Lahat ng Kabanata ng 人生の続きは異世界で~交換スキルの代償は金銭NG!?~: Kabanata 121 - Kabanata 130

152 Kabanata

第120話 新しい装備のお披露目

カランダルさんの作業完了までの数日間は冒険者ギルドで簡単なクエストを受けたり、例の広場でフリーマーケットに参加したりして過ごした。 そして、四日後にカランダルさんから特性付与が終わったと連絡が来たので、俺達は早速カランダルさんの鍛冶屋にやってきた。「いらっしゃい。早速来てくれたんだね。楽しみにしてくれていたようでこっちも嬉しいよ」 「もちろんです。出来上がるのを心待ちにしていましたから」 「防具までお願いしてしまったのにかなり早かったですね」 「あぁ、黒切を仕上げたことで何か閃きを得たような感じでね。自分でも驚くくらいスムーズに特性付与が進められたんだ。調子に乗ってしまったおかげで少し寝不足だけど」そういうカランダルさんはよく見ると目の下にうっすらと隈ができていた。 しかし、その表情は満足げだ。「俺達の為に、そこまでして頂いてすみません」 「いやいや、こっちも楽しくなってしまって勝手にやったようなものだか気にしないで下さい。さて、お待ちかねの品はこちらになります。どうぞ」そうして後ろの棚から俺達の武器、防具をカウンターに並べた。 俺は早速久しぶりの魔銃を手に取ってみる。「・・・ん~?持っただけだとあんまり違いは分からないですね」 「前にも言ったけれど能力向上は補助程度だからね。流石に持っただけで実感するほどの効果を得るのは難しいよ。走ったり、敵と戦ってみれば感覚の違いが分かるんじゃないかな」なるほど。言われてみればその通りだ。 隣を見るとカサネさんは水の玉をいくつか浮かべて効果を確認していた。 俺も試してみたいところだけど、ライトは迷惑になりそうだしな。あとの楽しみにとっておこう。「カランダルさん、本当にありがとうございました」 「ありがとうございました」 「お役に立てて何よりだよ。それでだけど、一つ、いや二つお願いがあるんだけど良ければ聞いてくれるかな?」 「なんでしょうか?」 「とりあえずはこの後ヤミネラの店まで行くことになると思うんだけど、その後できれば君達にもサムール村まで来て欲しい、というより馬車に僕も
last updateHuling Na-update : 2025-06-19
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第121話 カランダルの懸念

日も暮れて野営の準備を始めた頃、ようやくカランダルさんが目を覚まして起きてきた。「ふわぁ・・・もう夜なんですね。だいぶ眠ってしまいましたか」 「おはようございます。って言って良いのか時間的には困りますけど、ゆっくり休めましたか?」 「えぇ。お蔭さまでだいぶすっきりしました。あ、野営の準備手伝います」 「いえ、起きたばかりですしもう少しゆっくりしていて下さい。準備ももうすぐ終わりますから」 「そうですか?では、お言葉に甘えさせて頂きますか」そういうとカランダルさんは近くに腰かけてのんびりと空を見上げた。 今日は満月だ。柔らかな明かりで照らされ周囲も比較的明るい。「あ、起きられたんですね。おはようございます」そこに薪拾いに行っていたカサネさんが戻ってきた。「えぇ、ゆっくり休ませて頂きました。そういえば装備の方は試されましたか? できれば感触など聞いておきたいのですが」職人としては自分の仕事の成果は気になるものなのだろう。 俺達は昼間の戦闘で感じたことをカランダルさんに伝えた。「そうですか。ちゃんとお役に立てたようで何よりです。明日からは私も勘を取り戻すためにも戦闘に参加しますね。まぁ向こうに着くころにはコクテンシンの件は終わっていそうですけれど」 「そういえばカランダルさん達はAランクパーティなんですよね?ハクシンさんは戦っているところを見せて貰ったことがあるんですけど、ヤミネラさんとカランダルさんはどんな戦闘スタイルなんですか?」 「ヤミネラはクロスボウを使ったサポートタイプだね。流石にスキルまで勝手には話せないけど、それも含めてと考えて貰えばいいよ。私はカサネさんと同じ魔導士だよ。主に火属性と闇属性を得意としてる」前衛一人、中衛一人、後衛一人って感じか。三人パーティとしてはバランスがよさそうだ。「以前にコクテンシンと戦った時にはもう一人、回復や補助を得意とするメンバーが居たんだけどね・・・その時の怪我がもとで引退してしまったんだ。 時々手紙でやり取りする限りでは、今は地元で元気にしているみたいだけどね」カ
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第122話 メイル大森林

翌朝から再びフォレストサイドへ旅を続け、三日程度で到着した。 道中魔物や獣との戦闘が幾度かあったが、カランダルさんもやはり強かった。 Aランク冒険者は伊達ではないということだ。 ちなみに、俺もこちらの大陸で戦っている間に能力のレベルがいくつか上がっていた。少し前まで交換で他人から貰ったスキルは成長しないのか?と考えて不安になっていた時期もあったので一安心だ。 今の能力はこのようになっている。-------------------------------- 魔法:ライトニングLv4、ディグLv2、ライトLv4スキル:斬撃耐性Lv2、罠察知Lv5、罠外しLv4、索敵Lv2、スラッシュLv2 --------------------------------スラッシュは試してみたことはあるのだが、流石に魔銃で発動させることはできなかった。魔銃がメインの現状だと上げるのは難しいと思っている。 罠察知、罠外しは元々のレベルが高かった上にダンジョンでないと使用する機会がほとんどないため、これもしばらくはそのままだろう。街に入り、ヤミネラさんの鍛冶屋の前までやってくるとカランダルさんが鍵を開けて扉を開けてくれた。「あ~やっぱりですか。これじゃお客さんが来てもろくに商品を見ることもできないじゃないですか・・・」店の中は以前見た時とほとんど変わりなかった。 カランダルさんは身近なところから整理し始めていた。「あ、店内を好きに見て貰って気に入ったものがあれば教えて下さい。よほどのものでなければ黒真鉄の代金内に収まると思いますから」そう言いながら整理の作業に戻っていった。勝手にあんなに動かしたら怒られそうな気がしたのだが、止めても無駄だろうなと思い口にするのは止めておいた。 その後店内を二人で見て回り、カサネさんは小型のクロスボウと矢を、俺はいくつかの属性ナイフを選んだ。 カサネさんは元々複数属性を扱えるため遠距離物理攻撃手段の確保、俺は近距離で相性の良い攻撃手段の確保という訳だ。 カランダルさんに見て貰い問題ないということで、
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第123話 大樹の首飾り

その後、食事を終えた俺達はメイル大森林へやってきた。 聞いていた通り森の獣達の中にはそれなりに危険なものも居たが、装備を更新したこともあり苦戦するほどのものではなかった。 そうして深い森を進んでいくと、そのうち辺りの木々が子供に見えるほどの大樹がその姿を現した。 それは思わず圧倒されるような佇まいだった。幹の太さは優に人の十倍以上もあり、樹の天辺は枝葉に隠れて見えない。いったいどのように育てばこのような大樹になるのだろうか? 俺が樹の天辺を見つめてそんなことを考えていると、足元から聞き覚えの無い声が聞こえてきた。「あんた、良ければ買っていかんかね?」驚いて声のした方を見ると、そこにはローブを身に纏った小柄な老婆が木製と思われる首飾りをこちらに向けて差し出していた。 驚いたのは突然声を掛けられたから、ではない。声を掛けられる直前まで索敵スキルに反応がなかったのである。他の皆も同様らしく、驚きながらも警戒した様子でその老婆を見ていた。「あんたいったい何者だ?」 「そんなに警戒せんでもよかろうに、私はただの物売りじゃよ。それよりどうするね?」答える気はないらしい。とはいえ敵対する様子でもない相手にいつまでも気を張っていても仕方ないだろう。それよりは気になっていることを聞くことにした。「何で俺なんだ?それに物売りという割に商品はそれしかないみたいだけど」 「アンタらにはこれが必要となる気がしたから。それだけじゃよ。アンタに声を掛けたのは・・・まぁ、偶々じゃ」返ってきた答えもよく分からないものだった。というか半分は答えになっていない。とはいえ、ここまで言われると気にはなってしまう。その首飾りの中央には緑色の宝石の様なものが嵌められていた。 この老婆から悪意を感じなかった俺は、交換して貰うために手持ちのものからいくつかの商品を取り出した。「この商品のいずれかと物々交換でも構わないか?」 「ふむ。・・・ほぉ、この木彫り細工はこの辺では見ないものじゃ。これを貰おうかの」彼女が選んだのはリブネントで仕入れた木彫り細工の一つだった。
last updateHuling Na-update : 2025-06-22
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第124話 予想外の再会と対策会議(前編)

不思議な老婆との取引を終えて、元々の目的だった大樹も見ることができた俺達はメイル大森林を抜けてサムール村への旅を再開した。 しかし、メイル大森林を離れてしばらく経っても、俺はなんとなくもやもやしたものを抱えていた。「まだあのお婆さんのことが気になってるんですか?」例の首飾りを眺めながらぼ~っとしていた俺にカサネさんがそう声を掛けてきた。「う~ん。まぁそれもだけどこの首飾りもな。俺達に必要になるって言ってたけどどういうことなんだろう?」 「先ほど見せて貰いましたけど、パッと分かるような特別な力があるようでもなさそうでしたし、今考えても分かりそうにはないですね」 「やっぱりそうだよなぁ」カランダルさんにも見て貰ったが同じような感じだった。 カサネさんの言う通り、今考えても答えは出ないだろう。ただ、あの老婆の言葉が気になった俺はマジックバッグに仕舞う気にもならず、袋に入れて腰に下げておくことにした。首に掛けなかったのは見た目的に目立ち過ぎるからだ。その後は特に変わったこともなくユムリ港から再び船に乗り、二日掛けてヒシナリ港まで戻ってきた。「今回はクラーケン出ませんでしたね」 「あぁ。まぁあんなのが毎回出てきたら堪らないけどな」 『慣れたとはいえやっぱり船の揺れは嫌ね。陸の有難さを実感するわ』二回目で早くも船の揺れに慣れて酔いはしなかったロシェだが、港に到着するとそんな風に感想を漏らしていた。 まぁ人間も普段から船に乗っている者でなければ同じ様なものだ。 そんな感じで思いのほか早くレインディア大陸に戻ってきた俺達は、さらに数日を掛けてようやくサムール村へと到着した。 しかし、そこでは予想外の形で二人と再会することになった。「ハクシンさん!大丈夫ですか?」 「なんだ、アンタらも来てくれたのか。カランダルも久しぶりだな。この通りどうにか無事だよ。アイツに上手いことやられちまったがな」冒険者ギルドで話を聞いた時には、ハクシンさんがコクテンシンにやられたと聞いて慌てて診療所までやってきたのだが、どうやらそこまで酷い怪我ではなさそうだった
last updateHuling Na-update : 2025-06-23
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第125話 予想外の再会と対策会議(後編)

「あたいが来た時にはもうこの状態だったからね。幸か不幸かまだチャンスは残っているともいえる状態さね」 「黒切、ですか」 「あぁ、まだアイツは黒切の存在はしらない。ハクシン達の怪我が治ったら、今度こそこいつで仕留めてやるさ」 「でも、そのブレスのせいで近づくのも難しいんですよね?その対策は必要じゃないですか?」俺の発言に二人は難しい顔をする。もちろん二人も考えていなかったわけではないのだろう。その上で良い案は出ていない様だ。「昼間や森から連れ出すのは難しいんでしょうか?」 「アイツは人間を危険だと認識しているからな。自分が不利になる場所では決して戦おうとしねぇ。昼間は森の奥で身を潜めている。安易に追い詰めてこの周辺から離れられたら元も子もねぇ。それに怪我した俺達が何とか森を抜けだした時もあいつは深追いしてこなかったくらいだ。おびき寄せるのも難しいだろうな」確かに。数年前の戦いでも命の危機を悟ったコクテンシンは冒険者達から逃げきったのだ。昼間に倒そうと追い詰めたら別の地域に移動してしまう可能性はないとは言い切れない。「それならいっそ倒さずに森を立ち入り禁止にして、コクテンシンが出てこないように警備だけ強化するというのは?」カサネさんが別の視点からそのように提案してみたが、それにもハクシンさんは否と答えた。「そうもいかねぇ。アイツは明らかに人間に恨みを持っている。これ以上力を付けたらいずれ必ず人間を襲うようになるだろう。そうなる前に倒すしかない。 ・・・昔、俺達が討伐依頼を受ける前ならその選択肢もあったかもしれんがな」 「仕方ないさ。あの時にはコクテンシンの危険性なんてアタイらにも分からなかったんだから」 「す、すみません。そんなつもりでは・・・」 「いや、悪ぃ。余計なことを言っちまったな」その場に僅かに気まずい空気が流れた。 切り替えるようにカランダルさんが対策の件に話題を戻した。「その話は一旦置いておこう。今はどうするかだよ。状況的に夜の森以外で戦うのは難しい。そして灯りなんかを置いても壊されて終わりだろう。魔力の明かりなら壊され
last updateHuling Na-update : 2025-06-24
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第126話 夜の森の戦い

あの後、サポート要員なども含め動ける者を集めて夜の森に向けて出発した。 ちなみにロシェのことは俺の従魔のレオシェードだと紹介している。 レオシェードというのはこの前図鑑で見つけたハイドキャットに似た種類の獣だ。 ハイドキャットを知っているものでなければ気付かれはしないだろう。 バレるリスクはあったが、この状況で強力な戦力を外したくはなかった。 森の外で待機していた冒険者の案内でしばらく進むと戦闘音と思われる音が聞こえてきた。既に戦っている人がいるらしい。「よし、俺達も行くぞ!」ハクシンさんがそう言って真っ先に向かっていった。 俺達も各自配置についてサポートの準備を始めた。 そうしてコクテンシンが他の冒険者から離れたタイミングで、ハクシンさんが黒切に手を掛け鍔音を鳴らした。 ハクシンさんが動くタイミングは予め伝えられていた。 そのタイミングに合わせて俺もライトをを発動させた。しかし――(は、早い!)俺が考えていたよりハクシンさんの動きは素早く、俺の放ったライトはかなり手前、ちょうどハクシンさんが通り過ぎようとしていた辺りを照らした。 その手に握る黒切がライトの明かりを受けてキラリと光る。 俺のミスを他所に他のメンバーが予想地点にライトを放ち、コクテンシンがハクシンに向けて放った漆黒のブレスの軌道が見えた。 ハクシンはそのブレスを躱すと、そのままコクテンシンに斬りかかった。 しかし、コクテンシンも直前にハクシンの持つ刀の違いに気づいたのか、それを受けない様に大きめの動作で回避した。(もしかして俺のせいで気づかれた?くそっ。何とか挽回しないと)咄嗟に魔銃の照準をコクテンシンに合わせる。コクテンシンはちょうど俺がライトで照らした辺りに着地しようとしていた。 引き金を引きライトニングの魔弾が放たれるのと、コクテンシンがこちらに振り向くのはほぼ同時だった。(しまっ・・・!?)後悔は遅く、コクテンシンは迫る魔弾を飛び上がって避けつつそのまま俺に向かって飛び掛かってきた。何とか回避を、と思ったがそれも遅く、既に目
last updateHuling Na-update : 2025-06-25
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第127話 決着の時

その後しばらくは膠着状態が続いた。コクテンシンはハクシンさんの刀が危険だと本能で察したらしく、ブレスでけん制して距離を取りながら戦っている。 他のメンバーも隙を狙って攻撃を仕掛けてはいるのだが、その殆どは躱され、当たったものも大したダメージは与えられず、逆に迂闊に攻撃して隙を見せてしまった者は反撃を受けて戦線離脱者も発生していた。 戦闘が長引くほどに人間側は疲労や魔力消費により、段々と不利に傾いて来ていた。コクテンシンも何度か攻撃は受けていたがその動きに陰りは見えない。 そして時間が経つほど先ほど保留にした俺の疑問がまた大きくなっていた。(あれ以降俺は全く狙われていない・・・それに俺と同じように隙を見せた他の人はしっかり反撃されて何かしらダメージを受けている。何が違うんだ?)あの時俺は叩きつけられた衝撃で抵抗もできなかった。 攻撃する隙は十分あったはず。だがアイツは俺には何もせずに飛び退いた。 気になって再度身体を確認していると腰に下げた袋に気が付く。(この首飾り、そういえばあの老婆は俺達に必要になるって言っていたな。俺を選んだのも偶々って話だった。)もしかしたら、何か関係があるのかもしれないと考えた俺は、魔銃をいつでも撃てるようにしつつも構えはせずにタイミングを見計った。 そしてコクテンシンが他の人達から距離を取ったタイミングで全速力でコクテンシンに向かって駆け出した。 コクテンシンはすぐさまこちらに気づくと、俺から離れるように飛び退った。(やっぱりだ。明らかに俺のことを避けている。恐らくこの首飾りに何かあるんだ。けど、俺じゃあいつの速さには追い付けない。。)現に今も近づこうとする度に距離を離されている。 とすれば、賭けにはなるが追いつける人に試して貰うしかない。 そう考え、急いでハクシンさんの方に向かう。幸いにも先ほどの俺とコクテンシンの追いかけっこに、周囲も不審な目を向けて足を止めていた。 ハクシンさんは急に自分の方に向かってきた俺に疑問を投げかけてきた。「お前、アイツに何したんだ?妙に避けられてた様だが」俺は首飾りの入った袋を外
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第128話 勝利の宴

コクテンシンはハクシンの一撃によって最後を迎えた。 止めを刺した後もしばらくはその場に留まっていたハクシンだったが、 周囲から勝ち鬨の声が上がりだすと、気持ちを切り替えるようにして振り向きその輪の中に混ざっていった。それを見ていた俺も終わったことを実感して安堵のため息を吐いた。「良かった。最初にミスした時は生きた心地がしなかったけど」 『お疲れ様。まぁ、結果的には一役買えたんじゃない?』 「どうなんだろうな。結局あの首飾りが何だったのかは分からないままだし。 ああやって倒せたんだから、何かしら効果はあったんだと思うけどさ」そんなことをロシェと話しているとカサネさんもこちらに合流してきた。「アキツグさん、お疲れ様です」 「あぁ、カサネさんもお疲れ様」 「最後、なんか変な様子でしたけれど何があったんですか?」 「俺もよく分からないけど、例の首飾りが決め手になったみたいだ」俺は自分でもよく分からないままに起きた事実だけをカサネさんに伝えた。「そんなことが・・・確かによく分からないですけど、あれを譲ってくれたお婆さんに感謝しないといけませんね」 「そうだな。にしても、あのお婆さんもいったい何者だったんだろうか」無事に解決してほっとはしたものの気になる謎は残ってしまった。 そんな俺を他所に向こうは随分と盛り上がっていて、ハクシンさんは胴上げまでされていた。 村まで戻ってくると、夜中だというのに早速祝杯が上げられ酒盛りが始まった。村の外でやっているのは村人に迷惑を掛けないための配慮のようだ。 たとえ魔物が襲ってきてもここに居るのは皆冒険者だ。ギルドの職員も交代で見張りに立ってくれているしそうそう問題は起きないだろう。 中には長時間戦闘の疲れからか一杯目で眠ってしまった者いるが、周囲の者は気にした様子もなく酒盛りを楽しんでいた。 何となく眠れなかった俺も人込みからは離れた場所でその光景を眺めていた。 そうして少しした頃、今回の主役であるハクシンさんがこちらにやってきた。「やっと解放されたぜ。若いもんは
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第129話 旅の再開とスキルブック

宴は明け方近くまで続いたが、終わる頃には殆どの人がその場で寝転がっていた。 ギルド職員がサービスで用意してくれた軽食で朝食を済ませて、一息ついていると、ハクシンさん達三人が旅支度を済ませてこちらにやってきた。「もう出発されるんですか?」 「あぁ、俺はともかく二人は店を空けて来ちまってるからな。あんまりのんびりもしてられねえんだ。まぁ、向こうに着けば温泉で一休みもできるしな」 「あたいは温泉もしばらくお預けになりそうだけどねぇ」そう言ってヤミネラは残念そうに肩を落とした。 そういえばそうか。もちろん休業前に必要なことは済ませてきたのだろうが、 店の再開を待っている客もいるだろう。特にヤミネラさんのお店は大変そうだ。「色々とありがとうございました。フォレストサイドのダンジョンにはいずれ挑戦したいと思っているので、その時はまたよろしくお願いします」 「礼を言うのはこっちの方さね。歓迎してやるからいつでもおいで」 「世話になったね。疲れた時はまたバーセルドまで来ると良いよ。私も歓迎するからね」 「ありがとうございます」 「それじゃ、そろそろ行くか。そっちも元気でな」 「はい。皆さんもお元気で」そうして各々別れの挨拶を告げると、ハクシンさん達はヒシナリ港に向けて旅立っていった。 俺達の方は、折角だからと少し休憩を取り、村で昼食を取ってからパーセルへ向けて出発した。しばらくのんびりと馬車で街道を進んでいるとカサネさんがあることに気づいて口を開いた。「前はパーセルからヒシナリ港に向かう途中で、確かこのあたりでコクテンシンに襲われたんですよね。・・・あの時は逃げるのが精いっぱいだったのに、まさかたったひと月で再び相対して倒される場面に居合わせるなんて思っても見ませんでした」 「ハクシンさん達が切り札を用意していたっていうのもあるけど、色々かみ合った結果だったな。どれか一つでも足りてなかったら結果は変わっていた気がする」 『私もちょっと不思議な気分よ。強い人間がいるのは分かっていたつもりだったけれど、あの怪物を人間達が倒したっていう事実がまだ少しピンと来ないもの。
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