三社祭。日中は暑かったけど、夕方になっていい感じに涼しくなってきた。シラベたちに一緒にって誘われたけど、仕事って断った。これも一応仕事だし。一人でぶらぶらしてるのは運営委員会が決めた変なルールに反すると思って、せめてってこのお面買ったけど大丈夫かな。ピロシキに目鼻つけたようなやつだった。これ、違くないか? 夜店のどぶづけの中見たら、「辻沢ダイゴ」ばっかり残ってるし、ラベルシール、瓶からはがれて水の中で泳いじゃってる。やっぱプロダクトの急ごしらえは禁物だ。「ママー、このミルクおえー」「だから変なの買わないのっていったでしょ。いらないなら捨てちゃいなさい」「ぼく。泣くな」 お、いなせなおニーさん登場。さらしにハチマキ、似あってるね。「このラムネと交換してあげるよ。いいや、お金はいらないよ、ママさん」「すみません。ダイキ、ありがとう言いなさい」「ありがとー」「いいって、こんなまずいもん押しつけやがるから、みんなが迷惑してらーね」 社長に見せらんない。おニーさん、ノボリに八つ当たりしなくても、あーあ。あとで買戻し要求されるの覚悟しとこ。 |陽物《チンコ》神輿にでっかく「辻川雄一朗をよろしく!」。町長の名前、思った以上に映《バ》えるね。電飾派手にして正解だった。それより、チンコの神輿、今年初めてなのに、皆さんに受け入れてもらえたのはありがたいな。「ねーちゃん。恥ずかしがんなって。毎晩、旦那のにまたがってんだろー」「乗りなれてるじゃねーの、あねさん。さすがベテランだね」「うるさいね。うちのやつは3年前から、使い物になんないよ」「おーい、旦那さんよー。頑張んないと捨てられちゃうよー」「いいよ、いいよ、持って帰っちゃって。それは奥さん専用だ」 それにしても、今年年女じゃなくてよかった。誰が言いだしたのか、年女はあれにまたがるもんだって。絶対社長に、「なに? ヒビキ年女なの、じゃ乗れ!」 って言われて、先頭切って乗る羽目になってた。あんなのに乗せられたら乙女一生の不覚だったよ。
Terakhir Diperbarui : 2025-04-25 Baca selengkapnya