早苗は言った。「もう行ったの!」「もう行ったの?」「日帰り旅行って、一日で済む観光でしょ?でなければ、何日かかるの?」凛は訝しげに学而を見る。もし記憶が正しければ、学而が立てたプランは3日2泊の旅で、その後は何回かグレードアップされ、旅行内容は増える一方で減るはずがない。一日で終わると?現実的じゃない。凛が質問しようとした瞬間、学而が急に咳き込んだ。「ゴホン……そう、日帰りだよ。とにかく楽しければそれでいい」早苗は言った。「凛さん、聞いて!今回はね、学而ちゃんが持ってきたリュック、私のよりでかいなの!」学而は言葉に詰まった。「中身を聞いても教えてくれないし、遊んでる時も使ってる様子なかったよ。あのでかいリュック背負って歩き切ったんだから、まさに我らが鑑よ!」「……」褒めてくれてありがとう……えっと……凛は2秒くらい不審な目を向け、どうやら学而のリュックの中身を察したようだ。だって、3日2泊の旅行なら、着替えや生活用品が必要でしょ?おそらく早苗は今も、元々の計画が3日間の旅行だとは知らない。学而は「ゴホン!」と凛に真実を言わないように示す。凛は合点がいったように頷く。ただ早苗だけが会話の流れから取り残されていた。「……凛さん、聞いてよ!仕事が終わった後に、1日休むのって最高なの!昼まで寝て、それから日帰り旅行するの……」凛は少し戸惑った。つまり、3日2泊どころか、丸一日すら遊べてなかったってこと?早苗は言った。「……学而ちゃんがずっと出発を急かしてくるんだから、ほんっとにうるさいの……人間は楽しむためにいるんだから、好きなようにすればいいじゃん。何時に出発しなきゃいけないなんて、誰が決めたの?」「ぐっすり寝たらすぐにクマが消えたわ。前に夜更かししてたせいで、目が小さくなっちゃったもん」学而も驚いた声を出した。「そうなのか?君の目って元からこんな感じじゃなかった?前とほぼ変わらないように見えるけど」早苗は腰に手を当て、目を丸くした。「学而ちゃん、私に力ずくで鎮圧されたいの!?」学而は黙ることにした。三人が揃い、早速テーマ討論に入る。早苗と学而は激しい喧嘩をしているように見えるが、一度仕事モードに入ると、二人とも真剣そのものだ。遊ぶことや騒ぐことは、学術とはまた
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