「ちぇっ、おいどんは選べないってことですかの」シータはセバスチャンの方を見ると軽く背伸びをして、魔法を放ってきた勇者の前へ向かった。「あっと、忘れていた。 坊ちゃん、ちょっとちょっと」俺を見ると手を振って俺を読んでいた。「なんですか?」何故俺に声をかけてきたかわからなかったので、首をかしげながらシータに返事をした。「この勇者のこと、教えての」さっきポロっと俺がつぶやいたことを聞いていたのか。「えっ……俺もそんなに知らないけど……」「それでもですな。 なんでもいいので教えてくだされ」慌てた俺はとりあえず覚えている限りをシータに伝えた。「……という感じだったそうです」「了解したの。 戦ったシータ坊ちゃんがいればもう少し詳しく聞けたかもしれんがの。 まぁ、でも今の坊ちゃんの話でも十分かの」そう言うと腕をグルグル回して賢の勇者に向かっていった。「さてと、力と力のぶつかり合いをしようかの」シータは手のひらを上に向けるとクイクイっと動かして、かかってこいと合図をした。「グギギギギギ……」賢の勇者はシータの挑発を知ってか知らずか、そちらに照準を合わせて真っ白な光跡の魔法を放った。 それと同時にシータも魔法を放つ。 こちらは黒紫のいかにも禍々しく感じる魔法をだった。バチッ――お互いの魔法が合わさりぶつかりあっている。 物凄い音と光。 それにぶつかり合っている部分が白と黒が織り交ざってマーブル模様になっている。「なぁ、ゾルダ。 魔法がぶつかるとあんなんになるの?」「ん? あぁ、そうじゃな」ゾルダはちらっと見ると、他の二人の戦いの方を見ている。「何? あんまり興味がなさそうだな」「まぁ、相手は知らん奴じゃしのぅ…… どうでもよいわ」シータと賢の勇者の戦いには見向きもせずに答えるゾルダ。「少しは気にしてあげて」戦えって指示したのはお前だろう。 三人平等に見てあげようよ。 まぁ、でもそれだけシータの事も信頼しているのかもしれない。ズッドーン――先ほどまでは1つの魔法での力比べをしていた二人だったが、 それがまた1つ、また1つと展開されていく。 その魔法たちもお互いがお互いで力比べになっていく。…… ………… なんか俺が想像していた魔法戦とちがう。 こうもっとお互い魔法を避け合
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