シルフィーネ村の騒動が落ち着いた翌日――俺たちは次の目的地へ向かって出発した。シルフィーネ村に着いて早々、フォルトナの愚痴から始まった。どうなることかと思ったが、雨降って地固まるかな。フォルトナも騒動で改めて自分の村が大事だということがわかったのかもしれない。それはそれでいいことだとは思う。「ようやく目的の東方の街ジョードへ迎えるのぅ」いつもと違い真面目な顔でゾルダが言う。「ようやくってさ…… 首都で時間かかったのはだいたいゾルダのせいなんだけど」ゾルダがそもそも武闘大会なんか国王に薦めるから、滞在が伸びたのだし。「そうだったかのぅ…… ワシは何もしておらんぞ。 のぅ、セバスチャン」俺から目を背けたゾルダはあくまでも白を切るつもりらしい。「お嬢様、その言い分は無理がございます」セバスチャンはゾルダの言うことばかり聞くものだと思っていたけど、言う時は言うようだ。「セ……セバスチャン! そんなことはないのじゃ」「いいえ。 厳しいかと。 素直に認めるときは認めないといけません」「うぬぅ……」セバスチャンに言われたゾルダは顔を膨らませていた。よく言ってくれた、セバスチャン!!「ところでアグリ殿。 どこかで速度を上げ、早々にジョードへ向かいたいのですが……」「俺も早く行けるならそうしたいけど、何か手があるの?」遅れた分を取り戻したいのはやまやまだけど、転移とか使えないし難しいと思っていた。「少しお時間をいただければと…… 何かいい手がないか考えさせていただきます」そういうとセバスチャンは俯きながら考え始めた。俺が浮遊魔法使えれば、道なりじゃなくても行けるのだ
 Last Updated : 2025-09-29
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