もしかしたら自分では? とエルザは思ったのだが違ったみたいだ。残念だと思ったが、それなら何処で居るのだろうか? クリスの言う通りに、まだ生まれ変わっていないのだろうか? クリスを見ると少し寂しそうな表情をしていた。本当は会いたいのだろう。 死んでもなお、生まれ変わって再会ができたのなら素敵な事なのに。「しかし、そこでエルザがリーゼロッテ卿の生まれ変わりだったら面白かったのにな」 レイヴァンが同じ事を考えて発言をしてきた。 エルザとレイヴァンは残念と言っていると、クリスがあっさりと、『リーゼではないが、母上はメアリー夫人の生まれ変わりでもあるぞ?』と言ってきた。エルザとレイヴァンは驚いてしまう。「でも、メアリー夫人は天界にいらっしゃるわよ?」『メアリー夫人の魂は記憶を持った方と記憶を持っていない方で半分こしたんだ。君主が。クリスティーナの母親もメアリー夫人がいいと思ったらしいが、今は自分が憑依できる状態ではない。他の男に任せるのも嫉妬して嫌だったからメアリー夫人に相談して仕方がなく魂を分裂させる事にしたらしい。まぁ、母上やメアリー夫人みたいな清らかで聡明な女性が、また産まれるか分からなかったからでもあるらしいが。その影響もあってか、母上はマナも容姿もよく似ている。同じサファード一族の血縁関係だからの問題だけではない。性格も似ているしな』(私が、メアリー夫人の片方の生まれ変わりだったとは……) だから、会った時に懐かしく感じたのだろうか。今更ながら納得をする。『離れるのが嫌で、仕方がなくメアリー夫人の魂を分裂した』って、ところが若干複雑な気持ちになるが。だからこそ自分が存在したのかもしれない。 それはレイヴァンも同じだったみたいでエルザを強く抱き締めてくる。「仕方がなくではない。エルザはエルザだ。君が産まれてくれて、良かったと私は常に思っている」「レイヴァン様……」 レイヴァンのそんな風に想ってくれていたのだと分かり嬉しく思う。胸が熱くなった。するとクリスは呆れたようにため息を吐いてきた。『そんなの分かっている。君主も最初はそのつもりだったが、メアリー夫人の魂には変わりない。母上を大切に想って見守っていた。現に、もし将来死んで天界に昇ってきたら自分の傍に置こうかと考えていたぐらいだしな』「「えっ……?」」 クリスの言葉にレイヴァ
Terakhir Diperbarui : 2025-06-06 Baca selengkapnya