今の社会では、社員同士のいざこざも珍しくない。自分のスタジオがそんな場所になるのは、紗雪は絶対に望まない。だが人数が少なければ、そうした問題は大幅に減らせるはずだ。採用するのは仕事のためであって、腹の探り合いや足の引っ張り合いをさせるためではない。そんなことになれば、本末転倒だ。紗雪は真剣に考え込む。「今夜、求人広告を出しましょう。明日には面接に来てもらえるよう連絡するわ。私も立ち会うし、いくつか質問を準備しておく。採用は二人までで十分よ」「お任せください、こちらで手配します」吉岡は真剣な表情で引き受けた。今回の採用が、自分の負担を軽くするためだということも分かっている。紗雪も安心して任せられた。これまで彼に任せた仕事は、ほとんどが期待以上の成果だった。時には、彼女の想定を超える出来栄えのことさえある。こんな部下がいてくれるのだから、本当に心強い。余計な手間をかける必要もない。ここまで共に仕事をしてきて、紗雪は吉岡の忠誠心を十分に見極めていた。翌日。紗雪はスタジオに来て、吉岡と採用の準備に取りかかった。質問事項はすでに吉岡がまとめている。彼女は応募者が自分たちと合うかどうか、真面目に働ける人かどうかを見るだけでよい。求人は一つの採用サイトにしか出していないため、応募者はそれほど多くない。およそ10名ほどだ。ざっと時間を計算すると、1時間もあれば終わりそうだ。今回募集するのは、営業担当とアシスタント。吉岡を補佐する役割だ。アシスタントは受付も兼任することになる。毎回誰かが来るたびに清那がドアを開ける、というわけにもいかない。彼女を呼んだのは、受付係にするためではないのだから。紗雪が到着すると、吉岡はすぐに立ち上がった。「社長」彼女は軽くうなずき、挨拶とした。「どう?面接に来る人数は?もうそろってる?」「オンラインでは15人と話していましたが、実際に来たのは12人です」吉岡は12名分の資料を丁寧に整理し、紗雪に差し出す。「こちらが事前にまとめた資料です。本日面接する12名分、すべて入っています」紗雪は受け取り、丁寧に目を通した。「ご苦労様。清那が来たら、すぐ始めましょう」これから共に働く相手だ。日々顔を合わせることになる
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