『母上、泣くには早いですよ。もしかして父上を生き返らせる事ができるかもしれません』「えっ……それは本当なの?」『はい。クリスティーナがお腹に居るって事は、母上のマナもそれに影響を与えます。死んだ人間を生き返らせる事は本来できません……神以外は。しかしクリスティーナは時の神・クロノス様の次期後継者。私より遥かに大きいマナと能力を持っております。母体はお腹の子に繋がり移行するので母上もその能力が使えるはずです。なので、その能力で父上を生き返らせる事ができるはず』 クリスの言葉にエルザは動揺するが、希望が少し見えてきたような気がしてくる。 それが本当ならレイヴァンを生き返らせる事ができる。「どうやればいいの? 私にできるかしら」『私が手助けします。新たな生命や能力を生み出すのはクリスティーナしかできませんが、私はそれをコントロールするのが得意とします。母上のマナをかなり使う事になりますが構いませんか?』「えぇ、問題ないわ。私の持っているだけのマナで、必ずレイヴァン様……あなたの父親を生き返らせてみせるわ」 上手く行くか分からない。でも少しでも可能性があるのならエルザは諦めたくないと思った。。 レイヴァンがエルザ達を救ったように、今度は自分が救いたい。 エルザはクリスに言われた通りにレイヴァンの胸元に手を置く。そして集中してマナを、ありったけ引き出す。(感じるわ……私のマナだけじゃない、クリスティーナのマナまで。本当に私のお腹に居るのね) あたたかく、強力なマナ。生命力の強さが感じられる。「いいか? 母上。引き出したマナを一点に集中させるように出す。その時に私の言った事を唱えて下さい」「は、はい。分かったわ」 エルザは目を閉じて意識を一点に集中させる。絶対に助けてみせる。そしてレイヴァンと子供達と一緒に幸せになるの!『では、我が君主・クロノスよ。我が力となり我に力を『時間逆行(タイムループ)』』「我が君主・クロノスよ。我が力となり我に力を『時間逆行(タイムループ)」呪文を唱えると黄金の輝きが私達を包み込む。眩しい光りはキラキラとして綺麗。その光りはレイヴァンに吸い込んでいく。しかエルザのマナも吸い込んでしまう。(うっ……頭がクラクラする。でも諦めたくない。お願い……届いて) エルザは負けずにマナを送り続けた。すると吸い込み終わったのか
Terakhir Diperbarui : 2025-05-18 Baca selengkapnya