大和は笑って言った。「負けは負けだ。言い訳なんてする気はない。お前らは負けて悔しいって?ずっと賭けには勝ってきたんだから、たまには負けを味わってみるといい。賭け事はいつだって勝ち負けがあるもんだ。負けて納得できないってんなら、今後は一切しないこった」勇飛「……」小夏は端の方へ行き、座ってお金を数え、合計金額から半分を寛太に渡して笑った。「木下君、これがあなたの分よ」寛太はお金を受け取るとすぐにそれを半分にして、小夏に返し言った。「小夏姉さん、僕は二千円しか賭けてないから、半分もらうには多すぎます。これだけでも半年夜食を買うのに十分足りるんで」「あなたにあげたんだから、そのまま受け取っておいて貯金したらいいじゃない。新しいお母さんには知られないようにね」寛太は小さい頃に両親が離婚し、彼は父親に引き取られた。父親はもともと寡黙な人で、離婚してからさらに口数が少なくなり、寛太にはまったく関心を向けない。それで彼は祖父母に育てられた。そして父親が再婚し、初婚のある程度年のいった女性と結婚した。寛太は学校に通うために父親のもとに戻ってきたが、その継母がひどい人間で、寛太はよく叩かれるなどつらい日々を送っていた。彼は反抗したかったが、まだ子供で反抗しても意味はなかった。そして反抗するとさらにひどく叩かれてしまう。父親はお金を稼ぐのに仕事が忙しく、よく出張していて、息子に対する関心はほとんどなかった。それで、息子が新しい母親からいじめられていることを知らなかった。寛太のおばが、甥が可哀想で継母に直接注意したことがある。しかし、父親はよく出張で家をあけているものだから、その間継母は以前よりも厳しくなってしまった。それを知ったおばが、自分でお金を出して寛太に道場に入門させて、体を鍛えて強くさせようと思った。それに技を習得して戦う術を身につければ。継母にいじめられることもなくなるはずだ。そしてそれから六年、今継母は寛太に手を出せなくなっている。手は出せないから金銭的に彼を苦しめるようになった。彼のお小遣いは、異母兄弟よりも少ない。そのため彼は普段からあまりお金を使わないようにかなり節約して生活している。さっき賭けに出した二千円は、父親が出張から戻ってきてくれた小遣いで、夜お腹が空いた時に何か買えといって渡してくれたものだ。
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