All Chapters of 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Chapter 2661 - Chapter 2664

2664 Chapters

第2661話

柏浜空港。唯月を迎えに、奏汰が一足先に空港に来て、彼女の到着を待っていた。理仁からの任務に、彼が断わることなどできるはずもない。しかし、理仁からの指示でなかったとしても、唯月が来ると知れば、必ず空港まで迎えに行くに決まっている。唯花の姉であり、陽の母親なのだから。彼女たちは結城家の親戚にあたる。奏汰は常に時間を確認していた。外はどんどん暗くなっていき、完全に真っ暗になり、街の明かりがついてから、唯月はようやく柏浜に到着した。彼女の乗る飛行機は無事着陸し、唯月は携帯のフライトモードをオフにして、妹にメッセージを送った。【唯花、さっき飛行機が柏浜に到着したわ。もう少ししたら降りてラグジュリゾートに向かうわね。その時また電話するから】唯月は柏浜ではラグジュリゾートホテルに滞在する予定だ。前回、詩乃と一緒に来た時も、同じホテルに泊まった。今回また柏浜に来ることになり、詩乃は唯月に家を見て回り、気に入った物件があれば購入したらいいと伝えていた。そのほうが、いつもホテルに泊まるよりも便利だからだ。そして唯月が家を買う場合には、良い物件を探すように言われている。費用は全て詩乃が負担する。唯月が星城で暮らしている家は、理仁が最も最低の価格で彼女に売ったものだ。当初はもちろん理仁は贈るつもりだったが、唯月がどうしても拒否するので、しかたなく形式的にお金を受け取ることにした。しかしそれでも、唯月の貯金はほぼ全て使い果たしてしまったことだろう。そのため、唯月が柏浜で家を購入するのは、すぐには難しい。彼女は伯母から家を見に行けと言われたので、言われた通りに見に行って購入しようと思っているが、その時には不動産権利書に伯母の名前を書くつもりだ。今後、唯月も詩乃も頻繁に柏浜に来ることになる。家を購入しておいたほうが、なにかと便利だ。実は今回、詩乃も一緒に来たがっていたが、理紗がまだ出産したばかりなので、唯月一人で行かせるしかなかった。詩乃も、唯月姉妹と娘の姫華には、唯月を黛一族の次期当主として育てる意思があることを伝えていた。今、唯月にのしかかるプレッシャーは一番大きかった。唯花はすぐに姉に返信した。【無事に到着したのならよかった。お姉ちゃん、ホテルに着いたらまずはご飯を食べてね。時間ができてから電話してくれたらいいよ】
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第2662話

奏汰は唯月のスーツケースを引き、彼女をつれて歩きながら言った。「唯月さん、ホテルのレストランは個室をとって、料理も注文済みです。ホテルに着いたらすぐに食べられるから、まずは夕食にしましょう」彼は大見原高級住宅地に家があるが、まだ内装工事が終わっていないため、そこに招待することはできない。それに、唯月も彼の私邸にお邪魔しようとも思わない。だから、ラグジュリゾートに唯月たち一行の部屋を手配していた。「奏汰さん、いろいろとお世話になってすみません」「そんな、大したことありませんよ。それに親戚なんですから、そんなに遠慮しないで。柏浜に滞在中、もし何か困ったことがあれば、いつでも俺に言ってくれれば、手助けしますから。俺にできないことでも、必ず誰か探して手伝わせます」唯月は笑って言った。「私はただこちらには市場調査に来ただけですから、奏汰さんからはアドバイスとか何か意見をもらえればいいんです」「それはお安い御用ですよ。何かわからないことがあったら、俺に聞いてくれればいいです」奏汰が唯月一行をつれて、空港から出てくる場面を、芸能記者に見られて、盗撮されていた。彼らにしてみれば、これも美味しいネタなのだ。結城家の三番目の御曹司は、ずっと白山家の長男につきまとっている。白山社長はどうやらそのせいで、新たな趣向に目覚めたらしい。それが今、結城奏汰が若い女性と一緒にいるではないか。しかも、二人は楽しそうに話している。それに、彼はその女性のスーツケースを持ってあげている。あの女性はとても美人で、気品に溢れている。どこか名家の令嬢だろうか。その芸能記者は奏汰が結城家の御曹司であることに気づき、その様子を盗撮した後、後をついていって、近くに寄り、唯月を正面から写真におさめたかった。しかし、奏汰にそれを気付かれてしまっては、せっかくさっき撮った写真も消される可能性があるので、諦めるしかない。確かに結城奏汰であると間違いがなければいい。絶対にあれは結城奏汰だ。ここ柏浜で、結城奏汰は多くの若い女性の共通の敵だ。よく白山社長と芸能ゴシップ系のニュースに現れる。だから誰も彼を見間違えるはずがない。奏汰が唯月を迎えに行って、ラグジュリゾートに向かっている途中、さっきの芸能記者は記事をネットにあげた。やはり、結城奏汰に関するゴシップ
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第2663話

少し考えて、玲は奏汰が空港から戻ってきてから、ネット記事のことを教えることにした。どのみち、彼女はすでに秘書に対処するように指示を出したから、すぐにネットからあの記事は消えてしまうことだろう。玲の秘書が対処するだけでなく、奏汰の秘書が気づき、まっさきにあの記事を処理しにいった。そしてあの記事は、検索ランキングトップに躍り出たかと思うと、ものの数分でネット上から消えてしまった。星城のほうでは、唯花は理仁と陽と一緒に東家で食事をとり、姉が無事に向こうに到着した後、それを隼翔に伝えていた。そして彼にこう言った。「お姉ちゃんはホテルに到着してから、東さんに連絡すると言っていましたよ」理仁に車椅子を押してもらっている隼翔は笑って言った。「ああ、知ってる。唯月さんから連絡があったんだ」唯花は笑った。「それならよかったです。二人の事は私たちが何かする必要はありませんね。陽ちゃん、おじちゃんのお膝から降りて歩きなさい、いつも抱っこしてもらってたら悪いわ」「大丈夫だ。俺は陽君をこうやって抱っこして、膝にのせているのが好きだから」隼翔は陽のことを自分の子供のように見るつもりだと言っていた。隼翔はそう言っているが、陽はやはりおりて言った。「おばちゃん、いつもご飯食べた後ごろごろしてたら、何になるって言ってたっけ?」「豚になるわよ」「そうそう、そうだった。ぼく、太くなりたくない。おしょうがつには瀧君に会うから、豚さんみたいになってたら、笑われちゃうもんね」陽にもメンツがあるらしい。「もし太ったら、瀧君に勝てるかもしれないわよ。体重で押してしまえば」陽は言った。「……おばちゃん、それで本当にぼくが勝てると思う?」もし瀧に勝つことができれば、冬休みの間ずっと胸を張っていられる。理仁は笑って言った。「おばちゃんの話を本気にするのかな?もし、太ってしまったら動きが遅くなって、完全に負けてしまうぞ。体重で相手を押しつぶそうって作戦は、相手がとても弱い場合に通用するものだ。瀧君は弱い子かな?」それに瀧の先生は誰だ?あの名医を含む周りの人たちは一体どんな人物だ?彼らの中から適当に一人選んで瀧に指導させたとしても、瀧は十年武芸を学んだ普通の人よりも強くなることだろう。理仁は、瀧は凄腕の先生たちに囲まれている
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第2664話

外をゆったりと一周すると、唯花は疲れてきた。それで理仁は彼女と陽を連れて東家を離れ、理仁が結婚する前に暮らしていた屋敷に戻った。明後日、長期休暇は終わる。夫婦二人は以前の生活に戻るので、出勤するのに便利なように、琴ヶ丘で生活しないことに決めた。家に入ると、すぐに結城おばあさんの元気で大きな声が聞こえてきた。理仁と唯花は互いに目を合わせた。家に帰っておばあさんに会えるとは思っていなかったのだ。陽はおばあさんを見ると、とても喜んで、唯花と理仁より先に駆けだした。おばあさんはニコニコと両手を広げて陽が走ってくるのを待ち、懐に抱きしめた。「理仁兄さん、唯花さん」家にはおばあさん以外に、拓真の姿もあった。さっき唯花が聞こえたおばあさんの元気で大きな声は、拓真を叱る声だったのだ。拓真は一体なにをやらかしておばあさんを怒らせてしまったのだろうか。おばあさんに声をかけると、理仁は唯花の手を引いて座らせ、拓真に尋ねた。「なんでばあちゃんを怒らせたんだ?玄関の前でばあちゃんが叱りつける声が聞こえてきたぞ」すると拓真は呆れるような、つらそうな顔をした。それを見て、理仁はだいたいどういうことか察しがついた。彼は手を伸ばして拓真の肩を軽く叩き、それ以上何も言わなかった。陽がいるので、おばあさんはそれ以上拓真を叱ることはなかった。その隙に、拓真はそそくさと退散した。おばあさんも拓真を呼びとめることはなく、ただ鼻を鳴らした。拓真はおばあさんの意図を感じ取った。彼は今この場から逃げられても、結局完全に逃れることなどできない。そうしたいなら結城家とは縁を切るしかないが、それは不可能な話だ。さっきおばあさんはこっぴどく拓真を叱りつけていたが、それでも祖母と孫の関係は良好なのだ。彼ら孫たちは、時にわざとおばあさんを怒らせることもある。その時は厳しく叱ってもらう。三十歳に近い人間が、祖母から叱ってもらうというのも、ある種幸せだろう。……黛家。若葉はトレイ持ち、二階にある両親の部屋のドアをノックした。洋文は完全に面子を失ってしまった。彼は和子が出かけてから、一日中飲まず食わずでいた。和子はもちろん夫のプライドがズタズタになり、自分を憎んでいることをわかっている。彼女が会社に行った後、洋文が何も口にしようと
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