「シャワー浴びたいなら、リビングを出て右側の突き当たりにあるから」 櫻井課長は、目線を逸らしながら頬を赤く染めていた。 それでも、何とか教えてくれた。 「わ、分かりました。ありがとうございます。なら、お先に失礼します」 「バスタオルは、好きなの使っていいから」 お互い恥ずかしくて目が合わせられない。 亜季は頭を下げながら返事をすると、そのままリビングから出て、脱衣場まで向かった。 脱衣所のドアを開けて入ると、そのまま閉めて蹲る。 (緊張した~) 心臓が張り裂けそうになるぐらいにバクバクと鳴っていた。 シャワーを浴びなくてはいけないのに。 そう思うのだが、緊張し過ぎてなかなか動けないでいた。 重い腰を上げて、何とか服を脱いだ。 もっと可愛い下着をつけてこれば良かったと、思いながら何とかシャワーを浴びた。 しかし、よく考えてみたら、この後は同じ服に着替えないといけない。 ここは、バスタオルだけの方がいいのだろうか? (いやいや……それだとやる気満々みたいだし) どっちが正解なのだろうか? 櫻井課長どっちの方が嬉しいのだろう。 シャワーを浴び終わるが、どちらにするか悩んで、なかなか出れないでいた。 するとドア越しから櫻井課長の声が聞こえてきた。 「松井。大丈夫か? やっぱり気分が悪いいのではないか?」 「あ、いえ……大丈夫です。すぐに出ますから」 亜季は、あわあわと着替えようとする。 どうやら長風呂になってしまって、気分が悪いと思われたようだ。 「あのさ…松井。やはり、お前はそのまま帰れ。今は勢いで来たのだろうけど、無理をするものじゃない。それに気持ちは、嬉しいがゴムも無いし。その……やめておいた方がいいと思うんだ」 と、課長は徐に言ってきた。何を言い出すのだろうか? 驚いた亜季はバスタオルだけの格好も構わずに、ドアを開ける。 (何よ……それ? それでは、櫻井課長は私と関係を持ちたくないみたいじゃない!?) それは、あまりにもショックだった。 「課長は嫌なんですか? 私は……勇気を出して言ったのに」 「松井。いや……そういう意味では……とにかく服を着ろ」 「だったら、ちゃんと私を見て下さい」
Last Updated : 2025-03-12 Read more