ルークス皇帝はふたりの言葉を聞いた後、再び口を開く。「神隠しに合った少女達も帝都郊外の村まで無事に送り届けることが出来たそうで何よりだ」「第3部隊、第4部隊の半分以上を失ったようであるが」「お前達が無事に生きて帰還したこと、大変嬉しく思うぞ」ルークス皇帝はそう言い、エルバートを見据える。「さて、エルバートよ、フェリシアが祓い姫に目覚めたそうだな」「はい」「では後日、お前達の受勲式に加え、フェリシアの祓い姫の認定式と令嬢式を執り行うとする」――こうして早急に準備が進められ、その間、エルバートはフェリシアとリリーシャと共にブラン公爵邸に無事に帰宅し、ラズールとクォーツに、よくぞ帰って来られた、ご無事で良かったと温かく迎えられ、翌日には教会にもフェリシアと2人で足を運び、司祭に礼をし、その翌日。エルバートとクランドールの受勲式とフェリシアの祓い姫の認定式と令嬢式が皇帝の間にて執り行われた。エルバートの父であるテオと母のステラ、公爵、伯爵等の偉い方々に見守られながら、高貴な軍服を着たエルバートはクランドールに続き、ルークス皇帝から勲章を受け取る。それに引き続き、第1部隊のクランドールの隊長、第2部隊のエルバートの隊長のアベル、第3部隊、第4部隊の隊長、計4名も表彰され、少し間を取り、高貴なドレス姿のフェリシアは玉座の踏段を上がっていく。そしてルークス皇帝に右手の甲を差し出し、その手にルークス皇帝が触れた瞬間、右手の甲に印が表れ――、フェリシアは祓い姫だと認められると同時に、皇帝の側近、セレストの公爵令嬢へと昇格した。* * *その後、フェリシアはルークス皇帝の側近に、エルバートの両親が客間で待っていることをエルバートと共に聞かされ、ふたりに会うこととなった。フェリシアはエルバートと並び、廊下を歩く。「フェリシア、すまない。嫌な思いをさせるかもしれない」「いえ、大丈夫です」やがて客間に着くと、後ろから付いて来
Last Updated : 2025-05-19 Read more