていった。朝七時半、咲は車で花屋を見に行こうとしていた。午後は会社に行くため数日留守にしなければならない。彼女は花屋で花束を作って結城グループに行く予定だった。数日出張しないといけないから、辰巳の
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