◇◇◇俺がケイロたちのアドバイザーになってから、約二週間ほどが経過した。それはケイロと夫婦になってどれだけ経ったかでもあるが、俺の中で同意してないから不成立だ。定期的に濃い夫婦生活を送っていたとしても――経過し、この生活に少し慣れてしまった頃だった。「太智、百谷君、お昼食べよう――って太智、どうしたの? なんか、少しやつれてるけど……病気?」四限目が終わっていつものように俺たちの所へ来た悠が、ぐったりと机に突っ伏す俺を見て心配そうに声をかけてくる。「病気じゃねぇ……ちょっと、色々あって……朝から疲れた……」……いくら友人でも言えやしねぇ。夜に散々抱かれた挙句、やっと終わってぐったりしている時。「昨日本を読んで知ったんだが、この世界には愛妻弁当なるものがあるらしいな。作れ」突然ケイロがとんでもないことを言い出して、朝から弁当を作るハメになったなんて……。もちろん最初は、こんなにヤられまくった翌朝に作るなんてしんどいだろ! 朝から疲れてるから無理だ! って全力で断った。それなのに、「では作る気になるまで、学校でもお前を愛でてやろう」なんて更にとんでもないことを言ってケイロに脅され、いつもより早く起きて渋々作ってやったのだ。愛妻弁当じゃなくて、渋々不本意妻弁当だけど。だって、コイツに近づかれるだけで体がビクビクするし、触られたら――その場で身悶えて、変人通り越して変態確定間違いなし。俺の人生、完璧に終わる。一応母さんに仕込まれて、簡単な料理はできる。でも普段から作ってるワケじゃないから本当に大変だった……。そんな俺の苦労に気づいているかどうか怪しいケイロは、どこか自慢げに笑いながら弁当を出した。どこにでもあるような青い巾着に入った、二段重ねの黒い弁当箱。俺がたまに使っているもの。自分の弁
Last Updated : 2025-04-13 Read more