「……うっ……」最近何やら頭が痛くなることがある。 身体も精神的にもだ。 それもこれも、みんなゾルダのせいだ。 たまにあいつの声が聞こえてくる。 あの下賤な笑い声が頭の中を引っ掻き回す。 本当にあいつが復活してからロクなことがない。それにクロウやメフィストもあいつに負けた。 アスビモが連れてきたランボという奴もだ。 少しばかり期待した余がバカだった。 駒は所詮駒以上にはならんし、使い物にもならん。イライラした気持ちと頭痛を治めるためにアスビモが持ってきた薬を飲む。 この薬が結構よく効く。 飲んで数分で頭痛も取れるし、身体にも力がみなぎってくる。 最近少し飲む頻度が増えたような気がするが、そのうちに良くなってくるだろう。余の部屋から出てから謁見の間に向かうと、そこにはラファエルとクラウディアが控えていた。「魔王様、ラファエル、クラウディア共に帰還しました」余が王座に座ると、ラファエルとクラウディアが帰還の報告をする。「随分と遅かったな」戻ってくるように言ってからどのくらいたったのか。 時間は正確にはわかっていないが、気持ち的にはだいぶ経ったような気がする。「大変申し訳ございません」ラファエルは深々と頭を下げる。 クラウディアも申し訳なさそうにしている。「謝るぐらいなら、さっさと行動しろ、この馬鹿者めが」消えぬイライラをラファエルとクラウディアにぶつける。 お前たちも役に立たないな。「……」首を垂れたままラファエルとクラウディアは何も言わない。 その態度にも増す増す腹が立つ。 ただ、そこは堪えておこう。 何せこれでお前らも余のためになるんだからな。「まぁ、いい。 お前らはお前らなりに余の役に立つことだ」「はっ」二人からは力の入った返事が返ってきた。「お前たちを呼び戻したのは、ゾルダのことだ」「確か復活されたとお聞きしております」ラファエルの耳にも話を届いていたようだ。「えーっ、そうなの? あーしは聞いてないよ」クラウディアは不服そうな顔をしている。 その顔を見たラファエルがクラウディアを窘めている。 余に向かってなんたる態度だとは思うが、こうしている時間も鬱陶しい。 さっさと話を進めるか。「そのゾルダをお前ら二人で倒してこい」「あのゾルダ様を? あーしら二人で相手になる
最終更新日 : 2025-10-19 続きを読む