All Chapters of (改訂版)夜勤族の妄想物語: Chapter 801 - Chapter 810

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7. 「異世界ほのぼの日記3」299

-299 命の水- 最近知り合ったばかりの友人(いや友龍と言うべきか)の年齢が桁違いだったことを受けたが故に改めて自分が異世界にいる事を実感した結愛、ただ敢えて言うなら相手は自分に合わせて変えているだけで実際の姿は巨大な龍(ドラゴン)なので否定は決して出来ないと言うより元の世界にいた時に伝説だと思っていた憧れの存在に会っているのだと改めて実感した様だ。結愛「2298歳・・・、ですか・・・。これはこれは・・・、大変失礼致しました。」 桁違いの年月を生きているが故に先程まで友として接していたヌラルを唐突に先輩として扱い始めた結愛に好美は少し違和感を覚えていた、理由はただ1つ。好美「今更何言ってんの、龍族の人達なら貝塚学園にもいっぱいいるでしょ。それにヌラルちゃんが先輩だと言うんだったら強制収容所にいたガーガイさんはどうなるの?」 好美は大学内で連れ去られ魔力によりティアマットの姿に変えられていたバハムートの事を思い出していた、確か変わり果てた姿をした学生に対して結愛は結構強めの態度を取っていた様な気がする。ただそれはゼミの担当教授から相談を受けていたが故に理事長として学生の事を親身になって心配していたからだと推測できるが今語るべきなのはそこではない、きっと貝塚学園・中等部(あったんだな・・・)や高等部を合わせても龍族を含めた魔獣達が沢山通っているはずなのでこれまで学生・生徒達に対して取っていた態度を改めないといけなくなってくる。言ってしまえば結愛(と言うより人間達)にとったら大先輩たちばかりが通っていると言っても過言では無い、その学生達にこれ以上デカい口を叩いている訳にはいかないと思えて仕方が無かった。ヌラル「そうだよ、龍として長年生きているだけで人間で換算すれば結愛より年下になるんだから本当は俺が頭を下げないといけないのに。」結愛「何言ってんだよ、友達に頭を下げろなんて言える訳が無いだろうが。それより早く開けろよ、折角のビールがぬるくなっちまうだろうが。」 ティアマットにとって初めての酒が不味い物だといけないと気を遣う結愛は可能な限り冷え冷えで美味い状態で楽しんで欲しいので早く缶を開ける様に促した、好美の家に『瞬間移動』して来た時から水着姿だったので少し体が冷えて来たヌラルは好美に申し訳ないと思いながらゆっくりと温泉に浸かって缶のプルタブを動かし始め
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7. 「異世界ほのぼの日記3」300

-300 大事な話は露天風呂で?- 流石に「ビール合計4樽」は内心1人でゆっくりと過ごしたかった露天風呂に突如結愛とヌラルがやって来たが故の悪い冗談だったとして、少し時間は掛かったものの冷静さを取り戻していた好美は改めて2人(『人化』しているからヌラルの事も人として換算すべきだな)と乾杯を交わした後に缶ビールを煽って話し始めた。好美「それで?さっきも『念話』で話したと思うけど貝塚学園(結愛ん所)の寮として貸し出している部屋は満室だし、うちの1階(店舗)部分はバイトの人手が十分に足りているから今は必要無いんだけど?」 決して結愛がヌラルの家と学費(いや小遣い?)の為のアルバイトを探している事を忘れてはいなかった好美、やっと今話し合うべき話題が進む様な気がするが本当に大丈夫なのだろうか。結愛「アルバイトに関してはお前にまだ何も言っていなかっただろうがよ、今現在でだが「暴徒の鱗」の新店における人員募集でヌラルを含めた黒龍族の人達を優先して雇えないか検討中のはずだから店に関してだが好美の所には何の影響も無いはずだぜ?」 結愛は自分の事の様にスラスラと語っているみたいだが、別に「暴徒の鱗」が貝塚財閥の傘下に納まった訳では無い事を改めて念頭に置いておきたい。好美「待ってよ結愛、どうしてあんたや光明さんがうちの店の事を語ろうとしている訳?」 いくら結愛が仲の良い友人だからとは言っても流石に店(と言うか「暴徒の鱗」全体)の内部事情を知られているとなると話が変わって来る。結愛「待てって、まだ何も話していないだろうがよ。ほら、確か「暴徒の鱗」の新店ってダンラルタ王城の敷地内に造っているって話だったろ?」好美「確かにそうだよ、もうすぐ店舗も完成するはずだってシューゴさんが言ってたもん。」 実は数日前から「暴徒の鱗 ダンラルタ王城店(仮)」の開店を宣伝するCMをテレビで放映していたのでそこまでは誰が知っていてもおかしくはない話だ、しかし今話しているのは社外秘となっているはずの内部事情(しかも人員に関わる事)である。結愛「あれってデカルトさんも関わりのあるって話じゃ無かったか?」好美「勿論、言い出しっぺは本人だし今の所店のオーナーをして貰おうって話だからね。」結愛「それでなんだけどな、黒龍族の就学・就労支援を貝塚財閥(俺)とデカルトさんで行っていこうっていう話だっ
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7. 「異世界ほのぼの日記3」301

-301 限度と限界- もう既に入浴の準備を終えていた渚が突然現れた事により、ヌラルは色んな意味で顔を蒼白させていたが好美からすればこの様な光景は呆れる程に見てきたのでこう言いたくは無いがもう慣れてしまっていたの一言であった。渚「悪かったって言ってんじゃないか、お願いだから入れておくれよ。」好美「はぁ~・・・、貴女って人は変わらないですね。お店の為にも風邪を引かれる訳にいきませんから早く入って下さいよ。」 未だ燦燦とした日光が輝く真昼間ではあったが格好が格好だったので風邪を引く確率が限りなく皆無とは言えない、流石の好美でも普段から「鬼」になっている訳では無いので渚を湯船に招き入れた。結愛「渚さん、良かったら一杯どうですか?」 これは念の為の確認だが、この場においては結愛自身も貰っている側となっているので今の台詞を言うのはおかしいと思われるが時既に遅し。好美「結愛、あんたもそうだけど仕事中なんだからね?ちゃんとそう言った事分かって呑んでいるの?」 好美自身は別に構わないのだがやはり渚は店主として、ましてや結愛は社長としての責任感が問われる気がするがもう今更な気もする。結愛「大丈夫だって、会社の方は光明がしっかりやってくれているんだから俺はこうしていても良いの。」 確かに光明が副社長としての責務を果たしている様だが、だからって結愛が何もしなくても良い訳では無い。渚「私だって大丈夫だって、ロラーシュに屋台を任せているから呑んでも大丈夫なの。」 これも念の為の確認だがあくまでロラーシュは渚の弟子として店主としての修業をしているのであってほったらかしにして良い訳では無い、ましてや酒を呑んでしまっては営業終了後にどうやって屋台をネフェテルサにある家まで移動させるのかが問題となる。渚「ここは地球じゃ無くて異世界なんだから心配する事ないさね、『瞬間移動』や『転送』に『アイテムボックス』があるんだから方法はいくらでも見つかるよ。」 別に忘れていた訳では無いが、あんたは娘さんと違って能力に頼れるだけ頼りたい派なんだな。「蛙の子は蛙」って一体・・・、まぁ良いか。渚「何だい、光は私と違うってのかい?」 今言った通りだよ、光さんは能力に頼り過ぎずあまり日本と変わらない生活をしたいそうだぜ。ただそれが立派かどうかは知らんけど。渚「ふ~ん・・・、別に良いんじゃ
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7. 「異世界ほのぼの日記3」302

-302 母娘の将来- ヌラル、結愛、そして好美の3人には種族関係なく共感できることがあった、特に転生者達は自分達の学生時代を思い出して混沌龍(ティアマット)の台詞の重さをひしひしと感じていた様だ(と言っても好美に至っては今もそうだろうがよ)。 つい先程発覚した事だが混沌龍であるヌラルは2298歳、人間で言うと丁度大学生位にあたる22歳なのでよく食べるお年頃だから大学への通学やアルバイト先への通勤で時間が掛かり食事及び睡眠の時間に影響が出るのは正直言って避けたい(改めて言う事じゃ無いけどヌラルも女性なのね)。結愛「だったらよ、ヌラル含めた従業員達に賄いを出すのはどうなんだ?」 この場においては最善のアイデアなのかも知れないが、果たして勝手に決めてしまっても良い事なのだろうか。好美「やっぱりそれに関しては店主やオーナーになるロラーシュさんかデカルトさん、ましてやシューゴさんに一言相談するべきじゃ無いのかな?」 好美、そうは言っているがお前はどうなんだよ。店の料理を肴に酒を吞みまくっているじゃねぇか、いくらオーナーだからってそういうのはありなのか?好美「私の店(ビル下店)に関してはそれが店舗として1階部分を格安で貸し出す条件だし、イャンダやデルアの雇用条件でもあるんだからセーフなの。」 しっかりとしている様に聞こえるがそのイャンダが抜けた後、副店長としてデルアと一緒に働く人は見つかったのかよ。好美「こんな短期間で見つかる訳が無いでしょ、なかなか上手くいかないから悩んでいるんじゃない。」 そうか?ここからだとただただ楽しそうに呑んでいる様にしか見えないぞ?まぁ良いか、好美もやり手の経営者だから大丈夫と信じて話を進めるかね。 ビール片手に悩んでいる(?)好美に救いの一言を放ったのはまさかの人物だった。ヌラル「好美・・・、だったら俺の母ちゃんなんてどうかな?」 ヌラルは少し言い辛そう様子をしていたが今はどんなアイデアでも嬉しくなってくる好美はもう既に500ml缶のビールを6缶も呑み干した混沌龍に質問した。 と言うかヌラル、酒を呑むの初めてなのに大丈夫なのか?記憶が無くなるほど吞んで後で「俺そんな事言ってたの?!」ってなるのだけはやめてくれよ?ヌラル「大丈夫だって、今知った事だけど俺酒強いみたいだからさ。」 おいおい、そういう奴に限って弱い事が
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7. 「異世界ほのぼの日記3」303

-303 鰐梨(アボカド)- 今に始まった事では無いのだが店の経営に関して相変わらずの横暴さを発揮する好美、ここまで来てしまっては誰が何を言おうと聞く耳を持たない。ヌラル「好美・・・、先に提案した俺が言うのも何だがやっぱり母ちゃんはダンラルタの新店で雇って貰う方が良いと思うんだ。流石に毎回飛んで通勤するにしても国境を跨ぐんだから大変になっちゃうよ。」 各国が1本の高速道路で結ばれているが故に車で2~3時間程度で移動出来る位近くなっているのは確かだが龍(ドラゴン)からの目線からすると仕事前に飛んで通勤するのは大変な様だ、その上黒龍族特有の悩みもあるみたいで・・・。ヌラル「それにさ・・・、差別と迫害が無くなったのは良いけど俺達の場合は混沌龍(元の姿)だと流石に目立って仕方が無いから少し嫌になっちゃうんだ。」 「いち住民として生きる権利」を得た今でもクァーデン家の嘘による物だった迫害のお陰で未だに他種族の目線が怖いと言う黒龍族が全くいないと言えばこれこそ嘘になってしまう、これはダンラルタ王国の新店で雇う時でも弊害になり得る可能性がない訳ではなさそうだ。ただ好美はネルパオン強制収容所で見たヌラルの姿を思い出して尋ねてみる事に。好美「ねぇ、龍って『人化』した状態で飛べる訳じゃ無いの?」ヌラル「いや別に飛べない訳じゃ無いけどさ・・・、この前も散歩の感覚で空を飛んでいた鳥獣人族(ホークマン)が泥棒と勘違いしたおっさんに通報されて冤罪で捕まっていたのを忘れたのか?」結愛「ああ・・・、それな・・・。忘れる訳ねぇよ、だって・・・。」 結愛がおどおどしていたのも無理は無い、これは3日前の事なのだがバルファイ王国でその日有休を取得していた貝塚財閥の従業員(バルタン)が勘違いした男性に通報されたというニュースがテレビで流れていた。因みに男性に通報した理由を尋ねてみると、まさかの「手に持っていた風呂敷が唐草模様だったから」だそうだ。結愛「実は俺もその従業員がこの前誕生日だったから新しい鞄をプレゼントしたんだが「新品を使うのは勿体ない」って今でもずっとボロボロになった唐草模様の風呂敷を使っているみたいなんだ、どうやら昔亡くした奥さんに貰った大切な物らしいから俺も止めるに止めれなくなっちゃって。」 実は俺もそうなのだが昔から大切に使って来たものが手になじんでいたり思い出のあ
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7. 「異世界ほのぼの日記3」304

 別に悪いと言っている訳では無いのだが、「お袋の味」という言葉からは連想されない料理の登場に空いた口が塞がらない好美と結愛、目の前の人間達のその表情を見た混沌龍は不思議そうな顔をしていた。ヌラル「何だよ・・・、母ちゃんの作る「アボカドとトマトのバジルサラダ」は美味かったんだぞ。」結愛「別に否定していた訳じゃねぇよ、ただ「野菜炒め」ばっかり食ってたって聞いてた気がするから「あれ?」と思ってな。」 どうやら自分の記憶が正しいかどうかを内心で疑っていた結愛、好美も同様の事を考えていたのだろうか。好美「そうだったの?」 あらま、違ったみたいだな。結愛「何だよ、好美は違ったのかよ。」好美「まさかお母さんとの思い出の料理が「アボカドのサラダ」とは思わなかったからさ、「白菜漬け」とか「きんぴらごぼう」のもっと和風な物をイメージしてさ。」ヌラル「確かに野菜中心の生活だったからそういった料理だって出てたよ、ただ本人もそうだったんだけど俺が飽きてしまったらいけないと思って色々と種類を増やしてくれていたんだ。」 懐かしい思い出を嬉しそうに語る様子からヌラルに対するバハラの親心が垣間見えた気がした、幼少の頃に旦那を亡くして女手一つで娘を育てていたので余計だったのだろう。ヌラル「そうだ、2人が元の世界にいた頃に食ってたって言う「お袋の味」とかってのを教えてくれよ。俺ばっかり語っていると面白くないだろ?」 陽気に質問しているヌラルに対して期待にこたえなければと意気込む好美。好美「私はカレーだったかな、じゃが芋の代わりにゴロゴロと大きく切られていたシャキシャキシャリシャリの蓮根が入っていたの。お肉も牛肉じゃ無くて鶏肉だった、結構変わった内容だったけど美味しかった(作者の家のカレーがそうです)。」ヌラル「蓮根か・・・、俺や母ちゃんも好きな野菜の1つだけどその発想は無かったな。食ってみてぇ・・・。」 好美の美味しかった思い出に自然と涎が止まらなくなっているヌラル、ただ冷静に今の状況を整理して欲しい。好美「ヌラル、思わずそうなっちゃうのは分かるけど涎が湯船に入っちゃうから勘弁してくれない?」ヌラル「悪い悪い、でも好美がいけないんだぞ?あんなに美味そうな物を想像させるなんて好美は罪な女だな。」好美「やめてよ、それじゃ私が悪いみたいじゃない。」 涎を拭い取って顔を洗う
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7. 「異世界ほのぼの日記3」305

-305 売れ筋商品の逸話- 結愛がこれから夜勤へと入る事になった母のシフトについて『念話』で改めて確認を行っている中、好美には「暴徒の鱗」の関係者になってからずっと気になっていた事があった。好美「そう言えば渚さん、今頃になって聞きますけど「特製・辛辛焼きそば」ってどの様にして出来たんですか?やっぱり光さん関係だとかですか?」渚「確かにそうだね、元々は自分用に作った料理をおねだりしてきた光に与えたのが始まりだったんだけど実はそれより前の逸話があるんだよ。」好美「逸話・・・、ですか?」 本当にインスタントの焼きそばに辛い食べ物を色々と追加しただけという見た目通りの「手抜き料理(だと言うのに店では結構売れ筋商品になっている)」にどう言った逸話があるというのだろうか、逆に興味が湧いて来た気がする。渚「あれは私や真希子が中学生だった頃の話だよ・・・。」 女性に年齢を問うのは失礼にあたる(と最低でも作者個人は思っている)ので何年前かは明かさないが話は走り屋達が中学生になってまだ1年も経っていない頃に遡る、当時同じ部活に入っていた2人は放課後の練習を終えて片づけを終わらせようとしていた。渚(当時)「そろそろ終わりかな、真希子の方は終わりそう?」真希子(当時)「もうちょっとで終わるから待っててくれる?」渚(当時)「別に良いけど早くしないと限定パフェが無くなっちゃうよ、あれ凄く人気なんだから。」 運動部に所属している中学生と言ってもやはり2人共女子、やはり甘い物には目が無い。真希子(当時)「お待たせ、早く食べに行こう。」渚(当時)「調子良いんだから、誰を待っていたって言わせるのさ。」 急いで自転車へと跨り学校から少し離れたフルーツパーラーへと急ぐ、どうか生活指導の先生に見つかりません様にと願っていた2人を意外な人物が呼び止めた。声「赤江(渚)!!三ツ矢(真希子)!!2人で仲良く何処行こうとしてんの?」2人(当時)「先輩、申し訳ないんですけど私達急いでまして・・・。」先輩「あれでしょ、「限定パフェ」食べに行こうとしているでしょ。あれいつ行っても無くなっている事が多いから焦っちゃうのよね。」渚(当時)「そうなんです、だからお話なら別の日に・・・!!」先輩「あれ実は同行人数が多ければ多い程食べれる確率が高くなるの、折角だから私もついて行こうかな。ど
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7. 「異世界ほのぼの日記3」306

-306 女の子ですから- ゆっくりとフルーツパーラーの限定パフェを堪能した3人は自転車に跨り各々の帰路に着いた・・・、と思われたのだがどう考えても家が反対方向にある先輩が渚と真希子について来ていた。渚(当時)「せ・・・、先輩!!先輩の家はあっちでしょ、何を考えているんですか!!」先輩「あれ、忘れちまったの?今夜辺りから「両親がいないから困っている」って。」 先輩の様子から見るとどう考えても「困っている」というより「自由を得ている」と言う言葉の方が合っているように思えて仕方が無い、ただ先程の「相談」を聞いてしまっているのでよく考えてみればそのまま帰る訳にもいかない。先輩「今夜簡単に作れる物を教えてくれるんじゃ無かったの?ちょっと待ってよ!!」真希子(当時)「私達、まだ「ハイ」と言った訳じゃ無いじゃないですか!!他を当たって下さいよ!!」先輩「あんた達が頼りなの、私じゃなくても皆2人の噂を知っているんだからね!!」 これは数日前の話、家庭科の授業の一環として行われた調理実習で本来ならマカロニグラタン1品の予定だったのだが担当教員の知らぬ間に4品も作っていたと全校生徒に噂が回っていたとの事。真希子(当時)「あ・・・、あれはグラタンを焼いていた間暇だったからついでに作っただけなんです!!大したことではありません!!」渚(当時)「それに・・・、同じ班の子に使った道具の洗浄を押し付けたって先生に怒られたんですから特に良い話でもありません!!」 その場から逃げる為の言い訳に聞こえるが2人が言っていた事は真実だった、確かにメインのグラタンが焼ける間に他の料理を沢山作っていたので担当教員も他の生徒と一緒に目を丸くしていたのだが調理道具をひたすら洗っている生徒の姿を目にしたので冷静に考えなおして2人を注意したそうだ。渚(当時)「作ったのは良いんですけど給食のナポリタンがちょっとしか入らなくなってしまったので良い結果にならなかったんです!!」真希子(当時)「い・・・、いや・・・、それ私だけじゃ無いの!!あんたはガッツリ食べてたでしょ!!」 話の流れでは2人の自業自得という言葉がピッタリと思われる、ただ渚の「ちょっと」という言葉は真希子が頬張った「専用の器3杯分」でも意味を成すというのだろうか。先輩「「凄い」の一言しか出ない噂じゃん、お願いだから私の頼みを
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7. 「異世界ほのぼの日記3」307

-307 赤江組- アイスクリームを頬張りながら3人は渚の家へと向かった、その日父は阿久津組との抗争で留守にしていて母は友人と温泉旅行へと向かっていたので家には誰もいなかった様だ。先輩「ねぇ、私達ここに来て良かったの?」 確かに父親自体は家を空けていたが留守を頼まれていた組員によって家自体に入って良いのかどうかが分からなくなっていた様だ、ただ渚の顔を見た瞬間に見張りをしていた組員達は一斉に頭を下げていた。組員達「お嬢、お勤めご苦労様で御座います!!」渚(当時)「学校から帰って来ただけななのにいい加減にしろ、いつになったらその「お嬢」をやめてくれるんだよ。」組員「何を仰います、我々にとってお嬢はいつまでもお嬢です!!」渚(当時)「もう・・・、それで「アイツ」は何処だよ。家にいるんだろ?」 渚の言う「アイツ」とは赤江組の若頭の事だった、若頭はかつてより両親から渚の世話係を頼まれていたので渚とは両親より長い付き合いとなっていた。組員「ご安心ください、若頭ならお手洗いに行っているだけですのですぐにお会いできると思いますよ。」渚(当時)「言っておくが「・・・だと思う」という言葉は根拠もなく言って良い言葉じゃないんだ、早く玄関前に出て来いって言うんだ。私の友人達を待たせるつもりかい?」組員「何と、それは大変だ。すぐに若頭を捜して来るのでもう少々だけお待ち下さい。」 渚の父親、つまり赤江組の組長から渚の友人は自分の友人と同様だから丁重にもてなす様にと教えられている組員達は少しでも機嫌を損ねてはいけないと必死に若頭を捜していた。 一方その頃、その若頭は毎日の様に悩まされている下痢により化粧室に入り浸っていた。確かおおよそ20分程だった様な・・・、違ったか?若頭「お・・・、お嬢が帰って来たってか・・・?」組員「は・・・、はい・・・。恐れ入りますが時計をご確認して頂ければ助かるのですが。」 組員に言われた通り腕時計を確認する若頭、時刻は渚がいつも家に帰って来る17時前を指していた。若頭「ま・・・、まずい・・・。お嬢を御迎えしなければ・・・!!」 腹の痛みを我慢しながらお手洗いを後にした若頭は急ぎ玄関先へと向かったがそこに渚達はもういなかった、若頭は顔を蒼白させていた。一方その頃・・・。渚(当時)「おい!!若は何処だ、台所の準備を手伝って貰わないと
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7. 「異世界ほのぼの日記3」308

-308 渚(お嬢)- 若頭の事を心配するあまりどうしても厳しくしてしまう渚の表情にビクビクしながらも、先輩と真希子は必要かどうか分からない若頭の案内でキッチンへと向かった。 渚は台所へと到着するとすぐに何か使える物は無いかと探し始めた、真希子もそうだったのだが同じ部活の後輩部員として先輩の役に立ちたいと必死になっていた様だ。渚(当時)「いつも食ってるような物は若が作っているからキッチンに1番詳しいのはあいつなんだけどね、せめて冷蔵庫に使えそうなものがあったら良いんだけど・・・。」真希子(当時)「じゃあさ・・・、若頭さんに来てもらえば良いんじゃ無いの?」先輩「そうだよ、その方が探す手間が省けて私も良いと思うけどね。」 真希子が言った通り1番把握している人物に聞くのがベストな状況と思われるが渚は簡単に首を縦に振らなかった、誰にも頼らず自分達の力で作りたいという気持ちがあったのだろうか。もしもそうだとしたらなんて先輩思いな後輩なんだろうと思ってしまうが・・・。渚(当時)「先輩すみません、それが出来れば苦労しないんですけどね・・・。」 あれ?もしかして他に理由があるってのか?渚(当時)「若の奴、またトイレに行っちゃったみたいなんですよ。今日のはいつもより酷いみたいでして・・・。」 キッチンに入るまでずっと我慢していたみたいだが、渚達と合流してから段々と限界が近づいていた様だ。真希子(当時)「大変な人だね、後で何かお腹が温まる様な物でも作ってあげればいいんじゃないのかい?」渚(当時)「いつもの事さね、また自分で勝手に何かすると思うから心配しないで。一先ずアイツには「お大事に(馬鹿者)」とでも伝えておくよ。」 渚は若頭の事を笑い話に何とか変えつつも食材の捜索を再開した、そしていつも深夜にこっそり食べる用のインスタント麺を隠している戸棚を開いた。渚(当時)「う~ん・・・、ここはあんまり開けたくないんだけど・・・。」 深夜にインスタント麺を食べている場面を若頭に見られてしまっては何度も注意された記憶があるので、未だに隠し持っているという事実や隠し場所をバレたくない渚は少し小さめに開けて中身を確認した。渚(当時)「そうですねぇ・・・、先輩これなんかどうでしょうか。」 渚が戸棚から取り出したのはインスタント麺に水を加えて作るシンプルなソース味の焼き
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