霧島グループ本社ビル前に車が停まり、聖天の姿が見えた。そして、聖天がドアを閉めようとした瞬間、一つの影が彼の胸に飛び込んできた。聖天の背中が車のドアにぶつかる。周囲にマスコミの記者たちがいるのなんかどうでもよかった。凛はただ聖天に抱きつきたかった。聖天は車の中でも電話をしてくれていたのだが、凛は実際に会うまで、どうしても安心できなかったのだ。この瞬間、彼女は貪るように、彼の温もりと息づかいを感じていた。この間、胸の奥に積もっていた重圧も、悔しさも、すべてがそのぬくもりに溶けて消えていった。聖天は、甘い笑みを浮かべながら凛を抱きしめ、優しく囁く。「もう大丈夫だ。俺はもうどこにも行かないか
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