しばらくするとミアとゴドウェンさんが部屋に戻ってきた。「ただいま~って自分の部屋で言うのも変な気分ね。ともあれお父様からしっかり許可を貰ってきたわよ。他言無用の誓約書は書いて貰うことになるけどね」開口一番、どうだ!と言わんばかりの笑顔でミアがそう言った。 後ろ手はゴドウェンさんが苦笑を浮かべている。「ミア、ありがとう。簡単には許可して貰えないだろうと思っていたから、本当に助かったよ」 「うんうん。感謝してね。お父様を説得するの頑張ったんだから!」 「ミアさん、本当にありがとうございます」王家の秘密に関することなのだ。実際説得は大変だったのだろう。 ゴドウェンさんが苦笑いしていることからも、かなり無理を通したのであろうことが伺えた。「そういえば、ゴドウェンからも戦闘面は問題ないって聞いたけれど、そっちの模擬戦はどんな感じだったの?」 「一応引き分けみたいな形だったけど、実質負けみたいなものだったな。手加減されていたっぽいし」 「私も負けちゃいました。やっぱり魔法の使い方が上手かったですね」 「ゴドウェンったらうちでも優秀な人を試験官に選んだみたいだから、まともに戦えたのならそれだけで十分凄いと思うわよ?」そりゃ王城を守護している兵士だからな。模擬戦とはいえ向こうもそうそう負けるわけにはいかなかっただろう。「ともあれ、これで明日からダンジョン攻略に挑めるわね。ゴドウェン、うちの兵は何人くらいの予定なの?」 「あのダンジョンはそれほど広くはありませんからな。上層は私と罠師が一名、あとは伝令を兼ねたサポートが三名程度ですかな。下層になると安全確保の為にもう少し人を増やすことになるでしょうが」 「ダンジョンは全部で何階層くらいなのですか?」 「三十階層です。ただ姫様を長期間ダンジョンに滞在させるわけにはいかないので、何度か潜り直すことになります。お二人も姫様の護衛という形で許可を得ているので、申し訳ありませんがお付き合いをお願いします」 「私は気にしないって言ってるのにゴドウェンがうるさいのよね」ゴドウェンさんの説明にミアはやれやれとい
Last Updated : 2025-07-09 Read more