Semua Bab 婚約破棄された悪役令嬢は、聖母になりました!?: Bab 71 - Bab 80

90 Bab

第71話。

 急いでクリスティーナをエルザから引きはがそうとするのだが。そうしたら、さっきまで機嫌が良かったのに、ぐずりだす。「ふえ~ん。まんま~」 手足をバタバタして嫌がりだす。どうやら着替えるより甘えたいようだ。このままだと支度ができない。(ふう……仕方がないわね) エルザはクリスティーナを抱っこする。そしてあやしながらビビアン達に言う。「私が支えてあやしているから、その間に支度をしてちょうだい」「は、はい。分かりました」 顔を見合わせながらクリスティーナに話しかけて気を逸らさせると、その間に着替えと髪形をセットする。手早くやらないと嫌がるので毎回大変だった。 最初はぐずぐずしているが、途中からは大人しくしていてくれた。 支度が終わる頃にレイヴァンがクリスを抱っこして一緒に部屋に入ってくる。「着替えは終わったか? おや……うちのお姫様達は随分と美しいな」 レイヴァンは着替え終わったエルザ達を見て、そう言ってくる。近づくとエルザの頬とクリスティーナの頬に軽くキスをしてくれた。「お待たせしてすみません。支度はできましたわ」「そうか、では行くとしよう。民達がクリスティーナの顔見たさに、たくさん集まっているようだ」「はい。レイヴァン様」 エルザはニコッと微笑むと右手でクリスティーナを抱っこし、もう片方の手をレイヴァンの腕を絡める。そして広いバルコニーに向かった。 誕生祝いパーティーの前に外で集まっている民達に挨拶をしないといけない。皇女であるクリスティーナを一目見ようと、たくさんの民達が皇宮の前に押し寄せていた。 1番高く全体を見渡せる方のバルコニーに行くと、たくさんの歓声が。「皇女殿下~お誕生日おめでとうございます」「皇女殿下、万歳」 クリスティーナの誕生を待ち望んでいる歓声にエルザは感動する。この子も皇太子であるクリスもたくさんの民達に愛されている。それが何より嬉しいと思った。 レイヴァンも嬉しそうに微笑むとエルザの肩を抱き寄せてくれた。「さあ、クリスティーナ。民達に笑顔で手を振って差し上げて」「ふえ~ん、やあ……」「えっ? 嫌って……」 どうやら、さっきの着替えで機嫌を損ねてしまったようだ。これは、困った。 まさか、こんなところでごねられるとは思ってもみなかった。赤ん坊だから、一度ごねると、なかなか言う事を聞いてくれない。
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第72話。

「クリスティーナ。飽きちゃったか? なら、少し向こうで私と遊ぼう。だが、これでは遊べない。クリスティーナ、ちゃんと元に戻せるよな?」「……あい」 クリスが丁重に言い聞かすと、クリスティーナは素直に頷く。すると石化が止まり、元に戻った。(凄い……素直に言う事を聞いたわ!?) クリスはクリスティーナの抑制ができる 暴走しがちな妹を止めるのも、彼の仕事らしい。なるほど……確かに効果があるようだ。 エルザはレイヴァンと顔を見合わせる。そして苦笑いするのだった。 その後。予想外の事があったが、無事に誕生祝いパーティーが行われた。たくさんの貴族達がお祝いに駆け付けてくれる。挨拶を済ませているとレイヴァンが一緒に、「ファーストダンスを驚かないか?」と誘ってくれた。「まぁ、嬉しい。あ、でも」 エルザは、チラッと抱っこしているクリスティーナの方を見る。また目を話している間に何をするか分からない。どうしたものか。 不安に思っていると、座っているクリスが、ため息を吐いた。「踊りたいなら、踊って来ればいい。クリスティーナなら私が見ている」と言ってくれた。「えっ……でも」 確かにさっき止めたクリスなら問題ないだろうけど。息子に任せてもいいのだろうか? 何だか申し訳ない気もした。しかし、その時だった。「それでしたら、その役目は私にお任せ下さいませ」 驚いて声をする方に振り向いてみると、カルバーナ侯爵夫人だった。「「カルバーナ侯爵夫人!?」」「この度は皇女様の誕生日おめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます」 カルバーナ侯爵夫人はドレスの裾を上げて頭を下げてきた。社交界には、ほとんど参加しないはずの夫人が参加をしているので驚いてしまう。『珍しいな。パーティーに参加するなんて』「あら、皇太子殿下。我が国の皇女様で次期時の神の後継者の誕生日ですもの。侯爵夫人として……いえ、前世の義姉としてお祝いするのは筋でしょう?」 クリスの言葉に淡々と答えるカルバーナ侯爵夫人。余裕たっぷりの姿は皇族をも圧倒させるほどだろう。「あの……クリスティーナを任せてもよろしいのですの?」 エルザは申し訳なさそうに話しかけると、カルバーナ侯爵夫人はニコッと微笑んだ。「もちろんですわ。皇太子殿下とは積もる話もありますし、是非この機会にお話をさせていただけたら幸いですわ」「
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番外編・第1話(レイヴァン視点)

 レイヴァン達が住んでいるアルセント帝国は、魔法国の中でも大きく騎士や魔導師の育成や商人の買付けなどが盛んなところだ。自然も豊かだと言われている。 アルセント皇族は、もっとも膨大なマナを持っており、権力と実力はトップクラス。 レイヴァンは、その国の皇太子として生を受けた。幼い頃から皇太子として教育を受けていたが、その重圧は凄かった。『貴族や民に慕われ、優れた才能を持っていないといけない』『頭脳、剣術、魔法。どちらも他の貴族よりも完璧でないといけない』 家庭教師や大臣達に耳がタコになるほど言われた台詞。もちろん、それは当たり前だと思っていたし、レイヴァンも、それに合う才能は持っていた。 しかし、ぽっかり空いた喪失感は、どうする事もできなかった。 何をやってもすぐにできた。だからか、何をやっても面白く感じない。「つまらないな……」 そんなことを考えていた5歳の頃。父である皇帝陛下がレイヴァンに婚約者ができたと告げられた。 婚約者とは何かは知っている。家庭教師に教えてもらった。いずれ妻として娶り、一緒に国を治めていく存在。 政略結婚が一般的な、この時代。別に何も感じなかった。ただ、いい子だといいなと思うぐらい。 しかし、いざ婚約者に会うと……その考え方が変わった。 極秘にしているらしいが、この国の守護神である時の神・クロノスの加護を持つ、サファード公爵家のエルザ・サファード公爵令嬢。 初めて会った衝撃は、今でもハッキリと覚えている。ハチミツみたいに輝くような金髪に意志の強そうな綺麗な碧眼。全体に整った綺麗な女の子だった。 エルザはレイヴァンを見るなり、涙を流してきた。すると、碧眼だった目がキラキラと虹色に光り出す。体も黄金に耀き、包み込むように美しかった。 そう……まるで天使。 そう思わせるほどに可憐な容姿だった。レイヴァンは胸が大きく高鳴る。「僕はレイヴァン・アルセント。君は?」 もともと身分の高い方から挨拶をするのが礼儀。そのためにレイヴァンの方から勇気を出して声をかけてみた。ビクッと肩を震わらせ自分の父親の後ろに隠れてしまった。 だが、すぐにひょこっと顔を出すと、頬をほんのりと赤く染めながら「さ、サファード公爵のエルザ・サファードですわ」 と返事を返してくれた。(か、可愛い……) この世界にこんな可愛い生き物が居るのかと
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番外編・第2話。

 それはレイヴァン達が『魔導育成アカデミー』の高等科に進学した頃から、置き始めた。このアカデミーは魔法、剣術、教養などが学べる。 そして18歳の3年生になった頃。ある1人の聖女が転入してきた。名前はレイナ。 美しい黒い髪のストレートロングヘアに少し垂れた大きな目。色白で華奢な身体。 守ってあげたくなるような可愛さを持った絶世の美女という印象ではあったが、絶世美女ならエルザの方が相応しいと思った。 あの眩しいような美しさを見た後だと、なおさらそう思う。 しかし、数日も立たずに周りの反応はガラリと変わってしまう。クラスメートだけではなく、他の学年や教師達も聖女の虜になってしまった。崇拝するように彼女を褒めちぎる。何かがおかしい。だが、その魔の手はレイヴァンにも降りかかる。「レイヴァン様ってお呼びしてもよろしいかしら? 私はレイナ。レイヴァン様って、皇太子様なんですって?」 甘ったるい声でレイヴァンに話しかけてきた。本来なら目上の人から挨拶しない限り、話しかけるのはタブーとされていた。 何故だろうか? レイナには、そう思わなかった。 いや……それすら、天真爛漫というのだろうか? レイヴァンは魅力的にも感じた。 そうしたらレイナは、レイヴァンの腕に絡ませるように組んできた。そして上目遣いで引っ付いてくる。その動作にドキッと心臓が高鳴った。「私まだ入って来たばかりでアカデミーの事よく分からないんです~。レイヴァン様。案内して下さらない?」「あぁ……いいけど」 自分はエルザという婚約者が居るにも関わらず、レイヴァンは自然とその言葉が出てしまった。むしろ悪くないと思う自分が居た。 その後もレイナは無邪気な笑顔でレイヴァンに何度も話しかけてきたり、スキンシップをしてくる。レイヴァンはそんなレイナに注意をする事はなかった。 しかし、それを見ていたエルザは複雑そうな表情をしていた。そしてレイヴァンが皇宮で会った時に、それとなく注意する。「最近レイナ様と親しいようですが、あまりそういう事は良くありませんわ」「……どうしてだ?」「どうして……それは」 言葉を濁すエルザ。何だろうか? その曖昧な態度がイラッとする。「私が誰と居おうと私の勝手だろ!?」 思わず強めに否定をしてしまった。その言葉にハッとした。自分は彼女になんて事を言ってしまったのかと、後
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番外編・第3話。

「誰だ? 出て来い」 声の正体を探ろうと慌てて周りを見る。しかしレイヴァンが居るだけで誰も居ない。(変だな……? 気のせいか?) レイヴァンは、そう思い椅子に腰掛け直そうとする。そうしたら、また頭の中で声が聞こえてきた。『探しても居るわけがないだろう。私は貴様の頭の中から話しかけているのに』 レイヴァンは、ぞわっと背筋から寒気がした。(な、何だ? 私の頭の中?) わけが分からなかったが、確かに声が聞こえてくる。低く男性の声だった。「君は……誰だ?」 魔法で声を操っているのか? それとも……ただ姿を隠しているだけなのだろうか?『随分と疑い深いな? まぁ、そうではないと皇太子は務まらないが。だが、それなら、もっと早い段階でレイナっていう女から離れるべきだったな』「そ、それは、どういう意味だ!?」 何故そこでレイナの名が? いや……それよりも。 その瞬間だった。激しい頭痛がレイヴァンを襲う。頭が……割れる。「ぐっ……うわぁっ……」 頭を抱えて悶え苦しむ。痛い……。 しかし、霧になっていた頭の中が少しずつ晴れて行くのが分かった。意識がハッキリとしていく。「私は……?」『あの女の『魅了』が多少でも抵抗ができた事は褒めてやる。過去の気持ちが影響されたのかもしれないな。しかし、これぐらいの事で惑わされるとは情けない男だ』 皇太子のレイヴァンに無礼を言う声の主。だが……何だか懐かしくもあった。 何処かで聞いた事があるような?「名前を名乗れ」『名乗らせる前に貴様から名乗るのが礼儀だろう? 私は貴様よりは立場が上だ』「はあっ? 私は皇太子だぞ」『だから、どうした?』 明らかに皇太子の自分より偉そうだ。思わずムッとする。 しかし黙っていると、本当に向こうから名乗ろうとしない。仕方がないので諦めて自分から名乗る事にしよう。「私はアルセント帝国の皇太子。レイ……」『あ、やっぱりいい。知っているし、わざわざ聞くのが面倒くさい』 はぁっ? 自分から言っておいて。 余計に腹が立ってきた。一体何なんだ? ムッとしていると、その声の主がまた口を開いた。『私の名はクリス。時の神であり我が君主であるクロノス様の居るのが天界。そこにある何処の時空も繋ぐ『時の扉』の門番をしている者だ』「時の神? しかも門番って?」 声の主は驚く事を口走ってきた
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番外編・第4話。

「いや……違う。彼女ではない」「えっ? またどうして?」 どうしてと言われると困るが、そうではない気がした。意識はハッキリとしている。  今なら、冷静に考える事ができそうだ。レイナがそんな能力があるなんて、どうしても思えなかった。「ただ、そう思っただけだ。それよりも、今夜辺りにでもフロント山脈に騎士達を増員して送れ。あそこに盗賊が付近村を襲うって連絡があった」「盗賊ですか!? しかもフロント山脈でとは。何処で、そんな情報が殿下に?」「ある情報網からだ。いいから、早く騎士達に連絡を。村も住人も速やかに避難させるか、守れ」「は、はい。分かりました」 すぐさまクレソンは、部屋から出て行く。レイヴァンはハァ……と深いため息を吐いた。 これで、盗賊が捕まったら、あのクリスって言う声の主は本物って事になる。 もし本当だったら、私に何を訴えかけようとしているのか? 大変な事に巻き込まれようとしているのだろうか? レイヴァンは考え込みながら椅子に腰をかけるのだった。 しかし、それは現実のものとなった。翌日になってクレソンが慌てて来た。「殿下の言った通りでした。昨夜、フロント山脈に盗賊が忍び込んでおりました。すぐに騎士が応戦して退治。村の住人達は全員無事だったと連絡が」 やはり……本当だった。 レイヴァンは心臓が余計にバクバクして、手が小刻みに震えだす。もしかしてと思っていたが、真実だと分かると逆に恐怖を覚えてくる。冷や汗が出てきた。「そうか。他にも被害がないか調べろ。それと、別に仲間が居ないかもだ。民達には、不安になるといけないから内密にやるように」「分かりました」 クレソンは、そう言うと、部屋から出て行く。レイヴァンは急いで辺りを見渡した。「聞いて居るんだろ⁉ 姿を現したらどうだ?」 事実だと分かった自分を呼べと言っていた。すると声が聞こえてくる。『ようやく分かっただろう? 私の言葉は事実だと』「あぁ、君の話は事実だった。それで……私にどうして欲しいんだ?」 悪い事を企んでいるならレイヴァンが止めないといけない。だが、クリスって言う声の主はクスクスと笑っていた。『そう……警戒するな。私は別にお前と争いたいわけではない。そもそも親子だしな』「親子……? 私と?」『そうだ。本来なら貴様と母上であるエルザ令嬢と結ばれて私が産まれるはず
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番外編・第5話。

「はっ? エルザを? まさか、エルザの命を狙っているなんて……そんな」 レイヴァンは、その言葉にショックを受ける。サッと血の気が引くような感覚がした。『サファード一族は時の神の加護を受けているのは知っているな? 聖皇庁は古くからあるから、この事実は知っている。だから邪魔なのだ。その能力を皇族が手にしてみろ、自分達の立場が危うくなる。その座が欲しくなった聖皇は、転生してきた聖女を使う事を思いついた。だが、母上を失う事はどうしても避けないといけない。母上はクリスティーナ……我が妹を産まないと、国……いや、世界が歪んでしまう』「世界が滅んでしまうって……どういう事だ!?」 レイヴァンはサファード一族は、古くから時の神のご加護があることは知っていた。その能力は時を止めること。 それがあれば、国全体を影響するほど強い。皇族は忠誠の証として、その能力を隠して守ってきた。守るってより、独占してきたに過ぎないが。 その能力が女性しか現れない。だから、レイヴァンの父である皇帝陛下はサファード公爵家との縁談を申し込んできたのだ。やっと産まれたエルザを息子であるレイヴァンの妻にするために。 もちろんレイヴァンは、そんな能力よりもエルザ自身に惹かれているのだが……。『言っただろう? クリスティーナは時の神の後継者だと。我が君主は、もうかなりの高年齢だ。神は死ぬことはないが、マナを安定のために長い眠りにつく。その間は能力が薄れていく。そうなれば、この世の時間が歪み、ざまざま悪影響を生む。場合に寄っては、父上達が居る世界もどうなるか分かったものではない。それを阻止し、安定させる役割を持っているのがクリスティーナだ』 そんな凄い事をする人物が子供になることにも驚きだった。『私もクリスティーナも人間ではなく生命体の存在だ。しかし生命体では、この現世に降りて来るのは不可能。それに、すでに大人の私なら、まだしもクリスティーナは、実際に産まれて日が浅く能力が安定していない。その状態では人間のマナに漂う悪臭で死んでしまう。そのためにも一度人間の身体に憑依してマナを安定させないといけない。だが、普通の人間では我々の莫大なマナを受け止めも発動する事はできない。クロノス様の加護を受けているサファード一族以外ではな』 サファード公爵家は、そんな重大な責任を持っていたのか……。 皇太子でも知
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番外編・第6話。

『貴様はアホか? そんなのは上手くやれば、いくらでも回避はできる。つまり父上の演技と対応力次第だ』「しかし……そうだ。エルザに事情を話して協力してもらえば」『貴様は無能か? そんな事をしてみろ。下手な大根演技に誰が引っかかると思うか? すぐに聖女達に、ばれてしまうだけだ。父上みたいな無能な演技力を活かすためにも、母上には何も言うな。少しでも信憑性を出すためにもだ。分かったか? ヘタレ』(大根演技とか、無能って……何気に酷くないか? 仮にも父親に対して) 我が息子は、かなりの毒舌家だった。本当に父親だと思っているのだろうか?『何だ? 不満なら辞退してもいいのだぞ? その代わりに父親の座を降りてもらうだけだからな。母上の代わりは居ないが父親候補は、いくらでも居る。そうだな、父上のイトコであるセインって男でもいいな。同じ皇族だし、元々母上を好いている。何ならいずれ皇帝に押し上げてやってもいい。それか母上の専属騎士の1人であるライリーって男でもいい。あれも伯爵家の長男だからな。それに聖女とは関わり合わないし、母上を慕っている。事情を話せば守ってくれそうだ』「ちょっと待て。セインでもどうかと思うのに、何でライリーが!? そ、そんなのは許される訳がないだろう。エルザの夫と父親の座も私以外には居ない」 そんなのは認めない。認めたくない。しかしクリスは鼻で笑った。『父上……いや、貴様は何か勘違いをしていないか? 貴様の事情なんてどうでもいい。大切なのは母上の身の安全と我々を産んでもらう事だ。それすらできないのなら黙っててもらおう』「な、何だと!? もう一度同じ事を言ってみろ」 レイヴァンはクリスの言葉にカッとなって文句を言ったが、それでも強気な彼は『何度でも言ってやるが?』と、返してくるので押し黙ってしまった。 下手に余計な事を言ったら、その話が無しになってしまうような気がしたからだ。 完全に信用はできた訳では無かったが、彼の実力は確かなものだと確信する。なら、そうなる前になんとかしないと……。「わ、分かった。協力する」 とにかく、その座は確保しないと。そう考えたら答えは決まっていた。『良かろう。なら、これから重要な事をいくつか教えてやる。それをどう生かすかは父上次第だ。だが、これだけは言っておく。私はあくまでもサポートするだけだ。それをやるのは父上
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番外編・第7話。

「クリス。君はそれは、何を言っているのか分かっているのか? こういうのは、段階があるだろう。彼女の意思も」『グズグズするな、ヘタレ。貴様は父親の座に就きたいのではないのか? そんなくだらない事を言っている暇があるなら、さっさと孕ませて来い』 無茶難題な事を言ってくる我が息子。そもそも孕ませて来いとか、よく言えたものだ。そんな恥ずかしい台詞を。 レイヴァンも年頃の男だ。まったく考えてない訳ではない。 いずれエルザと……と夢を見た事は一度や二度ではない。しかし、それが違う形で実現しないといけないとは考えてもみなかった。 でもヤらないと、エルザの夫の座だけではなく父親の座も奪われてしまう。レイヴァン自身がヤらないと……。 そう思い直し、今夜それを決行する。名目は罰だ。 レイヴァンは夜になるとエルザが住んでいる『ホワイトキャッスル』に足を運んだ。事前に、そこの管理を任せてある執事長のトムソンには知らせてある。これからの事を考えて事実も。 父の代からずっと長く務めているためレイヴァンの事を仕えてくれる良き理解者だった。だから彼にエルザの事は任せていた。 彼女の専属侍女であるビビアンとルルは突然の訪問に驚いていたが気にする事なく、寝室に向かった。まだ寝ていないはず。 ノックもせずに荒々しく寝室に入って行く。罰を名目にしているからでもあるが、勢いをつけないと怖気づいてしまうからでもある。「レイヴァン様!? どうなさったのですか? こんな遅い時間に?」 エルザはネグリジェ姿だった。薄いネイビーブルー。まるで妖艶な美しさがあった。その姿に心臓がドキドキと高鳴って緊張してしまう。(あっダメだ。演技をしないと……) レイヴァンは,すぐに気を取り直してエルザを睨み付ける。「レイナから聞いたぞ。また君は彼女をイジメたらしいな? わざと転ばして嘲笑いのも腹立たしいのに、大勢居る中で私の婚約者だからと自慢して馬鹿にしてきたと」「わ、私はそんな事はしておりませんわ」 必死に否定するエルザ。そんな事は分かっている。 彼女は、そんなみっともない事はしない。そもそも、こんな遅い時間に言う事ではない。半場無理やりな設定だった。「だったら、彼女が噓を言ったと言うのか? 聖女である彼女が?」「で、ですが……」「そんなに私の婚約者である事が自慢か? もういい……そん
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番外編・第8話。

「ダメ……です。私達は……まだそんなこと」 恥じらいがあるのか、じわりと目尻に涙を浮かべていた。するとエルザの体がキラキラと光り出した。瞳が虹色に変わる。すると壁や周りのモノが石に変わってしまった。(これが……サファード一族の能力なのか!?) サファード一族だけが持つと言われている『時を止める』能力。初めて、その力を拝見した。だから皇族が手に入れたくなるのか。 エルザの一族の力は皇族を含めて一部の者しか知らない。世界を手に入れられるため、他国や悪用に使われたらいけないと隠されてきた。 でも裏では、その能力を独占したい皇族が隠したとも言われていた。その気持ちも分からなくはない。(あぁ……なんて美しんだ) こんな美しい姿を見たら独占したくなるのも頷ける。しかし能力だけではない。 彼女自身に恋をしたのだ。恥じらいの中に、こんな妖艶な美しさを持つ姿に。真っ直ぐとレイヴァンを見る姿は純粋で目が離せない。 レイヴァンは何も答えずに、また唇を塞いだ。我を忘れるような激しく。そして手で必死に抵抗するエルザを無視して無理やりネグリジェを剝ぎ取る。自分も衣服を脱いだ。 あらわになったエルザの胸を右手で丸く弄るように揉みながら乳頭を口に含む。吸ったり、舌で舐めたりするとさらに甘い声が漏れ出す。 その声に興奮してしまったのか、自分のたかが外れてしまった。「ダメ……あっ……吸わないで……あぁっ……」「これは、おしおきだと言っただろう。こんな事で感じているふりをしても無駄だ」 嫌がるエルザに対してそう言った。それでもレイヴァンは止める事はなかった。 首筋、胸、お腹、そして足にキスをしたり舐める。そして膣内に熱い舌をねじ込ませた。するとエルザはビクッと大きく反り上げると、悲鳴に近い声を上げた。「あぁっーやあぁ……んっ」 そうやら、そのまま達してしまったようだった。シーツの裾を掴みながら、はぁはぁっと肩で息を吐いている。その姿に自分の欲望が大きくなっていく。「まだ終わってはいない」 レイヴァンはエルザを犯し続けた。もう一度膣内に舌をねじ込ませると、出し入れする。「あぁ……んんっ……ダメ……またイッちゃう」「欲望まみれだな」「やぁ……レイヴァンさまあっ……お許しを……んあっ」 必死で抵抗するも、甘い声で鳴き続ける。頭を掴んでくるが弱々しい。 レイヴァ
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