Semua Bab 寄るな、触れるな、隣のファンタジア~変人上等!? 巻き込み婚~: Bab 11 - Bab 20

88 Bab

不思議工事でプライバシー消滅

   ◇ ◇ ◇「はぁぁ……ったく、なんだったんだよ今日のアレは……」夜、俺は風呂から上がると、ぼふんっと自室のベッドにうつ伏せに倒れ込んでぼやく。そして一旦枕にため息をぶつけてから、左薬指で忌々しく輝くソレを見つめた。どれだけ眺めても消えない婚華の指輪。圭次郎いわく、アイツらの世界の物だからみんなには見えないらしい。 確かに悠やクラスメート、先生や母ちゃんからは一切指摘されなかった。その点だけは救いだ。意識すると指の付け根に薄く締め付ける感触がある。 慣れなくて落ち着かない。むず痒くて、やけに左手が重く感じてしまうそれが、俺とアイツが結婚してしまったあり得ない現実を突き付けてくる。こんなの無効だろ! と必死で授業中に指輪を外そうと奮闘した。 でもどれだけ動かそうとしても指先は滑るだけだし、まるで指に貼り付いたように微動だにしない。そんな俺の様子を、圭次郎は隣でほくそ笑みながら観察していた。「これが俺への仕返しかよ……性格悪ぃ……」あのキレイで性悪な笑みを浮かべた圭次郎の顔を思い出した途端、沸々と怒りが湧いて俺は顔を引きつらせる。延々と不機嫌全開なムスっと顔だったのに、授業中ずっと笑ってやがった。 そんなに人の不幸が楽しいか? まるで俺の困った姿が、世界で唯一の娯楽みたいな楽しみ方しやがって。性格悪すぎだ。しかも巻き込むだけ巻き込んだクセに、後で説明するって自分で言っておきながら、未だ説明ゼロ。休み時間も放課後もどこかに行っちまって話ができないって……。 うう……状況が謎過ぎるし、圭次郎の性悪笑いが頭にこびりついて、ずーっと胸がモヤモヤする。視線を指輪から窓に移してみれば、百谷家の庭が今日は光っていない。いつもならこの時間に光っているのに……もしかして誰も帰っていないのか? 俺を巻き込んじまった挙句に結婚なんかしちまったから、大騒ぎになってたりして――。「本物の王子様だもんなあ。スゲーややこしいことになってそう……面倒クセー」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-08
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事情は分かったから離縁して!

「改めていうが、俺たちはこことは違う世界から来た。我がウォルディア王国の秘宝を盗み、この世界へ逃げてきた裏切者を見つけにな」「裏切り者?」俺が尋ねると、ケイロはまつ毛を伏せて物憂げに息をついた。「王宮の近衛隊長マイラット――優秀で忠実な男だと思っていたんだがな、半年ほど前に宝物庫の最深部で厳重に保管していた百彩の輝石を盗み出し、姿を消した」「……ケイロのワガママに嫌気が差したからだったりして」思わず俺は小声で本音を零す。 細目でケイロがジロッと睨んでくる。「何か言ったか?」「べ、別に……」「まったく……話を続けるぞ。マイラットの行方は掴めなかった。ウォルディア国内だけではなく、俺の世界をくまなく探した。だが見つからず……世界の外まで探っていたら、お前が通う高校に紛れ込んでいることがやっと分かって、俺たちはここまで来たんだ」つまり異世界から俺たちの世界を調べて、俺の高校にいるところまで絞り込んだってことか。思った以上にスケールが大きいな……。 ケイロたちの世界や国がどんな所なのかさっぱり見えてこないけれど。違う世界を行き来できて、詳細に調べることができるなんて凄いし、優秀なんだということは分かる。だからこそ俺は首を傾げてしまう。「そこまで分かったんなら、すぐに見つかりそうな気がするんだけど。半年前ぐらいに転校なり転職なりしてきた人間がいないか調べたら、一発で分からないか?」「厄介なことに、奴はこの世界の人間と同化し、何食わぬ顔で生活している」「ど、同化? 成りすましてんのかよ」「ああ。違う世界のものには魔法の影響力が激減してしまうせいで、異なる世界から索敵の魔法を使ってもあまり効かない。だからわざわざここまで足を運び、直接捜しに来たという訳だ」「つまりソイツを見つけ出してお宝を取り返せば、もうここには用なしってことで帰っちゃうのか?」じゃあ俺とケイロの結婚は、そこまでってことなんだな。 期間限定ならまあ我慢できるかー、と思っていたのに、「そういうこと
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-09
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驚愕の二択。実質一択

「やめろよ……っ、俺、男とヤりたくないからな! お前だって俺を相手にするの嫌だろ? ってか、俺が問答無用でされる側って――」「俺は別に構わないが?」爆弾発言を連発するなぁぁっ! 心臓に悪い。冗談じゃないって分かるから、威力が強すぎる。俺の心、すでに焦土化してるんだけど……。理解ができず頭が混乱するばかりの俺に、ケイロは爆弾発言の投下をまったくやめない。「俺は今まで他人に興味を覚えなかったが、勘違いとはいえお前には幾分か興味は湧いた。何も感情が湧かない人間を相手にするより、少しは感情を覚える相手のほうがマシだ。それが苛立ちであろうがな」イライラする相手のほうがマシって、理解できねぇ。まさかリンチ的な感覚で俺と初夜を迎えようとしてるのか?コイツ、頭おかしい。世界が違う住人っていうの抜きにしても、思考回路があきらかに普通と違うぞ?どうにか逃れようと手足をジタバタしてみるが、ケイロにのしかかられて抜け出せない。細身の割に力が意外と強い。俺、一応野球部でそこそこ鍛えてるほうなんだけど。コイツに力負けするなんて、なんか納得いかねぇ。抵抗を諦めない俺の顔を覗き込みながら、ケイロが抑揚のない声でさらりと伝えてくる。「ひとつ言っておくが、俺を拒むのはお前のためにならないからな?」「ど、どういうことだよ?」「王族である以上、互いに好まぬ相手と婚姻を結ぶこともある。だからこそ相手が裏切ることがないよう、この婚姻には制約がつく」制約……嫌な予感しかしないんだけど。俺が背筋をゾッとさせていると、ケイロの手が俺の下腹を撫でた。「定期的にお前の体内に俺の精を注がないと、指輪が婚姻継続の意志なしと判断してお前の命を奪う。死にたくなければ抵抗を諦めろ」「……え? せ、せい……?」「俺の精液をお前の中に出す」オ、オイオイオイ……死ぬか中
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-09
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●魔法がズルい

その自信はどこから来てんだよ。怖ぇな……。まさか元々男が好きで、経験豊富だったりするのか? だからここまで落ち着ていられるのか?これから何をされるのか考えたくもないけど、そもそも未知の世界だ。自分がそうなることなんて想像すらしたことがなくて、俺はただ頭の中を真っ白にさせて身を強張らせる。そんな俺の首元に、ケイロがそっと手を置いた。「水と火の精霊よ、この身に流れる同胞と踊り、快く昂らせよ……」言い終わらない内に、首筋に妙な熱が灯る。チリチリと燃えているタバコの火のように、熱が小さな点で蠢いているような――と思っていたら、それが一気に全身へと広がって俺を弄び出した。「ひっ……ぁ……体が、痺れ……? なん、だコレ……ンっ……」首筋に触れているケイロの手の感触が、やけに鮮明になっていく。温かい手。肌が変にざわついて、痺れみたいなものが体の中に広がって……うわっ。ざわざわする。心臓がバクバク鳴って、背中やら下半身やらが落ち着かない。ブワッ、と肌が汗ばんで、目元が熱くなる。自分でも目が潤んだのが分かって、情けない顔をさらしている現状に唇が震え出す。恥ずかしすぎる……っ。でも体がおかしくなって嫌なのに、もっと触ってほしくてたまらない。一気に変わってしまった俺を見下ろしながら、ケイロが小さく笑った。「初めてでも受け入れられるよう、体の感度を上げさせてもらった」「な、なんだって……!?」「痛がる顔を見ながらしてもつまらん。どうせなら、強がりが言えなくなるまで、丁寧に仕込みたいところだな」「はぁ? お前、なに気持ち悪いこと言って――はわぁぁ……っ」いきなりケイロに耳をかじられて、思わず俺
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-10
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●順番おかしくないか?

……どうしよう、嫌な予感しかしない。ケイロの不穏な発言に内心冷や汗をかいていると――にゅるり。生温かくて粘ついた何かが尻の割れ目に貼り付き、俺の中へと入っていく。「な……?! うぁ……ナカ……ひっ……動いて……やだぁぁ……!」ワケの分からないものが体の中で蠢いて、思わず俺はシーツを掴む。ぐりゅん、ぐりゅん、と円を描くように動きながら、奥へ、奥へと進んでいく感触。怖くて仕方ないのに体は激しく疼いて、俺の心と裏腹にびくんっ、と全身が甘く跳ねる。もう意地もプライドもあったもんじゃない。俺はケイロの腕に指をかけ、か弱く掻きながら訴えた。「これ、ヤダぁ……やめろよ、変なもん入れるの……頼むからぁ……っ」「そう怖がるな。水の魔法で中を洗っているだけだ」「あ、洗って? そ、それだけ……ぁあ……ッ」「ついでに潤滑剤の効果も付与してある。潤いは十分か、確かめてやろう」悪戯な笑みを浮かべながらケイロは俺の中へ指を捻じ込んでくる。指先で入り口を軽く揉まれ、ぬちゃ、と粘った音が聞こえる。それが耳に入ってくるだけで恥ずかしくて死にそうだ。でも気持ち良くて、ずぶずぶと沈んでいく指がたまらない。「あ、ぁ……ン……はぁ……ぅぅん……」「指だけでも気持ち良さそうだな。中も十分に柔らかい……なんだかんだ言いながら、やっぱり悦んで俺を受け入れる体になってくれたな」言いながらあっさりと指を引き抜き、ケイロが自分の服を抜き出す。細身の割に筋肉がついた、しなやかな体が現れて思わず俺は見入っ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-10
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初夜の後遺症は根深くて

   ◇ ◇ ◇――朝、目が覚めて一番に思ったこと。あー……あり得ねぇ夢見たな、だった。そして起き上がったら素っ裸で。下半身がものすごく気だるくて。百谷家側の窓の前にある光のモヤモヤが消えてなくて。俺のパジャマも、アイツが着ていた服も床に散らばっていて――。「……はぁぁぁぁぁぁぁ……」昨日の強制ファンタジック初夜、全部現実だった……。夢でも見ねぇようなことするんじゃねーよ……と、俺は朝から肩を落とし、激重なため息を吐き出した。思い出したら悶絶して一日終わりそうな気がして、なるべく無心になって身支度を済ませ、朝食を済ませて家を出る。ガチャッと家に鍵をかけて道に出れば、まるで示し合わせたかのように隣の家からケイロが出てきた。俺に気づいてジッと見つめた後。ケイロは優越感いっぱいに微笑みながら近づいてきた。「昨夜はよく眠れただろ、花嫁殿?」「……寝たっていうより、気絶させられたようなもんだろ……やりすぎだってアレは……っ」俺を魔法でおかしくした挙句、好き勝手に抱きまくった張本人。その顔を見たらどうしても昨夜のことが脳裏によみがえって、俺の顔が熱くてたまらなくなる。耐え切れずに俺はケイロより前に出て、さっさと学校に行こうと一歩前に踏み出す。背後から早歩きで俺に迫って来る足音が聞こえた。「待て。言いそびれていたが――」ぽんっ。ケイロが俺の肩を軽く叩いて話しかけてくる。その途端、「……ッ! ぁぁ……ッ」昨日ケイロから散々教え込まれた感覚が――腹の奥からこみ上げる疼きが、俺の全身を駆け巡ってしまう。思わず膝から力が抜けて、その場に崩れ落ちてしまった。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-11
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全方位に迷惑かけやがって

   ◇ ◇ ◇「――なるほど、そういう経緯でしたか」夕方、百谷家のリビングで俺の話を聞いた百谷芦太郎先生――ケイロの兄ではなく部下のアシュナムさんが、深いため息を吐き出す。そしてソファーの端へ座る俺から大きく離れて隣に座るケイロを、険しい顔で睨みつけた。「殿下、いくらなんでもあんまりです。太智君の人生が滅茶苦茶じゃないですか!」やっぱり酷い内容なんだなあ……。 お付きの人が良心的で、ちょっと心が救われる。半分死んだ目になりながら事の成り行きを見守っていると、ケイロは嫌味なほど長い脚と腕を組みながら不敵に笑う。「ちょうど良かったではないか。前々からこっちの世界の人間で協力者を作りたいと考えていたところだし、お前たちは俺にそろそろ結婚しろと迫っていたし……問題が一気に解決したな」「もっと慎重に事を運んで下さい! あと、どちらも誰でも良い訳じゃありません! 特に妃選びは本国に候補の者が多数控えているというのに……」アシュナムさんの話を聞きながら、やっぱりそうだよなーと思ってしまう。異世界のことなんてさっぱり知らないけれど、性格難ありでも王子様でイケメン。そりゃあ結婚したいって人は多いだろう。政治的なこともあるだろうから、誰でもいいってワケにもいかない。 しっかり考えた上で選ばなくちゃいけないハズなのに――ケイロ、お前、王子失格だぞ。思わず俺もケイロをジト目で睨むが、当の本人は申し訳なくなるどころか、開き直ったように胸を張った。「勘違いとはいえ、太智は既に俺たちの異質さに気づいて観察していたんだ。家も隣。協力者として巻き込むには悪くないと思うが?」「それは一理ありますが、しかし結婚までせずとも――」「あと、俺に反発する気概のない奴らを娶る気は一切ないぞ。つまらん」……このワガママ好き放題王子め……っ。 俺もアシュナムさんも、呆れて口が塞がらなくなってしまう。会話するのもしんどくなっているだろうに、それでもこのままではいけないとばかりに、アシュナムさんはケイロに食ら
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-11
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手放す気がないヤツ

他のヤツなら大丈夫なのに、ケイロに近づかれるだけで感じる体に成り果ててしまった――症状が今朝と変わっていなくて、心の中で激しく絶望する。コレ、絶対に魔法で強引に感じる体にさせられたせいだ。普通ならあり得ない快感を与えられたせいで、体がイカれてしまったんだと思う。たった一晩の初夜でこの調子。これで回数を重ねたらどうなるんだと想像しかけて、すぐに思考が止まる。絶対に今より悪化するのは間違いない。どうにかならないのかよ!? とアシュナムさんに視線で縋ってみるが、それはもう心苦しそうに顔をしかめられてしまった。「太智殿には申し訳ないが、今すぐに婚姻を解消することはできない……先に我らの目的を果たさなければ――」「えっ? どっちか片方が死なない限り、離婚できないんじゃあ……?」「確かにそういう制約ではある。しかし、手順は複雑ではあるが解除する方法は存在する」おい、話が違うじゃねーか!まさかと思うけど、不本意ながら俺と結婚したクセに、本気で離婚したくないのか?まったく理解できずに顔を引きつらせながらケイロを見れば、チッ……と舌打ちする姿が視界に入ってくる。すごく忌々しそうな顔して、不機嫌さ全開だ。「……それには双方の同意が必要になる。俺は拒否するから、実質離縁は不可能だ」「ワガママを言わないで下さい! この地での使命を果たした後、何日も不眠不休で説得させて頂きますから、どうかそのおつもりで」百谷家の中でも一番強面の部類に入るアシュナムさんから笑みが消えると、漂ってくる気迫がすごい。この件では俺にとって心強い味方だが、それでも俺の心がすくみそうになる。ケイロもアシュナムさんも譲る気なしで、室内の空気をどこまでも刺々しくしていく。あまりの息苦しさに俺が居心地の悪い思いをしていると、「お二人とも、少し落ち着きましょう。コーヒーを淹れましたので……どうぞ」ソーアさ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-12
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止まらないツッコミ

「ハァ……どちらにしても、まずは裏切り者を見つけ出すことが先決です。私のほうでも探りを入れていますが、まだ見つけられず……面目ありません」コーヒーを一口飲んでから、アシュナムさんがケイロに対して深々と頭を下げる。その様子を冷ややかな目で見つめながらケイロは頷く。「引き続き、各方面へ探りを入れてくれ。不愉快なことに、奴は俺たちに気づいている。うまくこの世界の住民になり切っているんだがな」……ちょっと聞き捨てならない発言があったぞ?一瞬、なんの冗談だ? と本気で思ったけれど、ケイロもアシュナムさんも表情がシリアスなままだ。つい俺のツッコミ体質を抑えられず、話に切り込んでしまった。「いや、あんまりなり切ってないから」「「「え……?」」」「大学受験控えてる高三で五月に転校してくるって、かなりレアケースだからな? しかも数学教諭に養護教諭と生徒が同時に入ってきて、しかも三兄弟って、さらにレアで目立ちまくる案件だからな? 普通じゃないから。オンリーワンな設定だから。もう全校集会で紹介された時点で、裏切り者にバレてると思うんだけど」俺の流れるようなツッコミ連打に、三人がギョッとなってこちらを見てくる。「冗談……ではないようだな、太智」あ、ケイロが動揺してやがる。顔は平然としているけど、わずかに声が震えている。ちょっと鼻をあかせた気になって、俺はさらに引っかかっていたことを口にした。「あとさ、名前の付け方もおかしいから。太郎、次郎、三郎って、生まれが早い順につけられるもんだし」「「「な……っ!?」」」「だから本来は圭次郎じゃなくて、圭三郎ってつけないといけなかったんだよ。口に出さないだけで、みんなこう思ってるぞ。なんで宗三郎先生より年下なのに、圭次郎なんだろうって」これは引っ越しの挨拶に来た時から引っかかってたこと。今の今まで誰も聞かなかったのは、何か
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-12
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アドバイザーは啼かされる運命

◇◇◇こうして俺はケイロたちのアドバイザー的なものになった。学校を終えてから百谷家に寄って、リビングでこの世界をレクチャーする。俺の隣で聞いているケイロは、軽く目を閉じて腕を組んで、一見すると興味がなさそうだった。でも時折頷いているから、聴いてはいるらしい。あんまり身が入っていなさそうなケイロと違い、アシュナムさんは前のめりで俺のレクチャーを聴いてくれた。しきりにメモしながら、どんどん質問してきた。「この世界のことは、我らの世界からネットというものに繋がって調べていたのですが……我々が不自然になっていたということは、ネットの情報は間違っているのでしょうか?」「ネットで検索して、上のほうに出てくる情報って、それだけいっぱい人に見られてるけど、それが一般的って思わないほうがいいです」「多くの人に支持されていても、一般的ではない、と?」「お弁当ひとつ取っても、可愛いのとか豪華なのとか目を引くけど、いつもそうとは限らないし、大半の人はわざわざ作ったお弁当の写真を撮ってネットに載せませんから」「な、なるほど……っ」「それに、みんな当たり前のことはわざわざ調べないし、ネットに上げてもスルーされますから。昨日の残りもの詰めたり、手っ取り早く野菜炒めで済ませたりなんて日常のよくあることよりも、特別で華やかなものを見てもらいたいものですから」「つまり、この世界の弁当は可愛い容器や袋に入っていて、愛らしいキャラの形を作ったものが一般的ではないのですね……」「主にちっちゃい子用のお弁当です。男子高生には足りません! 人によりけりですが、見栄えよりも量が正義です! 鶏の唐揚げ弁当は鉄板ですが、毎日同じだとげんなりしますので、おかずは栄養を考えて変えて下さい」ついお弁当のレクチャーに力を入れていると、「夫のために食を気遣う……なかなか良妻ではないか」ボソッとケイロが本気なのか冗談なのか分からないことを言ってくる。何も反応しないの
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-13
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