その後、フェリシアはエルバートから牢を破壊したディアムと共に炎と魔を浄化しながら皇帝の間まで向かったとのことを聞き、心の中で思う。エルバートが生きていると信じてここまでシルヴィオ達と共に来て良かったと。「では開けるぞ」エルバートが皇帝の間の扉を開ける。すると、皇帝の側近であるリンク、ゼイン、グランドール、ユナイトがそれぞれ剣でルークス皇帝と戦っていた。ユナイトは司祭で自分の教官でもあり、剣を持つ姿は初めて見たけれど、エルバートと同じく軍に所属していた時を思わせる軍師の顔に戻っていた。「エルバート、そしてフェリシア嬢、来たか」「ではこれより、最終段階に移行する!」クランドールは叫ぶとユナイトと共に剣先をルークス皇帝に向ける。すると祓いの力で剣先が光輝き、ルークス皇帝の周りに人型の式神が光のような姿で複数現れ、手を繋ぎ囲う。「ほお、皆の動きが不自然だと感じてはいたが、我の封印の準備を完了させる為であったか」ルークス皇帝が納得すると、ユナイトが叫ぶ。「リンク様、ゼイン殿下、今です!」皇帝の側近とゼインは頷き、剣先を合わせ、ルークス皇帝の心臓に向ける。「ルークス皇帝!」「ご覚悟を!」皇帝の側近とゼインが続けて叫ぶと、剣先が神々しく光輝く。そして次の瞬間、強力な祓いの力を放とうとした。まさにその時だった。「うわああぁぁ」魔の強力な精神攻撃を同時に受けた皇帝の側近達4名の苦しげな声が響き渡り、全員剣を床に落とし、両手で耳を塞ぎ、次々と床に倒れ、全員気絶した。「そん、な……」フェリシアは動揺の声を零し、両手を口に覆う。「エルバート、見よ」「これが我に本日の如月の中旬に実行する暗殺の策が知られるはずがないと思い込んでいた哀れな奴らの結末だ」ルークス皇帝は笑みを浮かべながら言う。するとエルバートは視線をフェリシアに向ける。「フェリシア、魔の狙いはお前だ」「だからお前は何があろうと一切手出しするな
Terakhir Diperbarui : 2025-06-21 Baca selengkapnya