ガチャッ――書斎のドアが開き、高く堂々としたシルエットが入り口に現れた。涼介が部屋に足を踏み入れると、そこには脚立の上に座り込む紗月の姿があった。彼女は膝の上に古いアルバムを広げ、その中の写真をじっと見つめている。淡いイエローのネグリジェを身にまとい、緩やかに巻かれた髪が腰のあたりまで垂れ下がっている。その姿は、普段よりもさらに彼女の輪郭を華奢に見せていた。薄暗い照明の下、脚立から無造作に垂れ下がった白く細い脚が、妙に色っぽい。足元には可愛らしいキャラクターのルームシューズ――あかりとお揃いのもの――を履いていた。その無防備な姿に、涼介の瞳がスッと鋭さを増した。こんな夜更けに、主人の書斎でそんな格好をしているなんて……まさか、俺を誘惑しようとでもしているのか?昼間はあわや命を落としかけるような目に遭ったというのに、夜になればもうそんな浅ましいことを考えているのか。そう思い至ると、涼介の顔に冷ややかな嫌悪が浮かんだ。彼は大股で紗月の方へ近づき、低く凄んだ。「……ここで何をしている」ただでさえ脚立の上でバランスが悪かったうえに、アルバムを見て物思いに沈んでいた紗月は、背後からの突然の声にビクッと肩を震わせた。手からアルバムが滑り落ちそうになる。「あっ……!」慌てて手を伸ばしてアルバムを掴もうとした瞬間、彼女は完全にバランスを崩し、体が宙に投げ出された。涼介が鋭く眉をひそめ、ほとんど反射的に手を伸ばして彼女の体を受け止めようとする――ドサッ!!鈍い音とともに、二人はもつれ合うようにして床へ転がり落ちた。紗月は目を丸くした。涼介が突然書斎に現れたことにも驚いたが、何より、自分が落ちた瞬間に彼が身を呈して庇ってくれたことに驚愕していた。彼女は胸を高鳴らせながら、自分が馬乗りになるような形で押し倒してしまった涼介の顔を、間近で見つめた。帰国して以来、涼介とこれほど至近距離で見つめ合うのは初めてのことだ。彼の彫りの深い顔立ちは以前と変わらず冷たく鋭かったが、六年前よりもさらに大人の男としての色気が増し、洗練されているように見えた。至近距離で見つめられ、紗月は一瞬、息をするのすら忘れて彼の瞳に吸い込まれそうになった。一方、床に仰向けになった涼介もまた、紗月の体から漂ってくるほのかに甘く柔らかな香
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