Home / ラノベ / 憧れに手を伸ばせ / Chapter 171 - Chapter 180

All Chapters of 憧れに手を伸ばせ: Chapter 171 - Chapter 180

183 Chapters

#148

「させと、とりあえず二曲目いこうと思うんだけど……みんなの準備はいお?」——なずん!——何がイオ〇ズンやねん——唐突に爆発せんでもろて   「それはホントにごめん誤字った。あとわざわざ治すの面倒くさくってそのままストーリのネタにしちゃえ的な?で、二曲目のタイトルはねぇ——名称未設定。」 この場にいる全員がこう思ったことだろう。あ、ついにこいつ名前考えるのサボったなと。いやね?サボったかサボってないかで言えばたしかに私さサボったよ。でも言い分は聞いて欲しい。元が冥ちゃんのために書き下ろした歌詞な以上それに合わせたタイトルをつけるとしたらどうしても冥ちゃん要素が入っちゃう。かと言って私が冥ちゃんのキャラデザを担当しているのはまだ社外秘。つまり私は冥ちゃんと結び付かないタイトルを上手く考えなければいけなかった。「ね?こんな名前になるのもしょうがないでしょ?」——いや何がだよ……——とりあえず一応試しにいい名前ないか考えたけどいいの思いつかなくてぶん投げたのはわかった——にしたってなんでファイル名そのまんまにするし……「めんどくさいとかそんなちゃちな理由じゃないんだよ?ただ、私が下手に名前をつけるよりありのままの名前の方が魅力的……もといマシなんじゃないかと考えた次第でして……はい。断じて名前つけをサボって楽してやろうとは思ってない。」 これはマジ。考えれば考えるほどなまじ冥ちゃんという女の子を知っていてそれに合わせて歌詞を書いたぶんどうしてもそっちに引っ張られてしまうんだ。これが彼女のオリ曲として正式採用された方ならむしろ好都合だったんだけどこれは不採用になった方。だからこれは彼女の曲ではないものとして処理しなければいけない。となると私に思い付く範囲だと無理だったのだ。とまぁそんな裏事情をリスナーに話すわけにはいかないので……「みんなにはこの曲の名前を考えてもらいたい!もちろんタダでとは言わない。私が見た中でこれだ!って思えるタイトルを考えた人には私がアイコン描きます!ほら!やる気出たでしょ?ね?ね?」——やっぱりめんどくさくなってリスナーに投げたんじゃ……——YURAちゃんの曲のタイトルに自分が考えたの採用されるかもとかもうそれだけでご褒美では!?——なにそれ詳しく!期限とか!——あぁ、YURAちゃんの思うがままにみんな転がされとる。
Read more

#149

「……っと!みんな、私の名称未設定はどうだった?」——めっちゃいい曲だったのに名称未設定なのなwww——1曲目、(仮)はついてるけどタイトルあるだけまし4だったのか……——ほんと、後で頑張って考えよ……「名称未設定じゃなくしたければもっとしっくりくる名前考えることだよ!私的にもちょっと名称未設定はどうなん?って思いはあるからね。とはいえ私のネーミングセンスじゃいいの思いつかないからね!そういうわけで頼んだよ!みんな!」 ——私のネーミングセンスじゃいいの思いつかないからね!じゃねぇよ!——全力人任せ(2回目)で草——でもまぁ人間だし苦手分野くらいあるよね……—— にしても名前つけんの苦手過ぎやろがい!——自信満々に言えば誤魔化せると思うなよ!いやまぁタイトルは考えるけども!アイコン描いてもらいたいし!「あのさ、一人くらい曲の感想の話をしてくれないかな。」——あ、うん良かったと思う。思うんだけど今俺ら名前考えるのに脳のリソース割いてるからさ。——普段からあぁいうキャラ感を出して欲しいくらい清楚で素敵な女の子だったわ。まぁ無理だろうけど——なんつうかこれ聞いたあとで改めて思うんだけどさ、YURAちゃんって残念美少女なのな。聞けば聞くほど残念。——何を今更……——今更とは思うけどね?でもさ、歌枠の度に思うんよ。残念な子だなぁ……って  「ぴえん。なんで残念扱いされなきゃいけないんだよ……こんなにプリティでキュートなのに!褒めろよ!もっと褒めろよ!」——ぴえんってお前何年前だと思ってんねん!——今ググッてきたんだけどさ、あれ8年前なのな……——うっそだろおい……——そりゃ俺も老けるわけだ——チクショー!ど、どうなってるんだ!あれが8年前だと!?——ねえなんで一言一句同じ反応できるんお前ら……ちょっと怖いんだけど……「8年前とは言ってもさ、まだまだ現役だと思う……よ?まだギリギリ死語とは言えないんじゃないかな。」——オジサン的にはちょっと前なのにギリギリ死語じゃない程度……グスン……「|な、泣かないでよ!ほら、そろそろ次の曲いくから元気出して!《めんどくさいなこのおっさん……》」——漏れてる!本音漏れてる!追い打ちはやめてあげてよ!
Read more

#150

「なんでだろう……すごい疲れたね。あとあれね?曲名募集は今日歌った全曲分だから……あれ?何曲分だっけか。まぁそれはあとで確認するとして、それぞれ募集して選ばれた曲名を考えた人に私の描いたアイコンがプレゼントされる形になる……んだけどさ、ちょっと歌いすぎたよねwww」——よく考えなくても多いよね——そろそろキリいい曲数だし終わるかな〜みたいなタイミングを数回通り過ぎたもん——耐久配信かなって思って何回か枠のタイトル見直したもんね「いや〜まーじで歌いすぎたな。私この後アイコン何個描くんだろ……。ま、まぁそこはいつも配信見てくれてるみんなへの恩返しだと思って頑張るよ……うん。だからみんなも奮ってご参加くださいな!というわけでー!あの曲たちが正式リリースされるかは君たちのネーミングセンスにかかっている!なんか〆っぽいこと言ったけど、ついでにお知らせを一つ。」——お知らせだーひゃっほーい!「前々から匂わせてはいた重大発表のうち一つのお披露目が近々できそうなのでね、皆さん是非是非楽しみにしていただけたらなと思っておりまーすっと!まーじで重大発表だからね?」 あ、ハードル上げすぎた。おそらく見ているであろう一般通過リスナー兼娘ちゃんこと冥ちゃんが緊張しちまうぜ!大丈夫かな、裏で死にかけてないかな。いやでもさすがに大丈……ばないわ。なんか通知きてるもんwww「やっぱごめんハードル上げすぎたかもしれない。ハードル上げすぎると当日の反応怖くてお腹痛くなっちゃうかもしれないからね。ほどほどに期待しといてもらえればと思います。」 ハードル上げすぎるとまじで冥ちゃんが吐く。吐きそうとかじゃなく百パー吐く。なんせ彼女には前科がある。二度あることは三度あると言うけど一度あったら二度目あるからね。「詳しくは言えないんだけどね、ほんともうちょっとしたら日時とか言えるから待ってて。あのほんとに私に聞かれても何も話せることないからさ。さすがの私とてそこら辺の分別はあるつもりだよ?さすがの私とてとか自分で言ってて悲しくなってくるわ。私がポロリしちゃうと色んな人に迷惑をかけちゃうからね。もうお説教されるのは懲り懲りだよ……。」
Read more

#151

「うだ〜うだうだ〜やることやりきったあとの解放感は最高だぜ〜。冥ちゃんはなんか大変そうだぜ〜。もう私は適当に配信つけてリレーっぽくこの後うちの子のデビュー配信あるからみんなみってね〜っていうだけの簡単なお仕事だぜ〜っと!そろそろ起きるかな。」 ほんっとうに特にやることはないんだけどにゃあ。誘導のために配信するって言っても内容自体はいたって普通の配信だしさぁー私が気合い入れてやると緊張で吐いちゃうからあの子。ふつーにいつも通り配信するとなるとさー準備がほんとにない。吐かないにしてもミュートか畳くらいはやるだろあの子なら。これが信頼関係か、嫌すぎる。Q.というわけで冥ちゃん今の気持ちは?A.いや〜なんというかスッキリしました!Q.その心は?A.出すもん出したんで!ちょっと喉がイガイガしますけどね!Q.それでは最後にデビュー配信に向けた意気込みをどうぞ!A.ウジ虫はウジ虫なりに頑張ります。せっかくYURAちゃんからこんなに可愛いお姿を仕立ててもらったのでそれに泥を塗らないように精一杯頑張らせていただきます!まだ自分のことは信じられないですけど、大丈夫って言ってくれた皆さんの言葉を信じて胸を張って堂々と画面の前に立ちます!ちょっと待ってください。気合入れすぎて吐き気が……ウッ……(規制音)。 まぁ、そんなわけで冥ちゃんも気合十分みたいだからね。私も陰ながら応援する所存だよ。いや、むしろ陰から顔を出して応援するぜい!お祝いだしケーキ買ってこようかな。前祝い的な?今食べたいからね。デビュー配信終わったらその時はまたもう一個ケーキ食べればいいしね。「よーし!ケーキを買いにコンビニまでレッツゴー!時代はショートケーキだぜ!なかったらなかった時!ケーキは良いぞ!幸せな気持ちになれるからね!デビュー配信終わりにオンラインで反省会兼打ち上げする予定だけど、まぁ私くらいの年齢ならちょっとケーキ食べ過ぎたらくらいで太らないからノーダメ!ケーキ♪ケーキ♪」 ケーキを食べたらひと休みがてら仮眠だね。なんせ夜更かしする予定だから万が一寝落ちしてまた冥ちゃんに寝息を録音されてしまったらさすがの私もちゃんと対処せざるを得なくなるからね。前回みたいに無かったことにはできないからホントに気をつけなきゃ……。って言って仮眠してそのまま配信寝坊したりしてね。なーんて、そんなあからさまなフ
Read more

#152

——まーだかなー〇〇 〇〇@ウンベナント所属 とある方……というか冥ちゃんのママ絵師さんからのリークなんですけど、緊張してゲロったそうです。なお本人は「出すもの出してスッキリした。喉が少しイガイガするが頑張る。」と話しており、直後の「気合い入れたらまた気持ち悪くなってきた」という発言から目を逸らせば配信に支障はないだろうとのこと。以上、関係者からの密告でした。——クソワロタwww——すごいダメそう——強く生きて……〇〇 〇〇@ウンベナント所属 またまたママ絵師さんからのリークでーす。えーっとなになに〜?私は君のママ絵師であって君のママじゃない。だから体調不良の報告はマネージャーさんに言うように。マネージャーさんに連絡いれながら思ったもん。あれ?「私ただのイラストレーターだよな?」って……。年上の威厳とまでは言わないし、年上の冥さんに頼りたい訳でもない。ただ、もう少し頑張って欲しい。とのことです。冥ちゃん、年下の女の子に頼り出したらいよいよだよ……。——冥ちゃんの株が大暴落ですね。初配信が楽しみだね!——いやーこの子はきっと大物になるね!(棒)——てかあれなのな、ママ絵師さん冥ちゃんより年下なんだね。——ん?なんかどっかのイラストレーター兼VTuberが頭をよぎ……——え?誰?——まっさかー!さすがにあの子じゃないでしょ。いやだってさすがにあの歳の子相手にこれは情なさ過ぎるし——幼女にバブみを求めるとかあるわけな……なんかいたな一人。YURA——むふふっ——おっと、こんなところに野生の幼女が……——え?ま?冥ちゃん、嘘だろ!?いや、まぁ話してるところ見たこともないけどさ!——そんな……そんな子だったなんて…… あぁ〜やーばい!どうしようマジで死にそう。 良いなぁ楽しそうだなぁ。酷いよYURAママ!仲間外れにするなんてさ!私もそっち側の立場ならやってただろうけど!そんな仮定は一旦脇に置いておいてだなぁ!とりあえずずるいのと、吐きそうなのだけわかってもらえれば嬉しいですね。はい。 とはいえそろそろ配信を始めなきゃいけない時間になりつつある今この瞬間。私にも配信を始める意思はある。ただ、それでも私がクリックするのを躊躇って右手に余計な力を入れつつマウスポインターを配信開始ボタンに添えるだけ(バスケかいな!)しているのには理由がある
Read more

#153

「そうだよ女性配信者として死んでこいと言ってんだよ!」「な、なんてこと言うんですかぁ!」 気持ちは分かる。気持ちが分かるからこそここは……あえて強引に押し通る!「しょうがないだろ!冥ちゃん、もう君はとっくにゲロイン扱いなんだよ!」「やめてよ!そんなこと言わないでよ!今必死に現実から目を逸らしてたんだから!お情けでもここから入れる保険があるって言ってよ!慰めてよ!」 ごめんね冥ちゃん。あれは、どっからどう見ても、ゲロインだったのよ。SNSの人気タグでも見てみなよ。ゲロインってあるからさ。これね、君のことなんだよ。つまりね、実態がどうであれ大衆は君をゲロインとして見るし、ゲロインとして扱うわけだ。「無理!」「ぐすん!!」 ぐすんって……泣き声がもはや鳴き声じゃないか!やっぱり君はネタキャラだよ!「無慈悲!いや、多少マシな道がない訳では無い。ないんだけどさ、どっちみちゲロインなんだよね。」「というと?」「緊張しぃでゲロインだけど可愛いな、ゲロインだけど頑張ってる、ゲロインだったのに成長したな。今の冥ちゃんにはこの路線しかないんだ!受け入れて前に進むしかないんだよ。今のゲロインとしての評価を糧にするしかないんだよ。」「です……よね……。」「だけど、これは決して悪いことだけじゃない。だから安心して欲しい。考えによってはなんの慰めにならないかもだけどね。ただそれでもさ、飛び抜けた個性ってのはVTuberにとって何物にも代えがたい武器なんだよ。それに……いや、これは言うまい。」「ゆ、由良さん……。そうですよね、まだデビューしたてで配信人生が始まったばかりなのにナヨナヨしててもしょうがないですよね!私頑張ります!」「例えそれがゲロインの肩書きでもね。」「台無しですよ!」「ゲロインちゃん……」「ゲロインちゃんやめれます?」「わかった、さすがにゲロインちゃん呼びは悪ノリが酷すぎたね。で、話は戻るんだけどゲロインちゃん。ゲロインはゲロを吐く"ヒロイン"なんだよ。ゲロを吐くって汚点はあれどヒロインなことには変わりない。乙女としてどうなんだ?とは思うけれどもヒロインなんだ。だから、そう悲観しないで欲しいな。だから……」「もうゲロインちゃん呼びはもう諦めますよ……。」 ごーめーんーてー!  「あはは、ごめんごめん。さっきも言ったとおり、私は悪名は
Read more

#154

藺月 芽依サイド「はぁ……初配信テイクツーまーじでいや過ぎますねぇ。高校デビュー失敗したあとにもう一回自己紹介しに学校行くようなもんじゃないですか!そんなのはもはやただの手の込んだ自殺ですもん。陰キャには過ぎたることだとは思いません?。私、やっぱりVTuberとか向いてないんですかねぇ……。後ろ向きになるのはダメダメ!前向きに頑張るって決めたんですから。第一こんなところで後ろ向きになったところで何かこの現状がよくなるわけでもないですしね。あれ?これも後ろ向きなのでは?と、とにかく頑張るぞー!(?)」 いやね?私にだってやることのメリットくらいはわかってますよ?まず第一に私のモヤモヤにひと区切りがつく。今後の配信で初配信のことを引きずらずに済むのは大きなメリット。配信活動をやっていく上で心残りはないに越したことはないですしね。第二に一度付いたイメージの一新ができる可能性もゼロではない。あのゲロの件はそこそこ広まったからね。又聞きだけで私を知った人が初配信テイクツーでちゃんと私を知った場合ゲロインイメージを薄くできる。「ただなぁ〜これってテイクツーはテイクワンと違っていい感じに配信を終えられるって大前提が必要なんですよねぇ。こーれがほんと私にとってどれだけ難しいことかってんですよ。」 まぁそれはメリットはありますし?どっちみち配信はやらなきゃいけないですし?いいんですよ。二度目が初配信って名前になるか通常配信って名前になるかだけですしね。問題はもう一つ!方針ですよ方針。もう無理決めらんないよぉ!YURAちゃんがそう言ってたからとか理由を言おうものなら突っぱねられそうなんですよね。ちゃんと自分なりの理由を持って自分の意思で決めなきゃなのはわかってるんです!でも……でも……「なーんでこんな重要な決断をデビューしたての私がやることになってるんですかねぇ!正直私にはまだ早い!」 あぁーもうわかんないですよ!でもしょうがないでしょ!その手の経験値とか皆無なんですから!「あぁーー!!もうどうしようどうしようどうしよう!マネージャーに相談する?いや、でも全然考えまとまってないのに相談しても困らせちゃうだけでしょうし……。うにゃーー!!もう!わからん!一旦寝る!おやすみ!」 藺月芽依は寝る。少しで長く。それで事態が好転しないのは理解しながらも今直面している自らの手に余
Read more

#155

【お仕事頑張ったから私のことを褒めたまえ/YURA】「さぁて、張り切ってお仕事していきましょうかね。それでは皆さんこんゆらです〜!」——あれは……なに?——ね、何をどうしたらあぁいう形になるのかが……——YURAちゃんが身近なUMAなことは知ってたけどあそこまでとは……「えーっと……案件?あとそこ一文で矛盾するのやめようね。」——とりあえず柿崎冥ちゃんのキャラクターイラストというかその他諸々というかを担当することになった経緯的なのを知りたいっす——言語化助かる——そうそう!そう言いたかったのよ俺ら「日本語不自由で草。プロレスもそこそこに真面目に説明をするとですね?皆さんご存知の由良ちゃん垢あるじゃないですかぁ。」——当然のように名義分けしてるアカウントの存在を配信で言わないでくださいよ。いや、まぁ知ってたけども——公然の秘密ってさ、別に公で触れていいよって意味じゃねぇんだわ。建前上は一応秘密なんだわぁ。——ファン的にも触れない方がいいのかなと思って触れないようにしてたのにアクセルベタ踏みで突っ込まないでもろて。あわや大事故だわ。「面倒くさくって……で、そこにウンベナントさんからのご依頼がきたのがあの件のきっかけ……ではなくてですね。実は今回デビューした柿崎冥ちゃんなんですけど、彼女が元々私のイラストを好きでいてくれてたんです。そこの繋がりで私のところまでウンベナントさんから依頼がきたわけです。」——な……るほど?——そこまではまだ俺らも想像できる範疇なんよ、だから問題はそこから。なーんで全部担当しちゃえ!ってなっちゃったの?——それでなんでフルコーディネートしようってなるん?「今から話すから待ちたまえよ君たち。そういう事情があったので冥ちゃんから事前に連絡もらってたので、ウッキウキだったんですよね。そのやり取りの中でですね、私は他にもご依頼があれば諸々用意できるのでそちらのお仕事もご入用であればお待ちしてますね!って言ったんです。いやまぁ、こんなの社交辞令じゃないですか。私だって本気で諸々全部が飛んでくるなんて思ってませんよ。」——いやまぁ……それはそうか。——社交辞令ねぇ……——で、例の事が起こってる以上その結論はもうそういうことだよね。「結論から言うと物の見事にこうこうこういう物の制作予定してるのですが、どのくらいなら
Read more

#156

「では、リスナーの皆様お邪魔いたしました。演者ではなく、ただのマネージャーに過ぎない私はここで失礼します。」 あぁ……久しぶりにガッツリ怒られた。配信内でのお説教は流石にメンタルにくる。しんどい。このまま配信を終えてしまいたいけど、こんな姿を配信に載せてしまった以上は謝罪は必要だし無責任に終われない……。なけなしのエネルギーを縛り出して謝罪文練らないとだけどしんどい。辛い。「ぐすん……えっと……その……ほんと気を付けます。はい。それと、配信中にも関わらずこのような本来であれば裏でやらねばならない音声を垂れ流してしまい本当に申し訳ございません。今後はこのような自体を二度と引き起こさないよう、原因の究明、対策を徹底して参ります。マネージャーからの叱責をミュートし忘れた件に関しましては予想外の出来事へ動揺したせいであろうと自己分析が済んでおり、今後は冷静な対応を心がけて参ります。この度は本当に申し訳ございませんでした。」 あぁ、謝罪のテンションミスった。YURAとしての私じゃなくて前世の私として謝罪しちゃったけどもういいや、疲れた。——うわぁ……まじ説教の反動でYURAちゃんがビジネスモードに……——なんだこいつ誰だよ……もはや別人じゃねぇか——俺今来たんだけどさ、今話してるのってYURAちゃんであってる?俺はもう正直自信がない。「あ、はいYURAでーす。こんゆらですね。是非是非ゆっくりしてってください。なんか……ほんとすいません。貴重なお時間使ってせっかく配信に遊びに来ていただいたのにこんなテンションで……。すいませんすぐ復帰するので。ふぅ……よし!こんゆらー!良ければゆっくりしてってね!こ、こんな感じでどうでしょうか。」 申し訳ないな。せっかく枠まで来てくれたのに。リスナーさんが会いに来た私は私じゃないのに。どうにかこうにか元の私に戻さないと。でも、私どうやってたっけ。私、どんなだったっけ。もう、わかんないや。——もう俺見ててつれぇよ…… ごめんなさい。本当にごめんなさい。配信者なのにこんな様を配信で垂れ流しちゃって……今すぐ戻らないと。でも戻るべき自分が分からないんじゃ……「ちょっと待って気持ちをリセットするためにニコニコ見てくる。」——ん?何見るん?「バーロー」 やっぱりこういう時はアレですよね、劇場版バーローのまともじゃないやつ。ア
Read more

#156.5 死

 父が死んだ。母さんが死んですぐ違う女とイチャついているあのクソ野郎のことは大嫌いだった。それでも親は親だ。涙のひとつやふたつ出ると思っていた。 何も思わない。何も感じない。何もしない。 私は何も変わらない。 私にとって父はどうしようもなく他人だった。 父の死体を見た時、そんな私の心が動かされた。でもそれは……人の形をした得体の知れないナニカに対する言いようのない恐怖と嫌悪感だった。 得体の知れないソレの衝撃に思わず普段の仮面が剥がれかける。 それでも取り繕うのは得意だ。顔に父を亡くして悲しみつつも気丈に振る舞う少女の仮面を貼り付けひたすらにそれらしいことを言い続ける。タイミングを見計らって意図的に涙を流す。 人を味方に付けるにはどうすれば良いかの最適解を選び続ける作業。私はそれを機械的にこなし続けるだけ。 それはそうと一応活動休止期間挟むべきかな。どこから何が漏れるか分からないしね。変に情報漏れるよりしっかり経緯の説明して印象を誘導した方が何かと都合がいい。活動休止するとなると久しぶりにまとまった時間取れるし準備に時間かかる企画ものの計画立ててちゃっちゃと準備進めちゃうか。 面倒ごと増やしやがってって思ってたけど、これはかえって良かったのかもしれない。大した理由もないのに休止なんてしたらリスナーのみんな離れちゃうかもだしね。心配させちゃうけど同情でグッズの売れ行きも良くなればライブもできるかな。ふむ、これはこれで悪くないね。「死んでくれてありがとね、父さん。」◇◇「はぁ……あの時の夢か。最低だな、私って。」
Read more
PREV
1
...
141516171819
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status