それから何日か経ち、私はCTやMRIなどを取り異常なしと判断され、一週間ほどで退院した。「退院、おめでとう」 病院の入口で、加古川先生と奥様の美乃里さんが、見送ってくれた。 「ありがとうございます。……色々とお世話に、なりました」「これからも、何かあったらいつでも来てください」「退院、おめでとうございます」 美乃梨さんからも言葉をもらった私は「ありがとうございます」と言葉を返した。「加古川、本当にありがとう。……美乃梨さんも、あの時はありがとう」「ご無事で何よりです」「また何かあったら、連絡してくれ」「ああ。……行こうか、紅音」「はい」 私たちは二人に改めてお礼をしてタクシーに乗り込み、自宅へと帰宅した。「ただいま」「おかえり」 一週間ぶりの自宅は、とても懐かしい感じがした。ディフューザーのいい香りが漂うリビングに来ると、帰ってきたんだなって思う。 その時、後ろからギュッと爽太さんが抱きしめてきた。 「……え?」「寂しかった……紅音がいなくて」 そう言われた私は、「爽太さん……?」と問いかけた。「お前がいなくなったらって思ったら、俺たまらなく不安になったんだ。 お前がこんなにそばにいないだけで、こんなにも不安なるなんて……思わなかった」 爽太さんは私をさっきよりも強く抱きしめた。「爽太さん……心配させて、ごめんなさい」「紅音……本当に無事で良かった」 私たちは少し見つめ合って、爽太さんからの甘いキスをもらった。 私はそっと目を閉じて、自分から爽太さんの首に手を回した。「……爽太さん、好き……」 この関係でいられるのも、後一年しかない。 後一年しか、ないんだよね……。 後一年で、私たちは離婚して夫婦としての役目を終える。……それまでは、この幸せを噛み締めていたい。 夫婦として生活していく中で、私はもう止められないくらい爽太さんのことを好きになっている。 実際にこうなってみて、さらにその想いが強くなっていくのが分かったんだ。「……私、ずっと一緒にいたい」「紅音……?」「ずっとずっと、爽太さんと一緒にいたい」 そうやって気持ちを伝えるのは、いつも怖い。……だけど言わないまま後悔をしたくないんだ。「……紅音」「こんなこと言って困らせてしまうことは、分かっています。……でも爽太さ
Terakhir Diperbarui : 2025-04-30 Baca selengkapnya