Semua Bab 人生の続きは異世界で~交換スキルの代償は金銭NG!?~: Bab 111 - Bab 120

151 Bab

第110話 新魔法の試し撃ち(前編)

「アキツグさん、アキツグさん、起きて下さい!」まだ明け方くらいの時間に俺はカサネさんに揺すられながら起こされた。「う…ん、おはよう。なにかあったのか?」 「魔法、魔法ですよ!あの本を読んだら新しい魔法を覚えたんです!やっぱりスキルブックだったみたいで、読み終わると真っ白になっちゃいましたけど。。」 『おはよう。それじゃ、あとは任せたわ。おやすみなさい』カサネさんにしては珍しく興奮した様子で話しかけてきた。 まぁ特別な魔法を覚えられたのなら無理もないか。まだ起き抜けでテンションについていけてないけど。 そしてどうやら、先ほどまではロシェがカサネさんの話を聞いていたらしい。 俺が起きたのを確認すると馬車の荷台で丸くなって眠りについた。「おやすみ。そっか、覚えられたのか。それで?もう試してみたのか?」 「いえ、読み終わったのは少し前なのでまだ使ってはいません。シースザイルさんがわざわざあんな残し方をするだけあってかなり複雑な魔法みたいで」 「そうなのか。カサネさんが言うならよっぽどだな。なら、ここから少し離れたところで試したほうがいいか。人目にも付きたくないし林の中で少し空いてるところでどうだろ?」 「そうですね。早速試してきます!」 「いや、俺も付いて行くよ。何かあった時に一人だと危ないかもしれないし」 「あ、ありがとうございます」ぺこりとお辞儀しつつも、既に林に入ろうとしている。ほんとにテンションが高いなぁ。さっきの話からすると寝てないはずなんだけど、徹夜で逆にハイになってるのかもしれないな。 ふとそんな状態で魔法を使わないほうが良いんじゃないか?という考えが浮かんだが、説得しても今のカサネさんを止めるのはたぶん無理だろう。 一回失敗したら、それを理由に寝て貰おうと考えながらカサネさんの後を付いて行った。「この辺なら大丈夫そうですね。それじゃ、始めますね」 「あぁ。初めて使う魔法なんだし、慎重に威力抑え目でな」 「はい!・・・」カサネさんが詠唱を始める。普段は無詠唱で戦っていることが多いからこれも珍しい光景だ。・・
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-09
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第111話 新魔法の試し撃ち(後編)

テントにカサネさんを寝かせてから少し先ほどのことを思い返してみたが、 やはり何も分かりそうになかった。あの魔法についてはカサネさんが起きたら 聞いてみるしかないだろう。 一先ずはそう結論付けて朝食の準備をしていると、少しして二人が起きてきた。「二人ともおはよう。カサネさんは大丈夫か?」 『おはよう。あのあと何かあったの?』 「おはよう・・・ございます。っ!大丈夫とは言い難いですね。頭痛が酷いです。 魔法を発動させた以降の記憶がないんですけど、あのあとどうなりました?」やっぱり、魔法を発動させた瞬間に気を失っていたのか。 結果論になってしまうが、あの時無理にでも止めるべきだったな。「魔法は発動していたよ。突き出した手の先にあった竹の間に黒い球が現れて、次の瞬間には黒い球ごとそこにあった幹も消失してた」 「そうですか、、一応発動はしたんですね。制御しきれずに気を失ってしまったみたいですけど、大惨事にはならなかったみたいで良かったです」 「危険な魔法かもしれないと分かっていたんだし、万全の状態で使ったほうが良いんじゃないかと止めるべきだったよ。ごめん」謝る俺に対して、カサネさんは被りを振って返してきた。「いえ、精神状態もそうですけど、あの時の私はちょっと忠告されたくらいでは止まれなかったと思います。だから、あの結果は自業自得です。アキツグさんが謝ることじゃないですよ。こちらこそすみませんでした」そういってカサネさんは深々と頭を下げた。だいぶ参っている様子だ。「いやまぁ、あんな特別な魔法を覚えたら誰だって興奮するだろうし、早く 試してみたくなっても仕方ないさ。今回は大事にはならなかったわけだし、 お互い次回から気を付けるようにしよう」 「はい。ありがとうございます」 『反省して次回に行かせるなら良いんじゃない?その時寝ていた私は正直何とも言いづらいけれど』その後三人で朝食を取っている間もカサネさんは少し気落ちしていたが、 気を取り直したのか食べ終わる頃には一先ずいつもの様子に戻っていた。 落ち着
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-10
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第112話 カランダルと希少な鉱物

近くで野営をしていたこともあり、午前中にはバーセルドに着くことができた。 バーセルドは泉源都市とも呼ばれており、文字通り、街の内外を問わずあちこちに源泉が存在していた。そのためまさに温泉郷といった感じで、様々な泉質を売りにした温泉施設や温泉付きの宿泊施設が立ち並んでおり、街中には無料の足湯場まで作られている。フォレストサイドが近いためだろう、建物は木造建築のものが多くそれがまた和風の雰囲気を漂わせていた。「これはまた・・・なんていうか、初めてきたのになんか懐かしさを感じるな」 「ですよね。私も初めて来た時は同じような感想を持ちました」 『今まで立ち寄った街とはまた雰囲気が違うわね』思わずそのまま近くの温泉に入りに行きたくなったが、そこはぐっと我慢してまずは目的を果たすことにする。代わりに足湯場でのんびりしている人達に混ざりつつ、カランダルさんの鍛冶屋について聞き込みをすると目的の場所は簡単に教えて貰うことができた。 礼を言ってその人達と別れ、教えられた鍛冶屋の前までやってくると一人の男性が店の前で掃除をしていた。俺達が近づくとその男性もこちらに気づいた。「こんにちは。こちらにカランダルさんはいらっしゃいますか?」 「カランダルは私ですが。何か御用でしょうか?」 「ヤミネラさんから手紙と伝言を預かってきました」俺がそういうと、カランダルさんの表情が少し真剣なものに変わった気がした。「なるほど。こんな温泉街で私の店を訪れる人は珍しいので、どういった御用かと思ったのですが。とりあえず中へどうぞ」カランダルさんはそう言うと店の扉を開けて俺達を中へ招き入れた。 店の中はきれいに整理整頓されていた。数日前に見たヤミネラさんの店はもっとごちゃごちゃしていて雑多に物が置かれていたので、なおさら印象深かった。 それに店主のカランダルさんも口では言い表せないのだが、なんだか不思議な雰囲気を持った人物に見えた。「綺麗なお店ですね」 「そうですか?・・・あぁ、ヤミネラの店を見たんですね。あの子は片付けが苦手ですからねぇ。逆に私は片付いていないと落ち着かないもので、あの子とはよく言い合い
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-11
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第113話 特性付与師

「ま、まさか?!こ、これも黒真鉄だ。あれだけ探しても見つからなかったというのに・・・あなた達は一体?」 「えぇっと、まぁ色々ありまして。ともかくこれがあれば刀を鍛えることができるんですよね?」 「それはそうなんですが・・・もともと自分で見つけるつもりでしたので、あなた方からこれを買い取れるような資産を私は持ち合わせていないのです」言われて気づいた。正直俺から見ればあの本を見つけた時の副産物程度の認識だったのだが、希少品であるならば相応の価値で取引するのが当然ではある。 とはいえ、ハクシンさん、ヤミネラさんと繋がれてきたバトンの結果が完成しませんでしたとなって欲しくはない。さて、どうしたものか。。 カサネさんの方を見ても同じように困ったような視線が返ってくる。「それじゃぁ、支払いは一旦保留にして、刀ができてから考えるというのは?」 「・・・それは借金ということかい?確かに現状それを譲り受ける方法としてはそれくらいしかないかもしれない。しかし、返せる当てもないのに借金をするのはちょっとね。ヤミネラが信じた君達を信じないわけではないけれど」う~ん。まぁカランダルさんの言うことももっともだ。俺だって逆の立場だったら躊躇するだろう。でも、これもダメとなるともうタダで譲るくらいしか・・・「一つ確認したいのだけれど、そのような提案をしてくれるということは君達にとっては黒真鉄は条件次第で渡しても良いものという認識であっているかい?」 「そうですね。今のところ使い道もありませんし。カサネさんも良いよな?」 「はい。アキツグさんと同じですね」 「そうか・・・であれば、一つ提案があるんだけどそのためには私の秘密も話さなければならない。だから、これから話すことは口外しないと約束して欲しい」問われて俺とカサネさんは顔を見合わせた。この状況を変えられるのであれば是非聞きたいところである。二人でカランダルさんに頷いた。「分かりました。口外しないことを約束します」 「ありがとう。これは私の仕事にも関わることなんだけどね。ヤミネラが属性付与師なのは知っているだろう?それじゃ、ヤミネラが属性付与した刀に私は何をす
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-12
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第114話 バーセルドでの休日

カランダルさんに紹介して貰った宿屋で部屋を取った俺達は、さっそく温泉に入りに来た。観光地だけあってペット同伴で来る人も多いらしく、専用のエリアも用意されているため、ロシェも問題なく入れるようだった。 なおロシェにはカサネさんと一緒に女湯の方に行って貰っている。気にする必要もないとは思うが、まぁ気分的なものだ。 体を洗って温泉に入ると、温泉の温度もちょうどよく、蓄積された疲れがゆっくりと温泉に溶けていく様だった。「あ~やっぱりこれだよなぁ。景色も良いしカランダルさんがお勧めしてくれたのも納得だな」紹介された宿は街の端にあり、温泉からは周囲の山々が見渡せるようになっていた。温泉もいくつか種類があり、泉質も異なっているようだった。 前日の件で睡眠時間が少なかったのもあり、うっかり湯の中で寝てしまいそうになったが、何とか耐えて部屋まで戻ってきた。 少し休んでいると仲居さんが夕食を持ってきてくれた。それらも豪勢でどれも美味しいものだった。ただ、こんなところでもライアン果樹園の果物が出てくるのは流石というべきか。きっと提携しているということなのだろう。 そして、驚いたことに寝具に布団一式まで用意されていた。ここにも前の世界の住人が何か知ら関わっていたのかもしれないが、睡魔に負けた俺はそこまで考えることもなくその日は早々に眠りについたのだった。翌日、俺達は三人で温泉街を見て回ることにした。 昨日カランダルさんに聞いた話によると、ヤミネラさんと属性付与とカランダルさんの特性付与については素材さえ揃っていれば、付与自体はそれほど時間の掛かるものではないらしく、数日もあれば終わるだろうとの話だった。 なので、それまではこの温泉郷で骨休めというわけである。やはり観光地だけあって町並みは美しく、街の中央には温泉饅頭や温泉卵、湯豆腐など温泉街ならではといった食べ物や土産物屋が立ち並んでいる。各温泉を巡るスタンプラリーまであるようだ。街の奥は山道まで続いており、山中には秘湯のようなものまであるらしい。 一応冒険者ギルドや商人ギルド、武具や道具屋などもあるのだが、そのような店舗は街の一角に目立たない感じで存在していた。「なんか今まで
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-13
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第115話 面倒な相手

「コゲンジさん、お久しぶりですね」 「えぇ本当に、エレンジアである日から急に姿を見かけなくなったので、心配していたんですよ。今まではどちらに?」 「レインディア大陸の方に渡っていました。冒険者ですから、他の街に移るのも別に珍しいことではないですよ」 「それは…そうかもしれませんが、友人が急に居なくなったら寂しいじゃないですか。せめて一言教えてくだされば良かったのに」 「それはどうもすみません。少し急いでいたものですから」パッと見る限りでは知り合いが再会の会話を交わしているだけにも見えるが、 二人の温度差には明らかに違いがあった。カサネさんの口調も普段とは異なり硬いものだ。恐らくはこの人物が以前にカサネさんが言っていた面倒な人なのだろう。相手の様子からもこのままだと面倒な展開になりそうだ。ここは割って入るべきだろう。 俺は灯り石を購入すると、敢えて今の会話に気づいていなかった素振りでカサネさんに声を掛けた。「カサネさんお待たせ。石も良いのが買えたしそろそろ昼食にでもいこうか」 「あ、はい。コゲンジさんすみません、連れも戻ってきたので私はこれで」 「えっ!?ちょ、ちょっと待って下さい。連れってこの人がですか?カサネさん、ずっとソロで活動していて特定のパーティには参加していなかったのに」前までがそうだったとして、何でパーティを組んだくらいで問い質されなきゃならいないのだろうか。そんなことまで知っているのも含めて本当に面倒そうな人だ。「今まではパーティを組みたいと思う人が居なかっただけですよ。連れを待たせるのは悪いのでこれで失礼します。行きましょう、アキツグさん」そういうとカサネさんは俺の腕を掴んでさっさと歩きだした。腕を引かれた俺もその後に続いたが、振り返る前に一瞬目が合った彼は俺のことを憎々しげに睨みつけていた。 しばらく歩いて近くにコゲンジの気配がないことを確認した辺りで、カサネさんが一息ついてこちらに謝罪してきた。「さっきはすみませんでした。まさかこんなところで会うなんて。あの人が以前話していたコゲンジさんです」 「やっぱりか。知り合いみたいなのにあんな風に接してたか
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-14
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第116話 誘拐

昼食を終えて少しゆっくりした後は、再び街中を適当に散策していた。 すると町の一角に市場のような場所があった。 近くの人に尋ねてみると、ここはフリーマーケットとして開放されている広場で誰でも自由に取引ができるようになっているようだ。冷やかしや珍品目当てなど目的は様々だが、観光客も多く結構な人で賑わっていた。 商人としては、こんな光景を見てしまうとどうしても気になってしまう。 一通り見て回ったところで俺は二人に断りを入れて、自分も露店を開くことにした。「せっかくの骨休めでしたのに。でも、やっぱりアキツグさんはそういう姿が似合いますね」 『最近は色々あったけれど、やっぱり根は商人ってことよね』 「そ、そうか?まぁなんだかんだで歴は長いからな。二人は気にせず楽しんできてくれ」 「分かりました。ロシェさん行きましょうか」 『えぇ。アキツグ、さっきも言ったけど一応気を付けてね』 「あぁ、分かってるよ。そっちもな」取引を終えて宿に戻ろうとしたところで、違和感に気づいた。 ロシェの気配がしばらく前からずっと同じところに留まっているのだ。 少しくらいなら景色を眺めていたり、軽食を摂っていたりということもあるだろうが、そう考えるには時間が経ち過ぎていた。 気になった俺はロシェの気配の方へ向かうことにした。 気配を追っていくと辿り着いたのは建物の隙間にできた小道の様な場所だった。 ロシェの気配は、未だにその十字路になっているあたりに留まっている。近づいてもこちらに気づく様子もなく、近くにカサネさんの姿もなかった。(おいおい。嘘だろ?あの二人も警戒はしていたはずなのに、一体何があったんだ?)一応俺は警戒しながらロシェに近づいて行った。当たりに人の気配はなかったが、二人に何かをした存在がまだ隠れている可能性もあったからだ。 しかし、そんな警戒も空しく何事もなくロシェの側まで行くことができた。 ロシェは姿隠状態のまま気を失っているようだった。揺り起こすと少しして目を覚ました。『う、くっ、ここ・・・は?』 「大丈夫か?何があったんだ?」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-15
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第117話 救出

中に居るのは四人、外の一人を合わせて五人か。相手の強さは分からないが、少なくともコゲンジは冒険者という話だった。いくら気付かれずに近づけるといっても一人倒されれば相手も警戒するし、俺のことを感付かれてカサネさんを人質にされたら手が出せなくなる。どうする? 考え込んでいた俺にロシェが話しかけてきた。『アキツグ、敵の気を引いてくれる?その間に私が忍び込むわ』ロシェの案を聞いた俺は頷くと小屋の正面に戻ってきた。 そしてまずは、こちらに気づいていない見張りの男に正面からライトニングの魔弾を撃ち込んだ。「がっ!」男は撃たれたことに気づく間もなくドサッとその場に倒れた。 すかさず俺は影呼びの鈴を鳴らしゴブリンロードを呼び出すと、扉から突入して攻撃は控えめで敵の目を引き付けるように指示を出し、俺自身は窓から中が見えるところまで戻った。「おい、何か・・・え?な、なんだこいつ!?」 「魔物の襲撃?だが、こんなやつ見たことないぞ!?」外の様子を確認に来た男がゴブリンロードに気づいたらしい。そのタイミングで俺は窓から見える男達に向かって残りの弾を連射した。 魔弾は「ガシャンッ!」という派手な音と共に窓ガラスを突き破り、男の一人には当たったが、コゲンジには咄嗟に回避された。「裏にもいるぞ!いったい何なんだ!?」突然のことに慌てながらも、残った男たちは物陰に隠れた。 俺は男達へけん制しながら、時折なるべく派手な音を立てるように残ったガラス窓を撃って、相手の注意を正面と窓側に引きつけるようにした。 そうして少しの間膠着状態が続いたところで、ゴブリンロードと対していた男が驚きの声を上げる。「き、消えた!?」 『カサネ、今よ!』 「エアストーム!」 「!?」突如小屋の中で嵐が吹き荒れた。眠らせた上で口を塞ぎ手足まで縛っていたカサネのことは完全に警戒の外にあった男達は、小屋の中心で発生した嵐に対応できずになすすべもなく壁に叩きつけられた。「な、何故・・・?」いつの間にか猿轡や手足の拘束を解いて起き上がるカサ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-16
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第118話 黒切

街まで戻ってきて衛兵にコゲンジを引き渡して事の次第を説明すると、衛兵達は急いで山中に向かっていった。あとで聞いたところによると、街への観光客が時々行方不明になる事件が起きていたらしい。しかし、いつ居なくなったかは分からず、バーセルドから帰る途中で魔物に襲われたのかもしれないということで調査は難航していたらしい。 ここは観光地で人の往来はかなり多い。そんな中で誰かが居なくなったとしてもどこで居なくなったのかを特定するのは難しいのだろう。「私がもっと早く気づいていれば・・・」 「あいつが本性を隠すのが上手かったってことだろう。少なくともカサネさんが責任を感じることじゃない」 「そう・・・ですね。アキツグさんありがとうございます」 「礼を言われるようなことじゃないけど、どういたしまして」 「いえ、今の話もですけど助けて頂きましたから」そう言ってカサネさんは丁寧に頭を下げた。 小屋でのことを言っているのはすぐに分かった。「それこそ仲間を助けるのなんて当たり前のことじゃないか」 『そうね。それにカサネの拘束を解いたのは私なんだけど?』 「も、もちろんロシェさんもです。ありがとうございます」 『冗談よ。それに私は一回失敗しているしね。あの時はごめんなさい』 「それはお互い様ですよ。まさか街中にあんな仕掛けがされてるなんて、私も思っても見ませんでした」確かに。人通りが少ないとはいえ街中で催眠ガスのトラップを仕掛けるなんて 大胆すぎる。地の利が向こうにあったからこそ先回りできたのだろう。 これは後日コゲンジ達を尋問して分かったことだが、やつらは眠らせたカサネさんを布袋に入れて擬装用の荷物と一緒に荷車であの小屋まで運んだらしい。 眠らせた後のことまでしっかり手はずを整えていた訳だ。 会ったのはその日の午前中だったというのに手際が良すぎる。恐らくは以前から同じような方法を使っていたのだろう。「骨休めするつもりがまたトラブルに巻き込まれてしまったな。でも、コゲンジも捕まって不安の種も解消されたし、今日は温泉に入ってゆっくり休もうか」 「そう
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-17
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第119話 特性付与の注文伺い

「さて、特性付与について君達からご希望はあるかな?」 「いえその、まず特性付与でどんなことができるかも分かってなくて」 「なるほど。そういえばそうか。では、まずはそこから話そうか」 「すみませんがお願いします」 「といっても、難しい話はしないから気楽に聞いてくれれば良いよ。 特性付与っていうのは名前の通り武器に特有の性質を持たせることだ。 武器種によって相性や無意味になるものもあるけど、それは気になるものがあれば個々に説明しよう。今、私ができるのはこのくらいだね」そう言うとカランダルさんはカウンターの下から数枚の紙束を取り出して、 それを俺達の前に広げた。-------------------- 特性付与一覧表 ・威力強化(小、中、大) ・種族特攻(獣、鬼、竜、・・・)    ※特化特性 ・武器破壊              ※特化特性 ・弾速強化 ・射程強化 ・魔力消費軽減(小、中、大) ・重量変化(軽、重) ・耐久性強化 ・耐性強化(斬撃、刺突、投射、・・・) ※特化特性 ・特殊耐性(毒、麻痺、火傷、・・・)  ※特化特性 ・能力向上(力、魔、速、・・・) --------------------なるほど。この弾速強化や射程強化っていうのは、遠距離武器用なんだろうな ・・・いや、ゴブリンロードの剣のように衝撃波を放つことができるものの場合、それも対象になるんだろうか?・・・今持っているわけじゃないし、そこは気にしなくてもいいか。 他に気になるのは・・・「この特化特性っていうのは?」 「属性付与と似たようなものだよ。例えば獣特攻を付与した場合、それ以外の種族には威力が下がってしまう。武器の性質をその種族に対して相性が良いものに変化させてしまうからね。耐性系も同じように考えて貰えばいい」そういうことか。であれば候補からは外していいかな。俺達は特定の相手と戦うわけじゃないし、汎用性の方が重要だろう。 そうなると分かり易いのは威力強化だろうか?
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-18
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